第二章
【滑舌】
「
「もういいわよ……。似顔絵で殴ったのは私が悪いわけだし……それはそれは、グレ●リンみたいな顔だったわよねぇ~?」
「いや、朝倉さん……それは、違くてね?」
(た、確かに、あの時の
「そうだ! 確か朝倉さんってラノベよく読んでいるよね?」
「うぇえ!
「うん、実は休み時間にスマホで『な●う』の小説を読んでるのを見かけて……ゴメン」
「う、ううん! 全然いいのよ! そ、それで?」
「えっと、朝倉さんがよければなんだけど、今回のお
「ふぇ……?」
「や、やっぱりダメだよね! 俺みたいな
(やばい、俺ってば『ぼっち』の癖に、何ナンパみたいなことしてんだよ! こんなのお詫びって称して、ただデートに誘っているみたいじゃないか! よし、さっさと謝って。お詫びに財布の中身を全部渡して、この件は手打ちにしてもらおう……)
(デートのお誘い……キタァ──ッ!? ここ、これって、デートよね!?)
「そ、そないなこと……ないにゃ! ひょ、ひょろこんで!」
(──って、こんなタイミングで何で
「こ、コホン……よ、にょろこんで!」
「あ、はい……」
(朝倉さんって、しょっちゅう噛むよな……滑舌悪いのかな?)
(だから、何で噛んじゃうのよぉおおおおおお!)