二人きりの勉強会、淡い恋が理性と優しさで紡がれていく！「放課後の教室で、恋はつもる。」【今読みたい!! 最新百合ラノベクロスレビュー⑤】

『放課後の教室で、恋はつもる。』（著者：日日綴郎／イラスト：雪子）

今、百合ラノベが熱い...!! 「百合ラノベ座談会」に参加していただいた、VTuberの湯町りこさん、ラノベブロガーの夏鎖さん、新人編集のことぶきさんに、今読みたい!! 大注目の最新百合ラノベ作品をレビューでご紹介してもらいました。思いの詰まったおすすめポイントを読んで、これは...！と思ったら試し読みしてみてくださいね。

湯町りこのレビュー

　まだ子どもらしくあっていいはずの、空気読みがちなギャル風高校生メイサちゃん。そんな子どもを導く大人であろうとする、生真面目な教師筧先生。二人きりの放課後の勉強会という、あくまで健全な時間をすごしながら距離を縮めていく二人から目が離せません。

　大人と子どもの立場の上で最大限の理性と優しさでもって紡がれていく恋模様は、ほっとして、でももどかしくて、だから惹きつけられる。メイサちゃんからの素直な恋の矢印はどうにか受け流していくけれど、教師としてメイサちゃんの人生に積極的に向き合っていく先生の姿は格好よかったし、メイサちゃんのひたむきなアプローチはあまりにも可愛らしかった。
　相手を慮るからこそゆっくりと、少しずつ信頼を獲得して、躊躇して、確実に降りつもっていく恋。それがこのまま正攻法で育っていくことを願わずにはいられないのです。
　誰からも、ずっと大切にされてほしい、そんな恋のお話だと思います。

夏鎖のレビュー

　生徒と教師の恋愛。しかも同性同士。それなのにどうしても惹かれてしまって止められない。落ちていくのではなく上がっていくような百合恋愛ものです。地味で真面目な国語教師の筧莉緒とクラスのカーストトップの上原メイサ。一回り近く歳も離れていて好きなものも生きている世界も違う。そんな二人が放課後の勉強会を通じて少しずつお互いの内面に触れていく過程が尊いです。莉緒はずっと好きな人がいてその人のことが忘れられず、メイサは何人も彼氏を作ってみるもいつもうまくいかなくて恋がイマイチわからない。そんな二人の恋愛観から生まれるまだ淡い恋が、未熟な想いが、伝わった瞬間にこの作品の虜になりました。

ことぶきのレビュー

　まさかの教師×生徒の百合が二作も！？「人妻教師～」は背徳感が美味しかったですが、こちらは難しい立場でありながら、その困難を超えて愛し合ってみせるというラブロマンスのような輝きを感じました。私の中の＜結ばれてくれ応援団＞が声を上げています。
　「私が、上原さんに行ってほしくないからです」
　という先生のセリフがあるんですが...普段は教師として毅然としている先生が、思わず教師ではなく一個人として反応しちゃうのめっちゃ可愛いですよね！　もう好きじゃん！　それは！　本作ではこういうシチュエーションがいっぱい摂取できて最高です。
　そして個人的に一番気になったのは一番初め、プロローグのキスシーン。互いに成人で勤務先の学校でこっそりキスという描写。だけど本編は先生と生徒のお話。これってつまり生徒が先生追っかけて教師になって……ていう展開になるのか！？　誰ぞ続きを持てい！

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