【レビュー】サブキャラとして第二の人生……とか言ってる場合ではない!!

脇役に転生した俺でも、義妹を『攻略』していいですか?

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はファミ通文庫から8月30日に刊行される『脇役に転生した俺でも、義妹を『攻略』にしていいですか?』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 目の前に、実の両親を亡くしたことで塞ぎ込んでいる義妹(従妹)がいたら、あなたはどうしますか。ただし、二年後には別人の手によって救われるかもしれない、という条件付きです。――いや、確定でないのなら、自分の手で救うしかない。大切な義妹を幸せにするためには……!

 脇役に転生した俺でも、義妹を『攻略』にしていいですか?

 というのが本作『脇役に転生した俺でも、義妹を『攻略』にしていいですか?』の始まりです。主人公・神崎栄司は恋愛ゲームの世界に転生し、そこで攻略が難しいとされるヒロインの義兄(従兄)になってしまいます。そこで義妹である神崎鈴那を救う、というのが本作の命題。二年後には主人公が鈴那のもとを現れて、彼女を救い出すかもしれない(攻略ヒロインは複数いるので、救われないかもしれない)。そんな状況下で、辛そうにしている義妹を救うためにいろんなアクションを起こしていくのです。いや、義兄としてこんなに健気な人いないって……!

 自分ごととして栄司のポジションを考えてみると、まず、自分が転生したことに気付いたら戸惑うはず。いくら義妹が辛いとしても、そこまで気を回せないはずです。だって、前世で自分は事故死しているのだから。なのに、栄司は自分のことは置いておいて、鈴那を幸せにするために幼なじみにアドバイスをもらったり、映画デートに向かったり。そこで見せる鈴那の可愛さに触れたら、栄司がそうしてしまうのも当然だと納得してしまいますが! 兄の行動に触れるうち、徐々に表情が緩やかになっていく鈴那にも注目です。

 脇役に転生した俺でも、義妹を『攻略』にしていいですか?

 タイトルには「攻略」と書かれているのでラブコメ、と思うのは早合点。純粋で無垢な家族/兄妹の関係性がぎゅっと詰まった、心温まる一冊です。


文:太田祥暉

ざっくり言うとこんな作品

1)転生して兄になった主人公の栄司と、義妹となった鈴那の気持ちのすれ違いから兄妹としての絆を築いていく

2)最初は消極的だった主人公が鈴那のために立ち上がる

3)義妹・鈴那の小動物的かわいさ

主要キャラ紹介

神崎栄司
アラサーリーマンだったはずがゲームキャラに転生

 神崎栄司


神崎鈴那
攻略ヒロインとなる義妹。実の両親を事故で亡くしている。

 神崎鈴那


天宮和奏
人気の攻略ヒロイン。栄司の幼馴染みらしいが……。

 天宮和奏

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