【夢】
『そ、その……あの時の言葉とか、さっきのは全部違うのよ!』
『うん……』
『で、でも……私、ライトノベルは好きだわ』
『うん!』
「……また、この夢だわ」
(今のは夢だけど……この内容は夢じゃないのよね! だって、私は
──って、はずだったのに……)
「何で、
(でも、ずっと寝てたから熱は下がったわ! この調子なら明日は学校に行けるわよね?
そしたら、明日こそ安藤くんと──)
「起きてる~? 具合はどうかしら?」
(ママだわ! 冷えペタ買って来てくれたのかしら?)
「うん、大丈夫。寝てたら熱は下がったみたい」
「あらあら、そう? じゃあ、これで明日は安藤くんに会えるわね? ウフフ~♪」
「んにゃ!? な、何でそこで安藤くんが出てくるのよ!」
「あらあら~、そんな
「ななな、何も分かってないわよ!? やめてよね! べ、別に……安藤くんはただの友達であって! と、特別な感情とかは無いんだからね!」
「あらあら~、ウフフ♪」
「ママ、何よ……?」
「ママは別に、お友達に会えるから良かったわね? って、意味で言ったのだけど……それが何で『特別な感情うんぬん』の話になるのかしらね~?」
「ふにゃ! そ、それは……」
「あらあらあら……」
「う、うるしゃーい! か、
「ママは大丈夫よ~♪ でも、お
「大丈夫よ。今時、風邪くらいでお見舞いとか誰も来ないわよ……」
「あらあら~? 最近の子はそうなのねー。あ! でも、
「って……だから、何でそこで安藤くんが出てくるのよ!」
「あらあら~♪ だって、ママが知っているお友達は安藤くんだけですもの~? でも、本当に安藤くんがお見舞いに来たら嬉しいでしょう?」
「う……ま、まぁあ? それが、安藤くんかどうかは別として! 誰だとしても心配してお見舞いに来てくれるなら……嬉しいに決まっているでしょう?」
「あらあら、あらあら~♪」
「もう、いいでしょ!」
「はいはい、じゃあママは出て行きますよ~♪」
「はぁ……やっと、出て行ったわね」
(もう、何が『安藤くんがお見舞いに来たら』よ。彼が私のお見舞いに来るわけ──)
「そう言う訳だから~。安藤くん、入って大丈夫よ♪」
「は?」
(今、何て──)
「あ、
「………………。もしかして、これも夢?」