第二章

【素数】

「……私は何か飲み物を取ってくるから……あんどうくんはここにいてくれるかしら?」

「う、うん……」


(──って、何で『ぼっち』の俺が『学校一の美少女』に告白されてるんだ!?)


「そもそも、俺はあさくらさんの家にいるのだろう……?」


(待て待て待て、落ち着け俺……そうだ! こういう時は素数を数えよう。

 一、二、三……素数ってなんだっけ? ──って、そうじゃなぁ──い!

 朝倉さんが台所へ向かっているうちに、一体何が起きたのかを思い出すんだ!


『朝倉さんは、どのラノベが欲しいとかあるの?』

『私、安藤くんが大好きなの!』


 結論、朝倉さんにラノベをプレゼントしようとしたら、告白された。

 うん、改めて状況を思い出しても意味不明だな……まぁ、あの後にあさくらさんも、


『……ふぇ! わ、わわわ、私ったら何を──まって! 違うのよ! いい、今のは言葉が足りなかったと言うか練習不足で……いやぁああああああああ!』

『あ、朝倉さん……つまり、今のは言い間違いなんだよね? だ、大丈夫! おおお、俺はぼっちだからこんなことで変に勘違いなんてしないよ? だ、大体あの朝倉さんがぼっちの俺を好きなんてありえないもんね! じゃ、じゃあ! 俺は先に帰るから──』

『ちょッ──ちょっとお待ちになりなさい!』

『は、はい!』

『あ、あんどうくん……今から私の家に来なさい。大丈夫、私の家はここの近くなのよ。だから……そこでお話ししましょうか?』


 ──って、感じで朝倉さんの家にられて、部屋に案内されたんだよな……。

 え、俺マジで告白されたの……?)

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