はじめに

本書について

 本書は、オーソドックスな〝剣と魔法のファンタジー〟世界を冒険する際の、「こんなときどうしたらいいのかな?」に答えていく本です。

 あなたは、本書に登場する〝きみ〟となって、いつしよに冒険の旅に出かけましょう。

 あなたの分身となる〝きみ〟は、異世界生まれの異世界育ちかもしれませんし、現代日本から転生した〝あなた〟自身かもしれません(そこは、自由に決めてくださいね)。いずれにせよ、あなたの決断が、〝きみ〟の未来を決めていきます。

 本書は、いくつかのまとまりに分かれていて、それぞれごとに状況が説明されます。そして、そこからどうすればいいか、いくつかの(主に四種類の)せんたくが提示されます。

 そこで、「自分だったらどうするだろう?」「どうするのが、一番有利だろう?」といったことを考え、選択肢を選んでください。それぞれごとに、どんなことが起きるのか、どんないいことがあるのか、選択肢の先の回答ページに書かれています。

 冒険には、絶対の正解はありません。

 ぜひ、いろんな回答を見て、自分なりの冒険スタイルを考えてみてください。

 ただし、あまりに無茶でぼうなことをすると、命を落とすことにつながることも……その点は、くれぐれもご注意を。


 回答には、「ABCD」のアルファベットが振られています。この数をメモしておいてください(A×6、B×4、C×1、D×2、のように。正の字を書いていくのもいいでしょう)。中にはアルファベットが二つ振られていることもあります。その場合は、両方をカウントしてください。

 一通り読み終わると、巻末に「あなたの冒険スタイルしんだん」があります。メモしたアルファベットの数をかくにんして、どんな冒険スタイルがマッチするか、確かめてみましょう。


 なお、各シチュエーションの最後には、「解説」も用意しています。テーブルトークRPG(以下、TRPG)を遊ぶ際のアドバイスなどを解説していますので、ゲームをプレイする際は、参考にしてくださいね。


TRPGとは

 進行役を務めるゲームマスター(GM)と、自分だけのキャラクターをあやつってプレイするプレイヤーに分かれて遊ぶ、アナログ(電源を使わない)ゲームです。

 プレイヤーたち(つうは二~五人ぐらい)で協力し、GMが用意したシナリオをこうりやくします。そこには人間同士だから生まれる、コミュニケーションによる自由度と思いがけないドラマ性に溢れており、他では得がたい体験と感動を楽しむことができるでしょう。

 でも、自由だからこそ、「まず、なにをしたらいいの?」という事態に直面することもあります。本書では、いろんなシチュエーションをしようかい、解説し、そんな「どうしよう?」を少しでも解消できればと思っています。

 本書での〝きみ〟は、もちろんあなたのことです。〝きみ〟というプレイヤーキャラクター(以下、PC)を通して、ぜひ冒険の世界を楽しんでください。

 なお、本書は『ソード・ワールド2.5』というTRPGをベースに執筆されています。詳しく知りたい方は、本書のこちら〔*1〕をご覧ください。


登場人物

 本書では、あなたの分身である〝きみ〟を導く三人の冒険者が登場します。

 ここで、簡単に彼らを紹介しましょう。


ドワーフのみつてい戦士ギステルド・ガーシェイン

 がらだけど筋肉質な、ドワーフ族の密偵戦士。

 りよ深く経験豊富で、ダンジョンやせきくわしく、裏社会にも通じる顔の広さも持っています。戦いにおいてはパワーと器用さにすぐれ、次々と敵をたおす攻撃役として高い適性を発揮します。一方で魔法は苦手で、安易に魔法にたよることをぎらいしているところがあります。


太陽神の神官戦士ジョー・キンケイド

 いつも元気な、若き人間の神官戦士です。

 性格はまじめでひたむき。半面、難しく考えるのが苦手でちょっとだまされやすいところも。太陽神のしんこうあつく、悪を許さず、弱者を見捨てられません。

 がんじようよろいたてで身を固め、太陽神のせきさずかり、魔法でを治したり、ぼうぎよを固めたりすることが得意です。戦いにおいては、敵のこうげきを防ぐ盾役としてかつやくします。


エルフの魔導師タラサ・リスナール

 美しいきんぱつとくちよう的な、エルフの魔導師です。

 数多くの魔法に精通しており、博識でそうめいな頭脳の持ち主。ただ、長命なエルフ族らしく、のんびりした性格をしていて、時間にもルーズなところがあります。

 だいたいのことは魔法で解決できると考えていて、安易に魔法を使いがちです。また、貴族の生まれらしく、少しこうまんなところもあるようです。

 この三人のぼうけんしやたちは、あなたの冒険に様々な指標を示し、回答へと導いてくれます。彼らの意見も参考にしつつ、あなたの冒険者としてのスタイルを構築していきましょう。

 難しく考えることはありません。


 さあ、冒険の旅へと、出かけましょう!

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