あらすじ紹介
神の差配により、罪を犯した者は身体の一部が異形化させられてしまう世界。生まれながらに身体に変異をもつ原罪種として、罪人を捕らえ裁く治安維持組織の職に就く主人公ヨシュアは、みなし子の女の子カナンと共同生活を始める。しかしこれをきっかけに、ヨシュアは避けがたい運命の波に飲み込まれていく。
数年後、成長したカナンは王政打倒を掲げる革命軍に所属することに。革命軍を率いる女性ノアとカナンの友情とその蹉跌、そして暴かれる神の真実。運命に翻弄されながらも真実のために起ち上がった人間たちの戦いは、壮絶なクライマックスへと向かう。
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みんなからのレビュー
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よっち
33神の差配で罪を犯した者は身体の一部が異形化されてしまう世界。原罪種として治安維持組織の職に就くヨシュアが、みなし子の女の子カナンと運命の出会いを果たすファンタジー。共同生活を始めたカナンとの日々をかけがえのないものと思うようになっていく一方、だからこそ避けがたい運命の波に巻き込まれてゆくヨシュア。数年後、成長したカナンが王政打倒を掲げる革命軍に所属する二部構成になっていて、革命軍を率いるノアとカナンを巡る友情と葛藤や暴かれる神の真実があって、それぞれの生き様が描かれたその結末はなかなか印象的な物語でした。 続きを読む…
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オセロ
32これぞ至高のダークファンタジー。 虚構と真実、宗教と化学、そしてヒトと獣。それぞれ相反するするものに加えて罪を犯した人間の体の一部を獣に変えると信じられている神とは何なのか。これらの疑問を生まれつき異形の体を持ち、異形化した元人間を取り締まる舞台に所属するヨシュアと罪を犯しても異形化しないカナンとの出会いをキッカケにに、それぞれを主役とした二部構成で二転三転しながら紐解いていく展開は読み応え抜群でした。 続きを読む…
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和尚
21入りから凄かった。これで佳作なんですか?凄い面白かったです。前後半に分かれていてるのですが、その流れも含めてとても良いダークファンタジーでした。 文章に何とも言えない空気感、色気があって没入させてくれる、一作で綺麗に纏まっていて、タイトルも含めて最高でしたね。 おすすめです。 続きを読む…
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サキイカスルメ
19しんどい面白い。普通の人間になりたい青年が世界の真実を知りそれでも愛する娘のために奮闘するお話でもあり、短い期間でもたくさんの愛をもらって育った女の子の成長のお話でもあるのかなと。あらすじからわかってたんですが、辛い世界の中でそれでも未来のためにもがき奮闘する青年が主人公なので、心から辛いんですけど面白いんだよなぁ。敵も含め登場人物の心の描き方も好き。これは救いと希望の物語、わかってるんだよ、わかってるんだけどさぁ…。1冊完結でまとまっていました。 続きを読む…
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のれん
18世界観の解説から、その秘密が暴かれるまでがかなり短い。 主人公の国家への欺瞞を持つ展開がシームレスすぎて違和感がある。1巻でまとめるからこその弊害だろうが。 一方で、キャラを少なくして展開を巻いたにも関わらず、贖罪というテーマに答えを見せているのは見事。人間が作り出したシステムでも、一度人間の手から離れればそれは信仰の対象になりえる。ラスボスであった彼女も聖女であったのだろうか。 ただ娘のメインヒロインが本当に力がなくて、友愛を叫ぶってのは一昔前を感じる。実力行使が当然なのは時代の変化なのだろう。 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2024/03/01
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定価990円(本体900円+税)
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ISBN9784065308752
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
「人間の身体」を取り戻すために…彼の生き様にはいろいろ考えさせられるっスね
異形化した者は≪罪の化身(イヴリース)≫として差別され、原罪種は生前に犯した罪がその身に現れる。身に覚えがない罪を生まれながらに背負わされるなんて、めっちゃ理不尽じゃないッスか?
それでもヨシュアは人間の身体を手に入れるため、全力で罪を贖おうとするんスよ。過去には、数百人を手にかけた大量殺人鬼のイヴリース≪原初の大蛇≫ですら、たった一人で捕縛。≪蛇殺し≫の異名を受けて大出世したことから彼の強さがうかがえるッスね!
その気になれば異形の左腕を使ってひと捻りッスけど、ヨシュアは相手を傷つけずに捕縛することを優先するんス。それは罪人にも更生の機会を与えたいという思いから。さてさて、そんな慈悲深いヨシュアが本当に罪人なんスかねぇ? 彼の生き様を見ていると罪とは何なのか、そして人間の生き方はどうあるべきか。時には世の常識を疑い、己の心を信じることも必要かもしれないって思えるッスよ!
ヨシュアさんを絶望から救ったのは一人の女の子でした
朝、ヨシュアさんが仕事に出かけようとすると瞼をこすりながら寄ってくるカナンさんの姿が。「よふぁー」とあくびのようにしか聞こえないその声は、実は「ヨシュア」さんの名前を呼んでいるんです。舌っ足らずながら一生懸命呼び止めようとする姿がとっても愛らしいですね!
そんな日々から数年後。成長したカナンさんは、自分のような孤児の子供たちの明るい未来のためにと、王政打倒を掲げる革命軍に所属することになります。より良い未来を手に入れるために立ち上がった彼女たちを、運命の波は容赦なく飲み込んでいきます。
彼女らを翻弄する王国情勢が目まぐるしく変わる様はまさに世界創生を描いた神話のよう。そんな作品の雰囲気を表現した木野花ヒランコ先生渾身の壮麗なイラストにもぜひ注目です。特に罪を犯した人間が変異した姿、異形の描写は圧巻ですよ!