
あらすじ紹介
【二語十(『探偵はもう、死んでいる。』)&竹町(『スパイ教室』)解説収録!】
目を覚ますと、私は見知らぬ洋館にいた。
メイド服を着せられて、豪華なベッドに寝かされていた。
寝室を出て、廊下を歩いた。
食堂の扉を開けると、そこには五人の人間がいた。
みな一様に、私と同じくメイド服を着せられていて、少女だった。
〈ゲーム〉の始まりだった。
吹き矢、丸鋸、密室に手錠、そして凶器の数々。人間をあの世にいざなうもので満ち満ちている、そこは〈ゴーストハウス〉。
館に仕掛けられたトラップのすべてをくぐり抜けて脱出するしか、私たちの生き残る道はなかった。絶望的な現実に、少女たちは顔色を悪くする――
――ただ一人、私だけを除いて。
なぜかって? そりゃあ――私はこれが初めてじゃないから。
プレイヤーネーム、幽鬼《ユウキ》。十七歳。
自分で言うのもなんだけど、殺人ゲームのプロフェッショナル。メイド服を着て死の館から脱出を図ったり、バニーガール姿でほかのプレイヤーと殺し合ったり、そんなことをして得た賞金で生活している人間。
どうかしてるとお思いですか?
私もそう思います。
だけど、そういう人間がこの世にはいるんですよ。
おととい励まし合った仲間が、今日は敵になる。
油断すれば後ろから刺され、万全を尽くしたとしても命を落とすことがある――
そんな、死亡遊戯で飯を食う、少女が。
みんなからのレビュー
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よっち
38幽霊屋敷。非道の罠に囲まれた六人のメイド少女。絶望的な現実に顔色を悪くする初心者の彼女たちと、このゲームの経験が豊富な少女・幽鬼が挑む死と隣り合わせの死亡遊戯。目を覚ますとメイド服を着せられて、見知らぬ洋館の豪華なベッドに寝かされていた少女たち。それぞれの理由で集まった彼女たちが直面する情け容赦のない何でもありのゲーム。クリアするための条件を冷徹に探る幽鬼がいかにして生まれたのか。師匠と殺人鬼のエピソードも絡めながら、九十九連勝目指して突き進む彼女のどこかぶっ壊れているありようがとても鮮烈な物語でしたね。 続きを読む…
ネタバレあり
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オセロ
34ゴーストハウスでゲストの見せ物として行われる少女達の様々なデスゲーム。ゴーストハウスからの脱出ゲームでは理不尽に、呆気なく命を落としていく少女達。そんないつ、どんな理由で殺されるか分からない命懸けの死亡遊戯に生きがいを感じる少女・幽鬼の物語。 脱出ゲームとは打って変わった趣旨の少女達の殺し合いでは、命の駆け引きという要素がこの作品の魅力を更に深いものにしてくれたなと。 デスゲームの面白さと醍醐味が詰まった今作。期待の新シリーズですね。 続きを読む…
ネタバレあり
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まっさん
29★★★★☆ MF文庫新人賞優秀賞受賞作品。 審査会で評価が大きく別れたとの作品らしいですが、読んでみるとまさにその理由が分かりました。とにかくキャラクターがばたばたと呆気なく死んでいきますし、主人公である幽鬼も割と容赦のない振る舞いを見せるので、そもそもダークファンタジー物が苦手な人やキャラクターに感情移入しながら読む人はなかなかキツいものがあるのではないかと… 物語はタイトルから分かる通り、少しでも気を抜くと途端に死んでしまうようなデスゲームに顔の良い美少女達が挑んでいく話となっています。まあ見事な→ 続きを読む…
ネタバレあり
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のれん
29追いつめられた怪作である。 社会的な生存を望まない。部屋のごみ箱状態とコンビニ往復のリアリティのある堕落者の生活感。そんな現実と真逆の生死を身近にするデスゲーム世界を繰り返す嗜虐的快楽。 00年代にあったデスゲームの王道構成だ。が、本作が違うのは主人公が快楽を見出してないこと。なんとなくこの場所にいる。 真の貧困者とは抜け出そうとする意思すら持つことは出来ない。抜け出した後、楽しもうとする環境も知識も財産もありはしないからだ。 ある意味現代的なデスゲームだと思う。(1/2) 続きを読む…
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わたー
27★★★★★製品版も読了。見目麗しい少女たちが情け容赦なくゴミクズのように死んでいく様を、読者という「観賞側」の立ち位置で優雅に愉しむというのが背徳的で堪らない。女性たちを着飾ってデスゲームをさせ、彼女たちの攻略を観賞する裏社会のショービジネス。そのゲームに自らの意思で参加し続け、前人未到の99回クリアを目指す幽鬼を主人公にしたデスゲームモノ。やや癖のある言い回しで紡がれる物語は、はじめこそ苦戦したが、どんどんと語りと展開がマッチしていってよかった。 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2022/11/25
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定価682円(本体620円+税)
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ISBN9784046819376