【後編】対談風『今はまだ「人の心がある」と主張してますけど。』
※注意※
こちらのエピソードは、【1巻内容のネタバレを含みます】
1巻読了後に読まれることをおすすめします。
また、前編は涼暮皐先生のカクヨムに掲載されておりますので、よろしければそちらも読んでいただけると嬉しいです。
それでは、ここから本編です。お楽しみいただければと……!
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(前編あらすじ)
涼暮先生・担当ともに「エピローグいい話だったよね」と結論が出た。
はずだった…………
【担】
エピローグでいい話だったな~と思ったのに、2巻冒頭の話を聞いたとき「ひょっとして
【涼】
なんでですか。担当が作家の風評被害を撒かないでくださいよ。どういうことですか。
【担】
生まれて初めてヒロインが「寝取られた!?」って叫ぶラノベ見ましたよ、僕。
【涼】
そうですね。寝取られてはいませんものね。
【担】
あの感動のラストシーンで、
【涼】
本人そんなつもりないですし。何もないところから彼女が急に
【担】
「と゛ほ゛し゛て゛こ゛ん゛な゛こ゛と゛す゛る゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」ってなりますよ
【涼】
よくあることです。
【担】
それがよくあるのは
【涼】
いや、ラブコメではよくありますよ。これ完全に、急に自分のことを好きな新たなヒロインが登場したシーンじゃないですか。
【担】
ちょっと納得感あるのがなんかいやですね……
【涼】
まあ新キャラの彼女が
【担】
ほらまた怖いこと言ってる! ホラーですよホラー!
【涼】
いや普通ですよ。当然の話しかしてません。
【担】
ぼくのしってるふつうとちがう……
【涼】
それに、彼女がああいう行動に出たということは、彼女にもそれなりの理由があってのことだと思いませんか? どうするんですか。本当は彼女のほうが、
【担】
まぁ
【涼】
本当に知りませんし。
【担】
知らんのかい! あんた著者でしょ!?
【涼】
さあ……? そもそも彼女が犯人かどうかもわからないですし……。
【担】
……ともあれ、
【涼】
はい。
【担】
そんな感動的な告白されたら、
【涼】
告白……?
【担】
えっ、これ実質告白では……? 少なくとも
【涼】
考えが甘い……。
【担】
【涼】
まあ
【担】
ですよね!? しかも朝迎えに行ったら、プレゼントにチョーカー貰うわけじゃないですか。ブレスレットと勘違いしてたとはいえ首輪ですよ首輪、実質「おまえは俺のモノ」宣言ですよ。
【涼】
そんな宣言する男、やめたほうがいいとぼくは思いますが……。
【担】
あなたの書いた主人公だよ……?
【涼】
いや当人はそんな宣言したつもりないですから。
【担】
えぇ……? まぁ、それでも、二人仲良く学校に向かっていくところで1巻終わるわけじゃないですか。1巻終えて2巻冒頭で、そのままの時系列でつながっていて
【涼】
繋がってますね。
【担】
なんで朝から幸せな気分に浸っていた
【涼】
そんなこと、ぼくに言われましても……
【担】
むしろ
【涼】
【担】
【涼】
ないし
【担】
【涼】
作者なんて物語の
ぼくは面白さという絶対に逆らえないだけ……。
【担】
それを面白いっていっちゃうあたり、
【涼】
「あんだけ感動的なシーンでハッピーに終わった
【担】
「2巻冒頭出来たんで送りますね」って言われて、ウッキウキで読み始めて、10分後には死んだ目になってた担当のことちょっとは
【涼】
それに、担当氏は聞いた直後に「じゃあ二巻の冒頭を公開しましょう」って言ったじゃないですか。
【担】
そうですね、言いましたね、僕も面白いと思ったので。
【涼】
なら責任は担当氏にありますね。
【担】
そうですね。……いやちょっとまってください、僕は
【涼】
読者まで巻き込んだのは担当氏です。ぼくは「酷ぇことしやがるな」と思いました。
【担】
それは言い逃れできない僕の功績ですね。
【涼】
功績って言ったし。
【担】
いやーでも、1巻で本当にいろんな事態あったじゃないですか。
【涼】
いろんな事態て。また話反らしましたね。
【担】
【涼】
「歩く
【担】
呼び方ァ!
【涼】
そりゃトラウマが腸まで届いたらそうでしょうよ。
【担】
本作、大体悪いの《星の涙》じゃないですか。
【涼】
そうですね、悪いのは星の涙です。星が悪い。ぼくは悪くない。
【担】
でも、そんな事態も全て乗り越えて、《星の涙》を1つ返して、「あ、対処できるんだ」って希望も持ったわけですよ、僕も。読者的には。
【涼】
まあ「進行中の事態」でしたからね、今回。まだ取り返しがついた。
【担】
そこからの2巻冒頭でいきなり《星の涙》案件発生ですよ。
【涼】
いきなりですね。かわいそう。
【担】
僕は「これ書いた人、星の涙か?」って思いましたよ。
【涼】
これ書いた人、星の涙か。
【担】
多分血も涙もない。
【涼】
星の涙さんをあまり悪く言わないでくださいよ。等価交換の原則すら
【担】
まぁ、一応願い叶えてくれますからね……代償でかすぎますけど。
【涼】
1番と2番なんだから、代償のほうが小さいはずなのに……。人間が愚かなのが悪い、と星の涙さんなら言うでしょう。
希望の格安通販ですよ星の涙は。お電話は空まで。
【担】
オブジェクトクラスKeterでしょそれ……
【涼】
Safeクラスですよ、せいぜい。
【担】
それにしてもまさか、まなつが
【涼】
そうですね。まさかメインキャラだとは思わなかった方が多いのではないでしょうか。
【担】
僕も何も聞いてなかったですからね。この後どうなるのかも聞いてないですし。
【涼】
まあ
【担】
もしお答えいただければで良いんですけど。
【涼】
なんでしょう。
【担】
まなつちゃん、もしかしなくても腹黒ですか……?
【涼】
失礼な。あんなに純粋で一途なまなつちゃんに向かって。
【担】
OK、その言い方で大体察しました。覚悟しておきます。
【涼】
まなつちゃんがなぜ
【担】
いやもう、その言い方の時点で話の方向性が今から怖いんですが!?
【涼】
2巻を詠み終わる頃には、
【担】
僕は
【涼】
あるいはどっちにもしあわせになってほしくてデッドロックになるかもしれませんよ!
【担】
1巻であんなに頑張ってたじゃないですか、
【涼】
でも、まなつちゃんを救えるのは
【担】
まぁ、ヒロインを救うのは主人公と古来より相場は決まっていますからね。でも
【涼】
誰も悪くないんですよ。でも一人分の陽だまりに、
【担】
そこでなんでまなつちゃんを入れようとするんですか!?
あとは1巻で、
【涼】
何をどうやったら解決できると思いますか、あれ。
【担】
えっ……解決法ないの……?
【涼】
いや知りませんけど。担当氏が
【担】
僕が
……
【涼】
【担】
いや、でも、やっぱりそうやって暮らしてる二人とは別に、何も知らずに今日も笑顔の
【涼】
想像もしないベクトルから人の心のなさを見せてこないでくださいよ。
【担】
これもひとつの幸せの形かな、って。
【涼】
「これもひとつの幸せ」で納得する主人公、最悪ですよ。それ主人公が言ったらダメなやつですよ。
【担】
でも
【涼】
なんせ、7つあるらしいですからね。
【担】
まだ1つしか解決してないですからね。
【涼】
【担】
説明されてないのに「星の涙の力だ」で納得してましたからね(笑)。絶対何かありますよね(愉悦)
【涼】
人の心がない……。
【担】
ありますよ、あるから気にしているのです。
【涼】
【担】
おかしいなぁ……僕はこんなに人の心に満ちあふれているのに……。
でも、正直本当に怖くて。今のところ、
【涼】
そうですね。
【担】
【涼】
まあご想像にお任せしますが、
【担】
ちょっとまってください。なんか唐突にすごい設定明かされてませんか……?
【涼】
消えてるというか、まあどうにも覚えてないとか言ってたじゃないですか。あれ、本人が本当にただ忘れただけとは限らないですよね。そりゃね。
【担】
えぇ……これが、人の心が生んだ話か……?
【涼】
そもそも
【担】
そういえばそうだった……おかしいなぁ、なんか回数があわないなぁ。
【涼】
その辺、ここだけの話、
【担】
【涼】
いや、ぼくほど彼らというキャラクターを大事にしてる人間、そうはいませんから。
【担】
大事にしてるキャラクターにこの仕打ち……
【涼】
作者がこの世でいちばん自分の作品のキャラクターを大事にしてるに決まってるじゃないですか。愛ですよ、担当氏……。
【担】
なんかすごくかっこいいこと言ってるけど、その愛、何かにぶつかってゆがんでたりしません? 具体的には流れ星とか。
大事にしてる結果が2巻でぽっと出のヒロインが
【涼】
おかしくない。かわいい子には旅をさせているだけです。甘やかすことは愛ではない。
2巻では、その
【担】
【涼】
それ正気に戻ってないときの台詞なんだよなあ……。
【担】
【涼】
【担】
あれ……? ちょっとポンコツ度上がってないですか……?
【涼】
で、それを見た
【担】
ええ子や……でも
【涼】
まあ
【担】
帯に「考えが甘い」なんて書かれるヒロイン、そういないですしね……。
【涼】
ぼくが書いたんじゃないんですけど。
【担】
いまさらですけど、タイトルと帯繋げると人の心がない、って言われてたの面白かったです。涼暮さんは古宮先生にも「人の心がない」って言われてましたね。でも僕は人の心があります。あいはぶ人の心。
【涼】
今日これだけ底を晒しておいて……。
【担】
カバーを上から読むと「せんぱい、ひとつおねがいがあります」「今はまだ幼馴染の妹ですけど。」「お姉ちゃんより私を選んでくれますか?」からの「考えが甘い」ですからね
【涼】
そのタイトル考えたのも担当氏じゃないですか。
【担】
でも爆笑しながらOKしたの
【涼】
本編読んだ人は『今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。』の時点でアウトだと思いますよ。
【担】
#何一つ嘘は言っていない
【涼】
何が今はまだですか。続き「わたしがお姉ちゃんになります」じゃないですか。
【担】
そんな
【涼】
いや「姉より自分を選んでほしい
【担】
でも叙述トリックに
【涼】
同意を求めてこないでください。そもそもこれ、「お姉ちゃんより、わたしを選んでくれますか」の帯に至っては、もはやラストまでほぼ嘘じゃないですか。「わたしより、お姉ちゃんを選ぶに決まってますよね」じゃないですか。ラストだけですよ考え変わるの。「むしろ姉を選んでくれ」とすら思ってますよ、灯火。
【担】
「最後にわたしを選んでくれれば過程や方法などどうでも良いのだ」っていう
【涼】
覇道の「は」の字もないでしょう、灯火。
【担】
Twitterでも書きましたけど、多分お姉ちゃんである
【涼】
まあ
【担】
でも、その自覚がありながら頑張っていて、それでも「やっぱりお姉ちゃんの方が」っていっちゃういじらしいヒロインなわけじゃないですか、
そのいじらしさを凝縮させた結果があの帯です。
【涼】
灯火のいじらしさは作中で描きましたが、帯で描かれているのは担当氏のいやらしさですよ。
【担】
おかしい……僕はなにも間違ったことはしていないはずなのに……
【涼】
表紙からもあらすじからもイラストからも「星の涙」のくだり、完全に隠してるじゃないですか。「(考えが)甘い」の部分以外に何もないですよヒント。ああ、あとあらすじのラスト一文はあるか……。
【担】
そうですね、隠しましたね。でもちゃんと意図があるんですよ。「
【涼】
意図、そこ? そこなんですか。もう逆に怖い。
【担】
これ以上僕が何かを語ると、
【涼】
いや、大丈夫ですよ。作家に人の心がありすぎるので、担当は人でなしくらいのほうがバランスは取れていると思います。
【担】
なるほどなー(棒
【涼】
win-winですね。
【担】
僕の一人負けだと思いますが?
【涼】
何かあったら全部責任おっ被せられますし。
【担】
おかしいな、僕の人の心をアピールするつもりだったのですが。ちょっとアピール方法を間違えたようなので、考え直して次回また持ち込んでも良いですかね
【涼】
逆効果でしたね。担当氏がアレなのはこれで周知の事実になると思われるので、もう持ち込んでこなくていいです。早々に諦めてください。
【担】
そう言われると
【涼】
さては話聞く気ねえな?