【全文公開】同棲から始まるオタク彼女の作りかた 1巻

7-1

 二しなと一緒に住み始めて、いつの間にか二ヶ月が経過していた。

「やっぱり、ネットでの出会いなんて当てにするもんじゃないわ……生身の人間に会ってなんぼよ」

 朝からものすごく低いテンションで、朝食を食べながら、二科がつぶやく。先日のネトゲ事件をまだ引きずっているのだろう。

 やっとネトゲはいじんからけ出すことのできた俺は、最近になって、二科に言われていた身だしなみを整える努力をし始めた。

 ネトゲにハマっていたときは、リアルで会わないから関係ない、とか思って全くやる気が出なかったのだ。

 今後はちゃんと、リアルでオタク女子と出会える、オタク女子からモテる努力をするんだ!

 鏡に向かって、二科に習った通りにワックスでかみを整える。

「で、できた! どうだ!?」

「んー、まあ最初のころよりはマシになってきたんじゃない?」

 二科は先日のネトゲでの悲劇からまだ立ち直ってないのか、テンションが低く、俺の髪形に対しても大して関心がなさそうだ。もっとちゃんと見て欲しいのだが……。


かげとら、おはよー」

 教室にとうちやくすると、いつも通りあいが俺の席へやってきて、がおで声をかけてきた。

 毒さえかなければ、こいつって見た目だけは女子より可愛かわいいよなあ、なんて思う。

「なんか髪形ちがう!」

 俺の髪をじろじろ見て、あいが言う。

 二科はあんなに無関心だったのに、あいはすぐに反応してくれるなんて……やっぱこいつ、見た目だけじゃなく中身も可愛いよな。ま、男だけど……。

「まあな! ワックスでセットしたからな!」

「そんなえらそうに言われても……ほとんどの男子がやってると思うけどね」

「ま、マジか……」

「でも景虎、最近まゆも弄ってるでしょ」

 あいが、片手を俺の額にあてて俺の前髪を持ち上げて言う。

「おう、よく気付いたな!?」

 二科は何も言ってくれなかったが、眉毛も最近弄っている。二科に教わったとおり、眉の周りの毛はきで抜き、眉毛は専用のハサミでカットしている。

「ど、どうよ?」

「前のボーボー状態よりはいいけど……なんか変だよね」

 ここ数日間の努力をなんか変、で片付けられてしまった。

 そういえば……ふと、あいの顔を見る。

 二科が言っていた『清潔感』、あいは最初からあるよな。

 眉毛も綺麗だしはだも綺麗だし、髪もサラサラだし目はクリクリだしなんかいいにおいするし……あ、やばいなんか最後変な方向にいった。

「あい、お前は……彼女しいとか思わないのか?」

 不意に気になって、とうとつたずねてみた。

 こいつだって、こんなに身なりを整えてるってことは、モテたいとか彼女が欲しいって思ってるってこと……なんだろうか。こんな姿でも、男なわけだし。

「え? 何とつぜん……。思わないねー。今はオタクしゆが楽しいし」

 そもそも、こいつって女子を好きになるんだろうか? 自分より可愛い女子じゃないといや、とか言い出しそうである。

「景虎は、定期的にうわごとのように彼女ほしー、って言ってるよね」

「うわごとじゃねえよ! 心からのさけびだよ! ……そういえば、お前ってレイヤーの女友達とかいるんだよな?」

 友達にたよるとか、ずかしくて嫌だったのだが、もうこうなったらわらにもすがる思いだ。

「えっ!? 僕のレイヤー友達ねらってんの!? 絶対嫌だよ! 景虎なんかしようかいしたら僕の株大暴落だから!」

「さすがにひどくね!?」

「っていうか、マジレスすると、コスプレで合わせするくらいだから、友達ってほど仲良くないんだよねー」

「そうか……」

 あいに紹介してもらう線もつぶれたか……。

「ああもう、オタクってどうやって彼女作ってんだよ!? マジで分かんねえ……」

「んー、そういえば……レイヤーさんで、オフ会でオタク友達とか彼氏とかできたって話聞いたことあるけど」

「オフ会……!? オフ会ってあの、何か一つのコンテンツのファンが集まって、それについて語り合うっていう……?」

「そういうオフ会もあるみたいだけど、その人が彼氏できたって言ってたのは、つうに『オタク同士で交流しよう』っていう目的の、ジャンルフリーのオフ会らしいよ」

「そんなもんがあんのかっ!? あっでも、そういうのって……またどうせ十八歳未満参加禁止なんじゃ……?」

「え、その人は普通に女子高生だったけどね」

「マジでっ!?」

 高校生も参加可能で、オタク同士ジャンルフリーで交流できる、だと……!?

 俺と二科が求めてたものは、まさにそれじゃねえかっ!

「あい、めっちゃ有力な情報ありがとうなっ!」

「ちょ、きょ、きよが近いって!」

 俺が勢い余ってあいのかたつかんで礼を言うと、あいに引かれた。


 その日の授業中、俺は教師にかくれてスマホでオタクオフ会について調べまくった。



「二科ァ! ついに辿たどり着いたぞ! 俺たちが追い求めていた出会いの場に……!」

 帰宅後、リビングの電気がついていたので二科がいることを確信し、興奮気味にとびらを開けた。

「えっ、何!? テンション高っ、ウザッ……」

「ほら、これを見ろ!」

 二科の暴言をスルーして、俺はスマホでオフ会の情報ページを開き、二科に渡した。

 それは、いにしえの昔に流行はやり、今はツイッターやインスタなどに押されてすっかりすたれているSNSのページであった。

 オタクのオフ会について調べたところ、ひんぱんに規模が大きいオフ会が行われているのは、ツイッターでもインスタでもなく、この現在は廃れているかと思われているSNSだったのである。

「『東京のオタクが交流する会』……?」

かいさい日は来週の土曜! 規模は百人で、都内のイベントスペースで開催! まん、アニメ、ゲームなどのオタクコンテンツが好きな人なら参加可能で、しかもなんと……一次会までなら、アルコールの提供がなくて十八歳未満も参加可能なんだよっ!」

「……っ! あんたマジで有能だわ。このSNSもう何年もやってなかったけど、ログインする! パスワードがんって思い出す!」

 俺はその場でSNSのそのオフ会のコミュニティに入り、参加表明を押した。

 二科は結局パスワードを思い出せず問い合わせてなんとかログインして、参加表明することができたようだ。

「そうと決まれば……服、買いに行かなきゃね」

「ああ……!」

「私は……やっぱり、『ユメノ☆サキ』ちゃんのコスプレで行こっかな。コスプレ参加可能ってあったし、せっかく買ったし、コスプレしたら他の女の子より目立てそうだし!」

「いいんじゃないか?」

「でも……それとは別に、オタク男子が好む服装も、買い物行ったとき教えてよ」

「え……」

「オフ会でいい人と出会えたら、その後デートしようとかってなるかもしれないじゃん!? そのときのために、買っておきたいなって!」

「ああ、そうだな!」

 元々二科の素材はいいのだから、ファッションや髪形、メイクを変えればオタク男子に好かれる見た目になれること間違いなしだ。

「じゃ、さつそく今週の土曜、学校帰りに服買いに行くわよ!」


    * * *


 その週の土曜日。

 家を出ると約束していた一時間前に、俺は起きてリビングへ行く。

「……!」

 二科がすでに起きていて、洗面所の前でヘアアイロンで髪を巻いていた。

「おはよ、ずいぶん早いな……。……!?」

「ああ、おはよ」

 俺の方をり向いた二科は……。

 白いレースのブラウスに、ピンク色のひざたけスカートを穿いていた。

 いつもの二科の格好と百八十度違って、せいで可愛らしい。

 さらに……いつもの二科のメイクと違って、ナチュラルメイクだった。

 いつもと違ってまつもナチュラルだし、ほおくちびるうすいピンク色で、今日の二科は、くやしいけれど信じられないくらい可愛い。

 しかしまた、なぜこんな格好を……!? 今日はオタクの出会いの場に行くわけではないのに……。

「何、じろじろ見て……な、何か言いたいことあるならさっさと言えば? じ、自分で清楚な格好しろとかナチュラルメイクにしろとか言ったくせに、いざやったら似合わないとか文句言い出すんじゃないでしょうね……!?」

「はあ!? 何言ってんだよ! 言うわけねえだろそんなこと! めっちゃ似合ってるし今までの格好の何倍もいいっつーの!」

 思わず、声を大にして言い切った。

 こいつまさか、自分で似合ってないとか思ってんのか!? どんだけ自分で自分のこと分かってねーんだよ!

「えっ!? あ、そう……?」

 俺の言葉に、二科はいつしゆん顔を赤らめたような気がした。

「でも、なんでまた……?」

「ちゃんとオタク男子ウケする格好、今から勉強しとかないと、って思って、自分が持ってる中で一番あんたが言ってたことに当てはまる服探し出したの。大分前に買って、もう今は趣味が変わったからずっと着てなかった服だけど……じゃあ、こういう感じでいけば悪くないってこと?」

「悪くない! 全くもって悪くない!」

「悪くない、って……もっといいめ方できないわけ? でも、そっか……なるほどね。あ、今日もちゃんとオタク男子ウケする服選んでよね!? あんたのセンスに頼るなんてこわいけど、この際仕方ないし……っ!」

「ああ、分かってるって!」


 俺と二科は電車を乗りいで、はら宿じゆくまでやってきた。

 原宿なんて、テレビで見たことある程度で、降りるのは初めてだ。

「今日なんだけどさ、なるべく安めに済ませたいんだけど、だいじようかな?」

 生活費やオタク活動にてる金に加えて、最近美容院に行ったり身だしなみグッズをこうにゆうしたり、少し前に最悪なことにネトゲでオッサン×2にみついでしまったこともあり、あまり金にゆうがない。

「じゃ、とりあえず『WEGO』でいいかなー」

 二科はそう言って、原宿駅の『おもてさんどう口』から改札を出て、右側に進み、大きな通りをひたすら歩いた。

 しばらく歩いて、交差点にき当たり、横断歩道をわたって左に曲がると、二科の言っていた『WEGO』という店に辿り着いた。二科の後に続いて店に入る。

 店の中にはお洒落しやれな若い男女の客がたくさんいる。二科といつしよじゃなければ、絶対にこんな店、おくれして来られなかっただろう。

「おお、確かに安い!」

 ディスプレイの服の値札をかくにんすると、そこには『¥2149』とあり、ひとまず安心した。

「なるほどな、みんなこういうところで服買ってんのかー」

 二科が俺を無視して服を物色しているので、俺も店の中の服を一通り見て歩く。

「おっ、この服とかいいな!」

 赤と黒のめいさいがらのTシャツを見つけ、思わず手に取った。派手でひときわ目をひくし、なんだか格好いい。

「……」

 俺が服を手に取ったのを、二科が目をカッと開いてぜんとした顔で見ていた。

「もしかしたら……お洒落上級者だったら、どうにかしてその服を上手うまく着こなせるのかもしれない。だけど……お洒落初心者のあんたがそんな服を着ようもんなら、中二病テンプレファッションだよ!?」

「え、ちゅ、中二……」

「なんでこんなにたくさん服がある中でえてそれを選ぶ!? この間のパーティーで着てた服といい、アキバに着てきた服といい、あんたのセンスかいめつ的にやばい……」

 二科は信じられないというような表情で俺の選んだ服を見てふるえていた。

 そんなに強く否定されると、自分のセンスってそんなにやばいのか、とさすがにショックを受けざるをえない。

「えっと……あ、じゃあ、これとか!?」

 次に、今度は緑と黒のチェックの前ボタンのシャツを見つけて、それを手に取る。

「……その服も、お洒落な人が着ればお洒落なのかもしれないよ? でもあんたが着たら、オタクがオタクファッションしてるだけだよ? そのチェックのシャツにリュックに眼鏡とかだったら、はや天然記念物レベルのテンプレオタクファッションだよ?」

「なっ……」

 二科に言われて、そのチェックのシャツを今一度見ると、確かにそんな気がしてくる。

「くっ……で、でも、そんなこと言ったら、お洒落なやつが着たら何でもお洒落だけど、俺が着たら何でもオタクファッションになっちゃうんじゃねえのか!?」

「そんなことないわよ。例えばこの服……」

 二科が持ってきたのは、白いはんそでのシャツだった。

 今まで俺が選んだ服と比べたら、ものすごくシンプルだ。

「こういうシンプルなシャツに、すっきりしたジーンズとか、そういうんでいいの!」

「そ、そうなのか……? なんか、地味じゃないか……?」

「ゴテゴテして派手な方がマイナス! 雑誌か何かで読んだんだけど、人は自分と同じようなファッションの異性にかれるんだって。つまり、ギャルと付き合いたいならギャル男、ゴスロリと付き合いたいなら自分もゴスロリ王子みたいな服装、つうの服装の女の子がいいなら、自分も普通の服装にするのが一番なの! 普通のオタクの女の子だったら、シンプルめだけどお洒落、って感じの服装が好きだと思う」

「な、なるほど……」

 二科の言ってることはとてもなつとくできるもので、俺は頭の中でメモをとった。

 二科はほかにも服を物色している。

「他には、これとか、これとかー……」

 二科が他に持ってきた服は、白とこんのボーダーのTシャツと、グレーに白い文字の入った半袖のパーカー。どれも、シンプルなものだ。

「分かった! じゃあ、これ買ってくる!」

 ぱっと見て、自分的にも気に入った、グレーのパーカーを早速買うことにした。

「ちょっと待った! 買う前にちゃんと試着して!」

「え、試着? 試着って、そんなに大事か?」

 正直いちいち試着するのはめんどうなので、さっさと買ってしまいたいのだが。

「当たり前でしょ! 買う前に試着するなんて基本中の基本だから! 服は、ジャストサイズで買うのがお洒落の基本なの! ぶかぶかだったり、逆にぴちぴちだったら、どんなお洒落な服でも台無しだから!」

「な、なるほど……」

「それに、着てみたら似合わないってことも大いにあるから!」

「そ、そういうもんか……」

 二科に細身の黒のジーンズを渡され(スキニージーンズというらしい)、トップスと合わせて試着することにした。

「うーん、そのシャツ、Mでも少し大きい気がするけど……Sサイズってないのよね」

 俺が試着して出てくると、二科は俺の姿を見てなやましげにそう言った。

「はは、俺、細いってことか~、参ったな」

「別に細いって、いいことじゃないから」

「……え!?」

 二科がきっぱりと断言するので、俺はおどろきのあまり固まる。

「男子は、マッチョってほどじゃなくてもいいけど、ほどよく筋肉がついてるのが一番モテるの! 周りの子、大体そういう体型の男子が良いって言ってるし。ガリガリはもやしって感じで不健康的でむしろモテない!」

「マ、マジかよ……!?」

 もしかして、文化部より運動部がモテるのはそういうこともあってなのか? まんじゃないが、俺は生まれてこの方体育以外で運動などしたことないので、筋肉などほとんどない。

「パンツは、まあちょうど良さそうね」

「ああ、ウェストがちょっとゆるいけど……」

「予算が余ったらベルトも買うわよ」

「わ、分かりました……」

「あ、後でくつも買わないとね! で、その小学生がいてるみたいなスニーカーは今日にでも捨てなさいよね!」

「わざわざ捨てる必要はねえだろ!?」

 とりあえず二科に言われるがままに、トップスとパンツを購入した。


 俺の買い物が大体終わったところで、今度は二科の服を買いに行くことになる。

 せっかく試着したので、そのまま着て帰ることにした。着慣れないお洒落な服を着てこんな街を歩くなんて、きんちようする。

 たけした通り、という通りに移動して進んで行くと、その店があったらしく、建物の地下へと降りていく。

「お、おお……」

『アマベルクラシック』というそのブランドは、まさに俺のイメージしている『どうていを殺す服』に相応ふさわしい、フリフリした可愛かわいらしい、童貞の心にぐっとくるデザインの服がたくさんディスプレイにかざられていた。

「うわー、生で見るとすごいなー……確かに可愛いは可愛いけど、自分では絶対選ばない……」

「そうだな……あ、これとかまさにいいな!」

 俺の童貞センサーにビビッとくる服を見つけ、思わず手に取った。

 レースのブラウスに、えんじ色のハイウェストなジャンパースカートのセットだ。

「これぇ~!? 確かに可愛いけど……こんな服着て友達に会ったら絶対バカにされそー!」

「友達に見せるわけじゃないんだから、別にいいだろ」

「うーん……まあそうだけど……」

 二科は不満げにしつつも俺から服を受け取り、試着室へと向かった。

 こんな店に一人取り残されて、ごこの悪さを感じていると、やがて服を試着した二科が試着室から姿を現した。

「ほ、ほんとにこれでいいわけ!? 全然似合ってないけど……」

「……!」

 二科の姿を見て、思わず息をむ。

 二科はずかしそうにブツブツ文句を言っているが……めちゃくちゃ似合っていて、今の二科だったら童貞百人くらいいつしゆんで殺せそうな、殺人的な可愛さだった。

 だんの二科を知らなかったら、それこそひとれしてしまいそうなくらいの……。

「ちょ、ちょっと!? 何だまってんの!? 何か言いなさいよ!? そ、そんなに似合わな……」

「似合わないわけねえだろおがあああ!? めちゃくちゃかっ……あ、え、えっと、今まで着てる服よりずっとオタクウケいいから!」

「え、ほんとに……!? これでウケ悪かったらうらむから!」

 この姿の二科を見て、可愛くないと言う男がいたら、そいつがB専なのではないかと本気で思う。

 二科は不安げだったが、俺の強い後押しにより、その服をこうにゆうした。

「せっかく試着したから、私もこのまま着て帰ろー」

「……!」

 二科の言葉に、少しどうようする。今日ずっとその格好でいるつもりなのか……。相手が二科でも、に緊張しそうだ……。


 それから竹下通りの靴専門店で、俺の靴を二科が選んだ。

 今まで履いたこともないようなお洒落しやれなスニーカーを買わされた。

「あとは……かばんだけど、もう予算ないんだよね?」

「残金はあと二百円ちょっとだな!」

「そしたら……分かった、オフ会は手ぶらで行きな」

「手ぶらっ!?」

「下手な鞄だったら持たない方が百倍マシ、ってクラスの友達が言ってた。男子が私服で鞄持たないのって結構好評みたいよ」

「マジかよ……荷物どうすんだ?」

「ズボンのポケットにけいたいさいだけ入れんの」

「え!? 手持ちそんだけ!?」

「それだけあれば十分でしょ」

 それがカッコイイリアじゆうスタイルなのか。

 荷物がそんなに少ないなんて大分勇気がいるが、確かに俺はお世辞にもカッコイイとは言えない中学の時から使っているリュックとショルダーバッグしか持ってないので、二科の言うとおりにしておいた方がいいだろう。


「ふうー、これで準備バッチリだな!」

 すべて買い物を終え、つかれと共にじゆうじつ感を覚える。

「あ……ねえ、あんたこの後なんかある?」

「? いや、特にねえけど……」

「せっかく新しい服買ったし、このまま帰るのもつたいないかなーって。どっか寄って帰んない?」

「……! あ、ああ……」

 ちょ、待てよ……? なんかそれって、デー……いやいやいや!

「インスタ映えするアイスとかスイーツ売ってるお店があってー、一回行きたかったんだよね!」

「あ、おい、ちょっと待てよ!」

 テンション高く歩いて行く二科の後を、はぐれないよう必死についていく。

 それからしばらく、今日買ったばかりの服で、二科のインスタ映えスポットめぐりに付き合わされたのだった。 

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