いよいよ放送開始となった『マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~』。みなさんはもうご覧になりましたか?
キミラノではこれから毎週放送後の土曜日に出演者へのインタビュー記事を公開します。放送の余韻も冷めやらぬ中キャストの皆さんが抱く作品やキャラへの想いを知れば、より『マジック・メイカー』を楽しめること間違いありません!
記念すべき1話放送後に登場するのは、シオン役の潘めぐみさん、マリー役の加隈亜衣さん、そしてローズ役の雨宮天さんの御三方です。
──まず、「キミラノ」初登場の加隈さんと雨宮さんに、ライトノベルの原体験を伺えればと思います。
加隈 実は、このお仕事を始めるまでライトノベルに触れたことがなかったんです。アニメっぽい表紙の小説があるな〜とは本屋さんに行くたび思っていたんですけど、実際に読んだのは声優になってライトノベル原作の作品へ出演することになってからでした。なので、原体験というと新人の頃に出演した『神さまのいない日曜日』(ミミ・メメ)になります。初の双子役ということで原作を読みながら緊張していたことを覚えていますね。
雨宮 私の原体験は、中学校の図書室に置いてあった『Missing』と『断章のグリム』です。当時はライトノベルだということを知らず、怖いファンタジーものだなという認識でしたね。それまでは清く正しい児童文学ばかり読んでいたので、小説でここまで攻めていいんだ!? とまさしく世界が広がったような感覚を受けました。声優になってからだとあまり数は読めていないんですが……。
──雨宮さんといえば、ライトノベル原作である『この素晴らしい世界に祝福を!』でアクア役を務められている印象も強いですが、そちらはいかがですか?
雨宮 アニメ版はもちろんですが、朗読音声に出演させていただいたことが『このすば』では特に印象に残っています。というのも、朗読だとアニメ版で演じているアクアだけではなくて、地の文や他のキャラクターのセリフも読むことになるんですよ。他のキャラクターを演じる声優さんの下手なマネになってはいけないので、塩梅を探りながら演じた記憶があります。どうしても耳に焼き付いているお芝居もあるので、とても難しい仕事でした。
──そんな加隈さんと雨宮さんは今回出演される『マジック・メイカー』において、潘さん演じる主人公・シオンの姉・マリーと、幼馴染のローズを演じられています。
加隈 今思い出すと「?」な出来事なんですけど、オーディションのときはマリーのことをシオンにキツイことを言う女の子だと認識していたんですよね。
潘 え!? (掛け合っていて)全くそうは感じなかったんだけど!?
加隈 実際に合格してから台本を読むと「あれ?」ってなってしまって。どこで記憶がすり替わったのか、何を勘違いしてたのか(笑)。なので、実際に収録に臨むことになってからは、マリーのことを再解釈して……。シオンは転生者でローズは大人びた性格の持ち主ですから、マリーがこの三人の中で一番幼くて無邪気な可愛らしい子だと見えるように演じるように意識しました。
雨宮 ローズは見た目通りに幼いですが、しっかり者なお嬢様です。なので、オーディションの頃から大人びているけれど、子どもであるバランスをどう取るべきか考えていましたね。その上でシオンやマリーと話すシーンでは近しい年齢感であることが伝わらないといけないので……。そんなことを考えながら収録に臨んでいたような気がします。
──そんなお二人のお芝居について、潘さんはどのように感じられましたか?
潘 亜衣さんが演じるマリーは、ただひたすらに可愛いなと……! 本当に等身大で天真爛漫なんですよ。こんな可愛いお姉ちゃんは放っておけない! と、シオンが弟なんだけど、いつの間にかお姉ちゃんを守るくらいの気持ちを抱いていたのは、亜衣さんのお芝居も一因だったと思います(笑)。天ちゃんのローズは、中身が大人であるシオンと同じ価値観と目線で話すことができる友人といった印象が強かったですね。どこか達観してるんです。だからこそマリーがついていけなくなるときもあるんですけど、そのバランス感を生み出したのは天ちゃんのお芝居あってこそだったなと。
──皆さんは一緒に収録に臨まれたと伺っています。その上で、お互いのお芝居を隣で見て、すごいなと思ったお芝居や表現、セリフなどをお教えください。まず、潘さんのお芝居はいかがでしたか?
加隈 シオンはこの作品の中で特にセリフ量が多いのに、潘ちゃんは楽しそうにお芝居をされていました。その上、楽しそうに「うへへ~」って笑うのが本当に気持ち悪くて(笑)。可愛いらしい気持ち悪さ。
──鏑木先生や古賀監督にお話伺った時もその「うへへ~」の話が出ました。
潘 あ、気持ち悪いねと(笑)。
──気持ち悪くて良いねって(笑)。
潘 あ「良いね」がついた!(笑)。『マジック・メイカー』における「気持ち悪い」は褒め言葉です。
雨宮 潘さんのギャグシーンの振り切りはすごかったですよね。『マジック・メイカー』はストイックに魔法を開発する描写が続きますけど、とても振り切った演技のギャグシーンで作品の幅を広げていて。シオンがより彩鮮やかになった印象を受けました。
潘 私としてはギャグシーンってあまり手応えがないんですよ。誰かにクスッとしてもらえたら手応えを感じますけど、やり取りの中で思いついた引き出しを反射的に開けているかんじなので。だから、こうやって二人に刺さってとても良かったです!
──続いて加隈さんのお芝居についてもお教えください。
潘 はい、可愛かったです。
──(笑)。
潘 思わず語彙力をなくしてしまうんですけど、マリーの年相応なあざとすぎない可愛さを出せる亜衣さんって素晴らしいなと。あの愛らしさはどこから来るんですかね? 普段話しているときも可愛らしい方だなって思うんですけど……。そんな素から愛らしい亜衣さんだからこそ表現できるマリーの可愛さだなと改めて実感しました。
雨宮 本当にマリー(CV:マリー)みたいな感じですよね(笑)。等身大の小さな女の子を自然に可愛らしく演じていて、とても巧い方だと改めて実感しました。
加隈 ってお二人がおっしゃいますけど、お二人もとても可愛らしいですからね(笑)! 天ちゃんなんて、少ししか会えないタイミングでも誕生日プレゼントを届けてくれましたし!
──一方、雨宮さんのお芝居はいかがでしたか?
潘 役によって見せる大胆でダイナミックなところも大好きなんですけど、基本的な仕草に品があって、ご本人もとてもしっかりとしているので、最初に聞いたときから「ローズいる!」って感じました。でも、天ちゃんと子どもの役で掛け合うのは初めてだったので、とても新鮮でしたね。
加隈 天ちゃんとは新人時代にご一緒していたんですけど(『アルドノア・ゼロ』)、そのときお嬢様役をやられていた印象が強くて品のあるイメージをずっと抱いていて。今回は子ども役ですからどうなるのかなと思っていたら、大人の中に溶け込んでいる子どもをリアルに演じていて、とってもローズっぽいなと感じましたね。
雨宮 (照れて顔を隠す)ありがとうございます(笑)。
──さて、そんな皆さんの仲の良さが滲み出た『マジック・メイカー』の放送もいよいよ始まりました。次回以降の展開で皆さんが特に推したいポイントはどこですか?
潘 この世界には魔法がないので、シオンは第一人者として様々なことに挑んでいきます。親にも反対される中、純粋な心で挑んでいく彼の信念をぜひ見守っていただきたいですね。
加隈 1話がかなり面白い仕掛けになっていて、回を経るごとに描かれていたものの意味が分かっていくはずです。その展開にもぜひ注目していただけたら!
雨宮 個人的には3話が大好きなエピソードなので、見逃してほしくない……! おそらく1〜3話を観ることで、この世界の魔法とは何なのかが分かるはずです。
潘 その上で伏線も散りばめられているので、ぜひ1話をご覧になった方はそのまま最終回までお付き合いください! シオンに影響を受けて変化していくマリーやローズ、登場人物たちの姿にも要注目です!
──ありがとうございました。
取材・執筆:太田祥暉
執筆協力:デワフジツバサ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
次回のインタビュー記事は1月18日に公開予定です。誰が登場するかお楽しみに!
潘めぐみプロフィール
東京都出身。アトミックモンキー所属。2011年、「HUNTER×HUNTER」の主人公、ゴン=フリークス役にて声優デビュー。主な出演作に「リトルウィッチアカデミア」(アッコ役)、「ハピネスチャージプリキュア!」(白雪ひめ/キュアプリンセス役)、「ゲーマーズ!」(雨野景太役)、「【推しの子】」(有馬かな役)、「しかのこのこのここしたんたん」(鹿乃子のこ役)など。
加隈亜衣プロフィール
福岡県出身。マウスプロモーション所属。2012年、「パパのいうことを聞きなさい!』」のお姉さん役にてアニメデビュー。主な出演作に「ひろがるスカイ!プリキュア」(キュアプリズム/虹ヶ丘ましろ役)、「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」(エリス役)、「キングスレイド 意志を継ぐものたち」(フレイ役)、「青のオーケストラ」(秋音律子役)、「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」(マイ役)など。
雨宮天プロフィール
東京都出身。ミュージックレイン所属。2012年より声優として活動を始める。主な出演作に「よふかしのうた」(七草ナズナ役)、「七つの大罪 憤怒の審判」(エリザベス役)、「彼女、お借りします」(水原千鶴役)、「この素晴らしい世界に祝福を!」シリーズ (アクア役)、「アカメが斬る!」(アカメ役)など。
アニメ情報
イントロダクション
リスティア国の片田舎の領地を治める下級貴族、オーンスタイン家。そこには、二人の姉弟がいた。
姉のマリーは、父から剣術の稽古を受けるのが大好きな活発な女の子。
弟のシオンは、部屋に籠もって本を読むのが大好きな内気な男の子。
性格は正反対の二人だが、優しい両親に見守られながら、仲睦まじく暮らしていた。
そんなある日、シオンは『まほう』というものがこの世界に存在するか、父に尋ねる。
しかし、貴族としてそれなりの教養がある父でも、『まほう』という言葉自体を知らなかった。
ましてや、シオンが言う「火とか水とか風とか光とか、何もないところからいろんなものを出したりする」現象など、この世には存在するはずもなく……。
その日から、シオンは目に見えて落ち込んでしまう。
シオンを励ましたいと、幼馴染みで農家の娘のローズに話すマリー。
すると、湖で不思議な現象を目の当たりにして──
この異世界、魔法がない!?
そんな世界に転生した主人公の少年シオンが紡いでいく、
ロマン求める魔法開発ファンタジースタート。
キャスト
シオン:潘めぐみ
マリー:加隈亜衣
ローズ:雨宮天
ラフィーナ:芹澤優
ブリジット:古賀葵
コール:宮瀬尚也
ガウェイン:宮本充
エマ:豊口めぐみ
グラスト:赤坂征之
スタッフ
原作:鏑木カヅキ「マジック・メイカー -異世界魔法の作り方-」(MFブックス)
キャラクター原案:転
監督:古賀一臣
オープニング主題歌:XIIX「煌めき」
エンディング主題歌:ハンブレッダーズ「夜明けの歌」
アニメーション制作:スタジオディーン
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マジック・メイカー 異世界魔法の作り方 1
著者: 鏑木カヅキ イラスト: 転
魔法がないなら作るまで。目指すは異世界魔法のパイオニア!!
魔法への憧れを抱いたまま死んだ男は、気づくと異世界でシオンという名の赤ん坊に生まれ変わっていた。異世界ならば魔法が使えるかもしれないと期待に胸膨らませつつ成長した彼は、期待に反してその世界には魔法が存在しないと知る。
絶望するシオンだったが、ある日姉のマリーと訪れた湖で彼は“まるで魔法のような”不可思議な現象を目撃して――。
「諦めるにはまだ早い。魔法がないなら、自分で作ればいい!」
シオンは魔法の研究を始め、周囲を巻き込みながら着実に前進していく。飛び出す炎、走る稲妻――すべては前世からの夢である『魔法』を使うために!
目指すは異世界魔法のパイオニア!? 浪漫を求めて、少年は異世界を生きる! -
マジック・メイカー 異世界魔法の作り方 2
著者: 鏑木カヅキ イラスト: 転
見えない魔物、謎の病――「魔法」の力で大切な人を守れるか!?
魔法のない異世界に転生したシオン。彼は魔法を現実のものとするべく研究を続け、その成長の中で様々な魔法を生み出すことに成功した。
ある日、姉のマリーが王国各地で流行する謎の病『怠惰病』によって倒れてしまう。原因不明の病で治療法も確立されておらず、憔悴するシオン。だが彼はマリーの様子を見て、『魔力』と『怠惰病』には関連があるのではと気づく。
シオンは医師見習い、魔物学者、護衛騎士の三人と協力し、魔力を使った治療法の研究を進めることになるが――。
「みんな心配しないで。安心して。僕が姉さんを救うから」
見えない魔物、謎の病――変わりゆく世界でシオンは『魔法』で大切な人を守れるか。激動の第二弾、開幕! -
マジック・メイカー 異世界魔法の作り方 3
著者: 鏑木カヅキ イラスト: 転
シオンの魔力は、王国の希望の光となるか――!?
魔法がない世界で、一から魔法を生み出すことに成功したシオン。彼は世界を襲った『怠惰病』蔓延の災厄に対しても、魔力を使い治療法を確立したのだった。
その功績をもって王都に招聘されたシオンは、女王ラクシュアに治療法を候補者へ教え広めるよう命じられる。しかし、選ばれた候補者は周辺各国から集められた貴族階級の若者ばかり。平民出自のシオンにとって、身分や文化に差がある候補者たちの教師役を務めるのは簡単なことではなく……。『魔力』という聞いたこともない力を懐疑的な彼らに、シオンが最初に教えるのは――!?
「皆さん――これが魔力です」
一癖ある問題児たち、国政を見据える女王、そしてシオン付きとなった引っ込み思案の侍女……シオンは人々に希望の光を示せるか!? 転換の第三弾、開幕!