第二章

【夢】

『そ、その……あの時の言葉とか、さっきのは全部違うのよ!』

『うん……』

『で、でも……私、ライトノベルは好きだわ』

『うん!』


「……また、この夢だわ」


(今のは夢だけど……この内容は夢じゃないのよね! だって、私はあんどうくんにラノベが好きだって気持ちを伝えられたんだから! その際、勢いに乗って余計なことまで伝えてしまった気もするけど……思いを告げた今となっては、どうでもいいことよね!? だって……明日からは、安藤くんと好きなだけラノベの話ができるんだから!

 ──って、はずだったのに……)


「何で、なんか引いちゃったのよぉおおおおおおおおおおおおお!」


(でも、ずっと寝てたから熱は下がったわ! この調子なら明日は学校に行けるわよね?

 そしたら、明日こそ安藤くんと──)


「起きてる~? 具合はどうかしら?」


(ママだわ! 冷えペタ買って来てくれたのかしら?)


「うん、大丈夫。寝てたら熱は下がったみたい」

「あらあら、そう? じゃあ、これで明日は安藤くんに会えるわね? ウフフ~♪」

「んにゃ!? な、何でそこで安藤くんが出てくるのよ!」

「あらあら~、そんなさなくても……ウフフ、ママは分かっているんだからね♪」

「ななな、何も分かってないわよ!? やめてよね! べ、別に……安藤くんはただの友達であって! と、特別な感情とかは無いんだからね!」

「あらあら~、ウフフ♪」

「ママ、何よ……?」

「ママは別に、お友達に会えるから良かったわね? って、意味で言ったのだけど……それが何で『特別な感情うんぬん』の話になるのかしらね~?」

「ふにゃ! そ、それは……」

「あらあらあら……」

「う、うるしゃーい! か、がうつるからママは出てってよね!」

「ママは大丈夫よ~♪ でも、おともだちがお見舞いに来たら……ウフフ♪ そんな風に怒鳴っちゃうと、本当にうつるかもしれないわよ?」

「大丈夫よ。今時、風邪くらいでお見舞いとか誰も来ないわよ……」

「あらあら~? 最近の子はそうなのねー。あ! でも、あんどうくんがお見舞いに来てくれたら、うれしいんじゃないのかしら?」

「って……だから、何でそこで安藤くんが出てくるのよ!」

「あらあら~♪ だって、ママが知っているお友達は安藤くんだけですもの~? でも、本当に安藤くんがお見舞いに来たら嬉しいでしょう?」

「う……ま、まぁあ? それが、安藤くんかどうかは別として! 誰だとしても心配してお見舞いに来てくれるなら……嬉しいに決まっているでしょう?」

「あらあら、あらあら~♪」

「もう、いいでしょ!」

「はいはい、じゃあママは出て行きますよ~♪」

「はぁ……やっと、出て行ったわね」


(もう、何が『安藤くんがお見舞いに来たら』よ。彼が私のお見舞いに来るわけ──)


「そう言う訳だから~。安藤くん、入って大丈夫よ♪」

「は?」


(今、何て──)


「あ、あさくらさん……こんにちは」

「………………。もしかして、これも夢?」

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