【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMF文庫Jから3月24日に刊行される『ゲームマスター獄木七笑に試される ~きみの人生逆転ショー、配信で見せつけちゃお?~』です。みなさんの感想も聞かせてください!
以前、「キミラノ」の百合ラノベ座談会でも触れたのですが、2010年代前半の百合ラノベについて語るならば『アイドライジング!』(電撃文庫)の話は避けて通れません。作者の広沢サカキ先生がこの作品を百合として書かれていたのかは置いておいて、百合のオタクは女の子と女の子の濃密な関係性が描かれていたらそこに百合を見出し「百合! 百合!」と騒ぎ出してしまうものです。
女女関係性が一箇所でも描かれていたら妄想が三十箇所は生まれると思え。そんな『アイドライジング!』を中学生という多感な時期に読んでしまったオタクですから、十年振りの広沢先生新刊にも歓喜せざるを得ません。というかやはり女女関係性が最強ですからね、もうそれだけでヨダレがたれるってもんだ。
本作『ゲームマスター獄木七笑に試される』の何がいいって、どのページをめくっても女の子と女の子の濃密なやり取りが繰り広げられていることです。七笑とまりあの軽快なやり取りはもちろん、【運命のゲーム】への挑戦者と七笑の掛け合いも素晴らしくって……。

下手すれば全てを失うゲームに挑む挑戦者と、そんな頭のネジが外れたようなゲームの運営を行なっている七笑。そうなってしまった経緯も察することができる描写が、もう百合のオタクにはたまらないのです。
……と百合のオタク全振りみたいな感想文を書いているわけですが、MF文庫Jの「下手すれば死んでしまうようなゲームに巻き込まれた少年少女の心理戦もの」──例えば『死亡遊戯で飯を食う。』とか『神は遊戯に飢えている。』とか──が好きな人は絶対にハマる心理描写も満載で最高です。だって、自分もそこが刺さったから……(ここで具体的に触れるとネタバレになってしまうのですが、最終ゲームの挑戦者と七笑の掛け合いが、もう)。
Nezi先生のイラストも絶妙で、もう一回読み終わったらすぐに二周目を読みたくなること請け合いの一冊です!

文:太田祥暉
ざっくり言うとこんな作品
1)ゲームに勝てば、人生逆転!? 運命を書き換えられるゲームを運営者(ゲームマスター)目線で楽しめる!
2)ゲームに挑戦してくるのは暗殺者にギャンブル女子高生、人気棋士、そして恋に恋する女の子。アクの強い女の子が次々ゲームに翻弄されていく!
3)ゲームマスターの七笑と、アシスタントのまりあ……二人の少女が織りなす関係性が愛おしくてたまらない!
主要キャラ紹介

▼獄木七笑(ひとやぎ ななえ)/左
ダウナー系の女子高校生。ひょんなことから【運命のゲーム】のゲームマスターを務めることになる。プレイヤーに沿ったゲームを作成し、自分が作る舞台の主演女優を探している。
▼纐纈まりあ(こうけつ まりあ)/中
【運命のゲーム】の配信面をサポートしているアシスタントの女子高校生。七笑とはあまり共通点がないが、バイトとして接しているうちに仲良くなっていった。
▼オーナー/右
人の運命が刻まれた《台本》を所有しており、未来を書き換えることが可能な【運命のゲーム】を主催している。見た目はとても若いが、年齢は不詳。地下劇場を含む歌舞伎町のビルを所有している。
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ゲームマスター獄木七笑に試される ~きみの人生逆転ショー、配信で見せつけちゃお?~
著者: 広沢サカキ イラスト: nezi
ようこそ、運命をぶっ壊したい不届き者の皆さま。
【運命のゲーム】それは人生を賭けて運命を勝ち取る劇場型リアリティショー。
傷一つない人生も、超のつく億万長者も、このゲームに勝利すればぜ~んぶ思いのまま。すごいでしょ。
わたし、獄木七笑はそんな舞台のゲームマスター(ま、バイトだけどね) 。
学校終わったら週5で地下劇場に向かって、運命変えたいヤバい女の子たちと真剣勝負。
実際だいぶ変なバイトしてるな~って自分でも思う。
でも、わたしの作るゲームにはけっこう自信あるし。
何より常識をぶち破ってくれる最高のプレイヤーに出会いたいんだ。
だから今夜も配信アシスタントの纐纈まりあと一緒に、挑戦者を舞台に迎えてこう言うの。
「──さあ、運命が始まるよ」