第二章

【デート?】

あさくらさん、ずはラノベのコーナーを見ようと思うんだけどいいかな?」

「う、うん……私はかまわないわよ」


(放課後にあんどうくんと二人で本屋さんに来れるなんて……夢みたいだわ!

 これが、俗にいう『デート』ってやつなのよね? ヤダヤダ……深く考えちゃったら、顔が赤くなって、まともに彼の顔が見れないわ! キャァー!)

(朝倉さん、ずっとそっぽを向いたままだな。やっぱり、まだ怒っているのかな? まぁ、仕方ないか……。か『グレ●リン事件』の後、怒った朝倉さんに無駄にイケメンな俺の似顔絵で『安藤くんのブァアアカァアアアアアアアアア!』って、思いっきり頭をブン殴られたもんな。まぁ、これは俺がしでかした事件のおびであって、決して『デート』じゃない! だ、大丈夫……ぼっちはこれを『デート』なんて勘違いはしない!)

(そもそも、安藤くんが『好きなラノベを言え……どんなタイトルでも一つだけ買い与えよう』とか、シェ●ロンみたいなことを言うから、すっかり忘れていたけど……彼が私のラノベ好きに気付いていたと知った時は、

『な●う読んでたの、いつから気付いてたのよぉおおおお──!?』

 ──って、思いっきり心の中で叫んだわよ! 何? つまり、今まで私がラノベ好きなのを知っていた上で、この『学校一の美少女』で同じ趣味を持つ私をトコトン無視していたの? もう、鬼畜過ぎるでしょぉおおおお!)

(しかし、今回は事情があるから朝倉さんと一緒にいるけど……いくら百面相する残念美少女だとしても、一応は『学校一の美少女』なわけで……校内ヒエラルキーの底辺にいる『ぼっち』の俺が気安く話せるような存在じゃないんだよなぁ……。

 よし、さっさとラノベをプレゼントして、明日からは身の程をわきまえて……あまり、関わらないようにしよう! じゃないと『ぼっち』でコミュ障の俺なんか、ぐに変な勘違いしちゃうからな!)


「朝倉さんは、どのラノベが欲しいとかあるの?」

「そ、そうね! どれにしようかしら~?」


(よし! この買い物を機会にして、明日からは安藤くんともっと仲良くなるわよ!)

(よし! この買い物を終わらせて、明日からは朝倉さんとなるべく関わらないぞ!)

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