人はどんな作品を見たときに泣くのだろうか?

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2021年06月27日
まとめたユーザーぎんちゅう #hwvgfy
感動的なお話。
悲しいお話。
最高に笑えるお話。

そんな物語に出会ったとき、人はたしかに涙を流し、泣いてしまう。
だけど、この世に数多ある作品を見て「本当に泣いた」って言えるのはどんな瞬間なのでしょうか?

今回はわたしが「本当に泣いてしまった」作品を一つ例にして語ります。
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    第一印象は「めちゃくちゃ気になるタイトル」という本作。

    そのあらすじは以下のようなもの。
    人型強襲兵器を操り戦場の英雄と呼ばれた主人公は戦争が終わり、夢であったパン屋を開く。しかしながら、そのガタイと強面のせいで常に閑古鳥が鳴く状況。そこで唯一のお得意様と言える少年のアドバイスでウェイトレスを募集したところやってきたのは、彼の軍人時代の愛機に搭載されていた支援AIから生まれた白銀の髪と赤い瞳を持つ美少女だった。

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    この作品が描くのは「心を持った機械の在り方」

    軍事兵器に搭載されていた人工知能に過ぎないメインヒロインは少女の肉体を持ち、マスターであった主人公の元へ。

    そして、何より大切なマスターの側で、マスターのためだけにできることはなんでも遂行する。
    彼の身に万一の危険でもあろうものなら、それを想像するだけでも耐えられない痛みに時折暴走すらしてしまう。

    そんな機械系ヒロインらしさ全開のメインヒロイン。

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    わたしは機械系ヒロインが大好きなのです。
    そして1巻を読んだ時点でこの作品は自分の好きな作品なんだと思いました。
    2巻3巻と読み進めていく内にその思いはどんどん強くなってきて……。

    作品の中では相変わらずちょっと言動の過激なメインヒロインと主人公の二人、そして周囲にいる人々によってなかなか平穏とはいかないパン屋の物語が描かれます。

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    そうして、ついにやってきた最初の佳境。
    巨大な陰謀が渦巻く上下巻構成の前半となる4巻。これまでマスターとその周囲にいる人々と関わることで徐々に変わりゆくメインヒロインの心の内が一層に強調されていた内容。

    そして、終盤にやってきた衝撃の展開。

    もう読む手は止まらず、わたしは堪らず5巻を手に取ったのですよ。

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    もうただ一心に読み進めていました。

    それはワクワクとかドキドキとか、そういう純粋にこの作品を読んでいることが楽しいという感覚。

    そして気がつけば涙が――。

    あれ? どうして?
    自分でも本気で一瞬何が起きているのかが分からなかった。

    手に汗握る物語も。
    感動的な展開も。
    更に深まる世界の謎も。
    そういった面白いって思える、もしかしたらグッと胸に来るような数々の要素はあったのかもしれない。

    でもそうじゃなくて。

    ああ、楽しいなって。
    ああ、好きだなって。
    この作品が大好きなんだって。

    そう思ったときには、もう泣いていたのです。

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    たぶん、本当に泣く作品ってそういうものなんだと思います。

    たしかに感動しても大爆笑しても涙は出ますけど、そういう涙だとは違う。

    ただ純粋に心に響く何かをそこに見出したときに人は自然と涙を流すのだと、そう思います。

    もちろんそれには作品と向き合う心の状態、その直近に現実であなたの身に起こった出来事、それまでに積み重ねてきたあなたの価値観や感性。
    そういったあらゆるものが複雑に絡み合った一瞬のタイミングがとても重要になるけれど。
    そしてそれは今ここで語るわたしの「本当に泣く」とは意味合いすら全く違うものになるかもしれないけど。

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    それでも、そのたった一瞬。
    この作品に出会えて良かったと。
    心からそう思えて好きになるものに出会えるとき。

    流れる涙は一生忘れることがないものになります。

    そして、そんな一瞬のために生きているような気すらしてくるのです。
    わたしにとっては、改めてラノベを読む意味を見出した瞬間でもありました。

    だから、わたしがこのまとめで言いたいことはこの作品をオススメすることではなく。
    そんな作品との出会いを大切にしてほしいということ。
    まだ見ぬ大好きを探して、既にある大好きを思い出してみてほしい。

    そこにあなたが本当に泣ける作品はありますか?

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    ……と、まぁ、言いたいことは言い切った。

    のですけど、この「戦うパン屋と機械じかけの看板娘」は全10巻で、あと3巻あるのですよ。
    流石にここで終わるのはキリが悪いですよね?

    というわけで、ここからは普通にこの作品を推します!

    え? 今回はこの作品をオススメするのが趣旨じゃないってついさっき言ったばかり?

    しゃーないじゃないですか!
    まだあと3巻あるんですから!
    そういうわけで次の9巻の枠から推し紹介いきましょう!

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    まぁ、もう既に言ってますけどこの作品は「心を持った機械の在り方」を描いた作品でわたしが好きなのもまさにこの点。

    自分の大切なマスターのためだけに存在する機械としての心と、彼を好きでいたい彼に好きになってもらいたいという人としての心。
    その隔たりに悩み、困惑し、それでも決して揺るがないのはどんな理屈であろうと彼を想っている事実。

    そのテーマにおいて最初から一貫し描ききってくれた本作は、もう最高に素晴らしい。
    わたしのような機械ヒロイン好きには堪らない作品!
    可愛さが限界突破しているのですよ!

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    そして、それはメインヒロインの彼女に限った話ではなく。
    彼女の他にももう二人、同じように人の心を持ち少女の体を与えられたヒロインが登場しますが、この二人も可愛すぎるのですよ!
    それぞれ違った方向で、でもやっぱりどこか似ている機械らしさで、自分の大切な人に熱烈な親愛を見せる姿にもうわたし昇天です!

    そして、全てのキャラが揃い踏みして、最後幸せな未来へと繋がるこの最終巻。
    ここまで読ませていただいたことに感謝することしかできないのです!

    「戦うパン屋と機械じかけの看板娘」

    わたしにとって超絶大好きな作品です!
    気になった方には是非読んでほしい!

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