【レビュー】ハイスペック男子（処女厨）vs男を見下すビッチ風美少女（処女）の癖つよラブコメ爆誕！

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】

今回はファンタジア文庫から7月20日に刊行される『ナメてるお嬢を俺がわからせた』です。みなさんの感想も聞かせてください！

　このカップリングは、現代ラブコメにおいて異色の中の異色という感じ。驚くほど癖が強いのに、読んでいくうちに妙に愛着が湧いてくるのだ。
　冒頭から「天才イケメンの俺様は優秀な遺伝子を授かるために純潔を守った処女しか相手しない」的クズい内面炸裂のクズ主人公と、冒頭から「奇跡の美少女である私は家電よろしくスペック如何で彼氏をギリギリ妥協してマウントに利用してやる」的な内面を吐露するビッチ（じつは処女）ヒロインが登場し、本作がこれまでのラブコメとは一線を画す作品だと主張してくる。うーん、どちらも性格悪すぎ。しかも名前が九頭竜王子と美地原三姫って、名は体を表している!?

　まあ、このクズとビッチが俺様こじらせた童貞とお嬢様こじらせた処女だとすぐわかるんだけど、それにしてもバカ女とか雑魚男とか見下し方がハンパない。ここまでのゲスいキャラたちは、なかなかメインじゃお目にかかれない。一歩間違えれば、好感度が真っ逆さまになるような危うい綱渡りを奇跡のバランスで成立させている、作者の技術が凄まじい。一周回って微笑ましいよ二人とも。

　そして、作中で九頭竜と美地原が友達とその彼女の差し金でデートするんだけど、色々こじらせててヤバい。出会いがしらにスペック確認するのは失礼すぎるとか。出会いがしらに処女か確認してくるなんて正気か、とか、そんなこと聞かれたら激怒もするわな……って、いやでもデートするんかーい!?　とツッコミとニヤニヤが止まらないです。デートはいたって普通のことをしてるのに、ことごとく行動と結果がこれまでのラブコメの常識を良い意味で裏切ってくる。お前本当に天才やったん?　お前も本当にお嬢様やったん?　金?　暴力?　ヤクザ?　それでそれで、満を持して登場するラスボス感たっぷりの、妹……?

　天才かもしれんし、奇跡かもしれんし、確かにイケメン、確かに美少女。友達になるのはどっちもちょっと遠慮したい……だけど、2人の行く末に目が離せない！　間違いなくお似合いのお二人だと思います。お幸せに！

文：勝木弘喜

ざっくり言うとこんな作品

主要キャラ紹介

九頭竜 王子（くずりゅうおうじ）

『天才』を自任する大学生。イケメンだが大和撫子を求めて童貞を守る処女厨

美地原 三姫（みちはらみき）

自分の存在を『奇跡』と称するお嬢。周囲を見下しているが実は処女

九頭竜 真白（くずりゅうましろ）

王子自慢の妹。高校二年生で家事と兄の躾を担うが、じつは重度のブラコン

葉嘉 七海（はかななみ）

王子の親友の彼女、おバカな雰囲気を醸すロリ巨乳。王子と三姫のデートを画策

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  ナメてるお嬢を俺がわからせた

  著者： 大空　大姫 　 イラスト： 緋月　ひぐれ

  その男。クズで最低にしてーー会う女性全てを惹きつける『天才』

  イケメンながら処女厨・クズと評判の大学生・九頭竜。彼は友人の紹介で、同級生・三姫とデートをすることに。美人だが、男にマウントを取ることしか考えてない彼女は……徐々に理解する。九頭竜の秘めた完璧さに!?