Episode2 私のお店は……(4)
「あの、村長さんってどんな人ですか?」
気難しい人だったりしたら、人付き合い経験値が少ない私にとっては、強敵である。
「んー、もう結構な
「……
「え? あぁ、
「そ、そうですか!」
良かった! サラサちゃん、大勝利!
いやー、この村に来た時にはちょっと絶望しかかったけど、結構良い村じゃない?
エルズさんの紹介のおかげかもしれないけど、口下手な私にみんな
暮らしやすいのが一番だよね!
「ほら、あそこが村長の家さ」
エルズさんが指さす先にあるのは、特別広くもない、ごく普通の民家。
場所的には村の中心付近だけど、言われないと村長の家とは気付かないね、これは。
「この村だと、税の
「そうかもしれませんね」
村長のお仕事は村の税金を集めて、徴税官に引き
でも、錬金術師はちょっと
まぁ、自己申告なので、ある程度はごまかせるんだけど、もちろんそれは犯罪。
ただし、
「ま、腐っても村長だ。顔は広いから、困った時にちょっとは役に立つさね。挨拶しておいて損は無いさ」
「はぁ……」
そんな適当な感じで良いんだ?
「おいおい、エルズ。そんな言い方は
そんな話をしながら村長の家の前まで来たところ、家の裏から出てきたお爺さんがそんなことを言いながら近づいてきた。
ってことは、この人が村長?
「おや、爺さま、聞いていたのかい」
聞かれたらマズいんじゃ、と思った私に対し、エルズさんは悪びれる様子もなく、あっさりとそう言葉を返した。
「昔は
「『ちゃん』とか言うんじゃないよ! これだから爺さまは。こちら、あの店に
「初めまして。錬金術師のサラサと申します。これからこの村で暮らしていきますので、よろしくお願いします」
エルズさんに紹介され、私が
「ほっほっほ。そう
「いえ、そんな……私なんてまだまだ
「いやいや、錬金術師というだけでウチの村としては十分助かるんじゃ。こちらこそよろしく頼むわい。必要なことがあったら何でも手助けするから、気軽に相談してくれ」
「はい、ありがとうございます」
少し大げさだけど、村長の言うことはそう間違ってはない。
医者のいない小さな村では、錬金術師の
どんな初心者の錬金術師でも、ある程度の
むしろ、そのへんの医者よりも、錬金術師の方が信用があるくらい。
まぁ、だからといって
なので私は、
◇ ◇ ◇
「さて! やることは多いし、サクサク片づけないとね!」
──うん、実は生活するだけなら、
なら、なんで
決して魔法は
洗い終わった洗濯物の
家中の窓を開け放ち、
「後は軽く
「これはまだ着られる。こっちは
選んだのは、
そういった服は古着屋に売ったり、
あれはそう、私の、学校への入学が決まり、寮へ引っ越ししようとしていた時の事。
入寮の日だからとちょっと
『ちょっと服が
院長先生としては、
とはいえ、さすがに見窄らしく見える服で学校に入るのは
その時は、どうせすぐに大きくなるからと、少しだけ大きめの服を買ったんだけど……。
「少し前までこの服、着てたよね、私……」
いやいや、さすがに今は小さくて、もう着られないよ?
一〇歳の時に買った服だもの!
かなり
その代わり、
大丈夫、きちんと成長してる。
同年代の平均ぐらいはきっとある……はず?
──そういえば、ロレアさんの年を聞かなかったけど、何歳なんだろう?
彼女に比べると私の方が少しだけ発育が悪いけど……少し、少しだけね!
「
などと、