第一章
【挨拶】
(はぁ……昨日は結局トイレの話だけで、
でも、安藤くんってクラスでいつも一人だし、どういう風に話しかければいいのか悩むのよね……。まったく、一体どうすれば私に振り向いてくれるの──、
って……ねぇ、これおかしくない!? 私は『学校一の美少女』って言われているのに、何でその私がぼっちの彼に『恋』してるみたいになるの!
べ、別に……この気持ちは『恋』なんて恥ずかしいものじゃないんだから!
そもそも、私はこんなにも悩んでいると言うのに、肝心の彼は私の存在なんか教室にいる『生徒A』くらいにしか思ってないのよ! フン! こうなったら、ぶっきらぼうな挨拶でもして、私の『怒り』をアピールをしてやるんだから!)
「ウフフ、
「あ!
(まずはいつも通り、教室の皆に挨拶をするわ。そして、彼だけにぶっきらぼうな挨拶をすれば、皆との挨拶の違いで私が彼に対して怒っているって気付くはずよ!)
「安藤くん、オ・ハ・ヨ」
(どう、言ってやったわよ!)
(何か今日の朝倉さんはメチャクチャ不機嫌だな……。もしかして、便秘かな?)
「あ、うん……おはよう?」
「ふ、フン!」
(そして、
(あ、安藤くんが挨拶を返してくれたわ! と、とりあえず、顔を見られないようにそっぽを向いたけど……うぅぅ──っ! ついつい、顔がにやけちゃうのよぉおおおおおお!)
(うわぁ、今度は急にニヤニヤしてるよ。朝倉さんって美人なのに変な人だよなぁ……)
「エヘ、エヘヘェ~♪」