【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は11月15日に刊行される『カバンの勇者の異世界のんびり旅 ～実は「カバン」は何でも吸収できるし、日本から何でも取り寄せができるチート武器でした～』です。みなさんの感想も聞かせてください！
いきなり異世界に召喚されたと思ったら、性悪な女王の一存で廃棄され、気づけばダンジョンの奥底に。そう、これは復讐を誓った主人公のダークファンタジー……では、ありません。全然。「カバンの勇者」たる啓介は、感心するほど素直で、明るくて、規格外な主人公なのです。
彼の聖武具は、何の変哲もない学生カバン。まあ確かに、その見た目では、ハズレ認定されるのも仕方ないでしょう。しかしこのカバン、実はとんでもない万能チート武器だったのです。しかも、レベルアップでまだまだスキル追加の余地あり。カバンのチートぶりと、啓介の性格の良さで、死と隣り合わせの悲壮なダンジョン攻略が、一気に楽しいダンジョン観光になりました。さらに、スペさんこと魔王スペルヴィアに、【黄昏の竜】の面々も仲間となり、孤独な道のりも賑やかに。本来ならかなり上位の冒険者であろうエルシィたちが、強すぎる啓介には駆け出しと勘違いされているのは……ちょっと不憫ですね（笑）。
気になる女王の言動や、ダンジョンで遭遇する、ほかの廃棄勇者たちの痕跡など、ともすればシリアスになりそうな背景も少なくない本作。ですが、とにかく明るくて強い啓介とスペさんが、重い雰囲気など軽く吹き飛ばしてくれます。おかげで読み始めると、ラストまではあっという間。気持ちよく読了できました。彼らの冒険はまだ始まったばかりですが、この先に何が待っていようとも、無邪気に無双してくれることでしょう。次巻にも期待大です。
文：瀧田伸也
ざっくり言うとこんな作品
１）突然、勇者として召喚された異世界で、自身に選ばれた聖武具は……。剣でも、槍でも、弓でもなく、ただの学生カバンで――!?
２）見た目は完全にハズレ装備。しかし、実際はモンスターもスキルも収納可能。アイテムも取り寄せられる、チート武器だった！
３）カバンの能力で、超高難度ダンジョンの攻略も楽々。道中では伝説の神獣・フェンリルや、Sランク冒険者パーティまで仲間に！
主要キャラ紹介
佐久平啓介（さくだいら けいすけ）
十五歳の中学生。高校進学の直前に異世界に召喚されたが、聖武具がハズレ認定され、超難関ダンジョン【七獄】に廃棄されてしまう
スペルヴィア
【七獄】に封印されていた、巨大なフェンリル。その正体は高慢の魔王だが、菓子パンで餌付けされ、啓介に同行する友達となった
エルシィ
Sランク冒険者【黄昏の竜】の女エルフ。啓介に危機を救われて行動を共にするが、啓介の規格外なスキルの数々に、驚きを隠せない
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カバンの勇者の異世界のんびり旅 実は「カバン」は何でも吸収できるし、日本から何でも取り寄せができるチート武器でした
著者： 茨木野 イラスト： いずみけい
ハズレ武器の「カバン」は、スローライフな旅に欠かせないチート武器！？
春から高校生になる予定だった少年・佐久平啓介は、ある日突然異世界に召喚される。
女王に勇者として魔王を討伐するよう告げられた啓介は、ラノベで見たことがある展開にワクワクしながら、自分だけの【聖武具】を召喚する儀式に応じるが……。
「え？ なにこれ……【カバン】……？」
啓介に勇者として与えられた神器は、春から通う予定だった高校の通学カバンで！？
カバンなんて使えないからという理由で、召喚主である女王から追放処分をうけてしまう啓介。その後、最難関ダンジョンに放り出された彼はそのまま死ぬと思われたが……。
「【モンスターの攻撃】を収納しますか？」「え？」
襲ってきたモンスターを収納！？ 地球から何でも取り寄せ放題！？ さらには他の勇者の能力まで……！？
ダンジョンで出会った食いしん坊な伝説の魔獣・スペルヴィアとともに、魔王討伐という任務から解放された啓介は、チートカバンを手に異世界をのんびり旅することに！
カバン一つで異世界を旅するとんでもジャーニー物語、開幕！
