ロシデレの魅力は「王道ラブコメであること!!」ヒロイン・アーリャ役、上坂すみれさんスペシャルインタビュー!

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ロシデレの魅力は「王道ラブコメであること!!」ヒロイン・アーリャ役、上坂すみれさんスペシャルインタビュー!

いよいよ7月3日(水)から放送がスタートするアニメ『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』、通称『ロシデレ』。ロシア人の血を引く孤高のお姫様・アーリャと、いつもは劣等生ながら大事なところではカッコいい仕草を見せる少年・政近の徐々に縮まっていく距離感を描いた甘酸っぱいラブコメ作品だ。

上坂すみれ

そのアーリャ役を演じるのは、原作小説『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』(角川スニーカー文庫刊)のPVから声を務めている上坂すみれさん。上坂さんといえば、大学時代にもロシア語を勉強したことでも知られるロシア通。まさにアーリャ役はハマリ役なキャスティングだ。そんな上坂さんは、原作小説のPVからテレビアニメと数年間『ロシデレ』に携わる中で、果たして作品の魅力や演じ方をどのように考えていたのだろうか? 読書遍歴など、素顔の上坂さんに迫りながら、『ロシデレ』の魅力を紐解きます。

最近の読書体験やライトノベルについて

──上坂さんは普段、オフの日にどのようなことをされますか?

何か決めてやることがあまりなくて、好きな作品のコラボカフェに行ったり、競馬観戦に行ったりと様々ですね。外出が多い週だったら、一日中家にいることもあります。掃除機を掛けたり、積読を崩したり……。でもやっぱり、お酒を飲みながら猫と遊びつつ、ソシャゲのウイークリークエストをこなしていくのが一番楽しいですね(笑)。

──最近、読まれた本で面白かったものは何ですか?

私がワインをよく飲むこともあって手に取った『ワインの世界史』と、とても不思議な作風のマンガ『地元最高!』が面白かったです。あと、パイロットになりたい人がメインターゲットの『月刊エアライン』という雑誌があるんですが、内容のマニアックさに惹かれてよく読んでいます。舞台『サイボーグ009』を観に行ったので、原作を読み返してもいましたね。私は完全に乱読タイプなので、新書やマンガを並行して何冊も読んでいます。Kindle Unlimitedも上限まで使っていて(同時に利用できるのは20冊まで)。

──ノンフィクションとサブカルが入り混じったラインナップですね。ちなみに、ライトノベルの思い出はありますか?

中学時代に初めて買ったライトノベルが、『空の境界』だったんですよ。とにかく表紙イラストがカッコよくて、地元の駅にある本屋さんの平積みコーナーで一目惚れした覚えがあります。当時既に深夜アニメを観るようになっていたので、『灼眼のシャナ』にも手を出していましたね。

上坂すみれ

──上坂さんといえば、2009年から2011年にかけて電撃文庫の作品を取り扱ったウェブラジオ『うぇぶらじ@電撃文庫』にも出演されていましたよね。

私がまだ声優になる前のお話ですね……! 明坂聡美さんとうえむらちかさんがメインパーソナリティとして電撃文庫作品をご紹介される番組でした。その縁もあって、電撃文庫作品はたくさん読んでいましたね。その中でも特に印象に残っているのは、『撲殺天使ドクロちゃん』です。おかゆ(まさき)先生もパーソナリティのお一人だったんですが、お話している印象はとても優しい方なんですよ。でも、そんなおかゆ先生からお出しされた作品は、とても自由で「こんなことまでライトノベルでやっていいんだ!?」と驚くような内容だったんです。『ドクロちゃん』には、挿絵の使い方やフォントの大小など、ライトノベルの自由さを教えていただきました。

──ここまでアクションものとコメディが例に挙がりましたが、ラブコメはいかがですか?

ラブコメって、甘酸っぱい描写が始まっちゃうとどうしても手が止まっちゃうんですよ! 恥ずかしがってしまって、一回ページを閉じてしまうんです。女子校出身で恋愛に免疫がなくて。なので、『灼眼のシャナ』や『涼宮ハルヒの憂鬱』の甘酸っぱいところは家でコツコツ読んでいましたね。

──学校では読まれなかったんですね(笑)。

当時はちょっと中二病が入っていて、学校では講談社現代新書をずっと読んでいたんですよ(苦笑)。『ユングの心理学』を読み解こうと思ってページを捲るものの、何度も前のページに戻っていましたね。内容が難しくって、理解するまでに時間が掛かるんですよ。でも、『ユングの心理学』を読む俺、カッコいいだろ……? と、ついつい学校では講談社現代新書を読んでしまうという……。

『ロシデレ』アーリャを演じてみて思ったことは...?

──さて、この夏アニメ化される『ロシデレ』ですが、上坂さんは原作小説のPVからアーリャ役を務められています。出演のオファーがあった際、どのような印象を持たれましたか?

まず、私のささやかな特技──ロシア語が話せることを活かせるピンポイントなキャラクターがいるなんて! という驚きがありました。でも、読み進めてみると、アーリャさんの魅力が見えてきて。ただのツンデレでもクールキャラでもない。ただ自分だけに分かるロシア語でデレてくれる。そこがとても可愛かったです。

──そんなアーリャをいざ演じてみるとなったとき、上坂さんはどのように役作りをされていったのでしょうか。

そもそもロシア語って、ちょっと圧が強く聞こえる節があって。なので、アーリャさんのセリフって、文字だけで読むとかなりキツいんですよ。そのまま演じてしまうとクールキャラになってしまうけれど、ももこさんの繊細なイラストの印象を考えると可愛らしくしていきたいわけです。私自身、当時は優しい雰囲気のキャラクターをあまり演じていなかった頃なので、どうアプローチするべきかかなり悩みましたね。その結果、音の角を丸くして、ロシア語を可愛く聞こえるように意識していきました。

上坂すみれ

──上坂さんは『ガールズ&パンツァー』など他作品でもロシア語を喋るキャラクターを演じられています。素朴な質問ですが、日本語のセリフとロシア語のセリフとでは、同じキャラクターであってもアプローチは変わるものなのでしょうか。

『ガルパン』のノンナを演じる際は、ロシア語のカッコよさを強調していたので少し異なるのですが、やはりロシア語って日本語より低く聞こえがちなんですよ。なので、同じキャラクターとして表現するためには、ロシア語のセリフは少し声色を高めに設定する必要があるんです。ですから、どこか歌詞のようなイメージで演じることが多いですね。『ロシデレ』もそのような演じ方を採りました。

──アーリャを演じる上で、日本語のセリフはどのようなことを意識されましたか?

セリフ回しが強いので、強めに言ってしまうとツンではなくて罵倒になりかねません。なので、ちょっと一歩引いてお芝居をするように心掛けていました。ももこさんイラストの銀髪クールなアーリャさんを頭の中に思い浮かべて、「この子はこんな声しない……!」とイメージに近付けることも意識していましたね。銀髪クールヒロインは大声を出しませんし、セリフの「!」にもあまり引っ張られないよな、とか(笑)。

──そんな形で役作りをされていたんですね。テレビシリーズでは、そのアプローチを継続されていったのですか?

原作の巻数も増えていって、アーリャさんがどんな子なのか更に魅力が分かっていった時期に収録が始まったので、もう少しロシア語の発音の圧を下げるように心掛けましたね。PVと異なり、アーリャさんの可愛さが画でも伝わりますから、とにかく芝居全体に丸みを帯びさせていくことを第一に考えました。

──テレビシリーズの主題歌もアーリャ役として上坂さんが務められています。

オープニング主題歌の「1番輝く星」は、『ロシデレ』が大好きな白戸佑輔さんが書かれていて。イントロ開始1秒から、もう星が輝いているような雰囲気を感じる楽曲です。アーリャさんは上手く感情を表に出せないけれど、実はこんなことを考えている……というところまで考えられた歌詞なので、ストーリーとともに「ここはこんな意味かな?」と考察していただけると嬉しいですね。エンディング主題歌は名曲の数々をアーリャさんとしてカバーしていくわけですが、懐メロ好きの私としては実はとある一曲だけ収録時にとても気合が入ってしまって(苦笑)。おそらく聞いた瞬間に分かると思うので、私が好きな曲はどれか、予想していただけると面白いかもしれません(笑)。

──原作のPVからテレビシリーズまで演じられている上坂さんが、今改めて『ロシデレ』の魅力を挙げるとしたらどのような点になりますか?

とても王道のラブコメであることだと思います。アーリャさんは傷ついたり、嬉しくなったりと政近の一挙手一投足に心を揺さぶられていきますが、その奇のてらわなさが素晴らしいんですよね。ライバルとなる有希の動きも面白くて、単純にラブコメとして楽しい作品になっています。そこへロシア語という要素が加わって、デレのギミックがピリリと効いてきて……。その塩梅がたまらず愛おしくなりますよね。

──政近とアーリャの関係性がとても魅力的ですよね。

そうなんです! 私が一番好きなシーンは……放送前なのでまだ詳しくは言えないんですけど(笑)。とある目標のために人間的に奮闘するアーリャさんと、その想いに呼応していく政近。その二人の関係性がとても大好きです。孤高のお姫様と言われるアーリャさんではあるけれど、自分の才能にあぐらをかいているわけではなくて、観ていてカッコいいなと思えるような人間的魅力も秘めています。おそらく、テレビシリーズで初めてご覧になる方も、二人のことを応援したくなるはずです!

──いよいよ放送が始まるアニメ『ロシデレ』ですが、上坂さんが最も推したいポイントはどこでしょうか?

とにかく動画工房さん本気の作画です! 声優陣ももちろん毎話頑張って収録しましたが、ここまで解像度の高いアニメを観ないなんてあまりに惜しいと思います。先ほど触れたように、毎話変わるエンディング主題歌も見どころですし、原作では読めなくてロシア語だ~とスルーしていた方もいるかもしれないあのアーリャさんのデレが、声と字幕で楽しめる! そこからロシア語に興味を抱いていただけると、個人的には嬉しいですね。でも、まずは純粋なラブコメとしてアーリャさんと政近の関係性を楽しんでほしいです!

取材・文:太田祥暉
スタイリスト:佐野夏水
撮影:中山かつみ

プロフィール

上坂すみれ

上坂すみれ

12月19日生まれ、神奈川県出身。上智大学外国語学部ロシア語学科卒。2011年に『パパのいうことを聞きなさい!』(小鳥遊空役)で声優デビュー後、様々な作品に出演。2013年からはアーティスト活動も行っている。アーティスト活動10周年を記念した書籍『大祝賀本』が今年7月29日に刊行予定。主な出演作に『うる星やつら』(ラム)、『キン肉マン 完璧超人始祖編』(ミートくん)、『グレンダイザーU』(弓さやか) など。

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作品紹介

  • 時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん
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    時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん

    著: 燦々SUN   イラスト: ももこ

    ただし、彼女は俺がロシア語わかることを知らない。

    「И наменятоже обрати внимание」
    「え、なに?」「別に? 『こいつホント馬鹿だわ』って言っただけ」「ロシア語で罵倒やめてくれる!?」
    俺の隣の席に座る絶世の銀髪美少女、アーリャさんはフッと勝ち誇った笑みを浮かべていた。
    ……だが、事実は違う。さっきのロシア語、彼女は「私のことかまってよ」と言っていたのだ!
    実は俺、久瀬政近のロシア語リスニングはネイティブレベルなのである。
    そんな事とは露知らず、今日も甘々なロシア語でデレてくるアーリャさんにニヤニヤが止まらない!?
     全生徒憧れの的、超ハイスペックなロシアンJKとの青春ラブコメディ!


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  • 時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん 3

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  • 時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん 4.5 Summer Stories

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  • 時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん 5

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著者イラスト:ももこ 原作/燦々SUN

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