第二話 ママ・ケ(ご飯を食べなさい)
「さて先輩、早速ですけど作戦会議といきましょうか」
レジーナは昼前の王都を歩きながらそう水を向けた。王都の一等地、様々な巨大ギルドが軒を連ねる王都の目抜き通りは、間もなく昼飯時ということもあって、飲食関連のギルドがやかましく客を引いている。そこかしこから漂ってくるいい匂いに、レジーナの腹が徐々に騒がしくなってきていた。
「今後、二人で冒険者ギルドを立ち上げるなら色々と準備が必要ですからね。どこかの店に入って食事しながら今後について話し合いませんか?」
そう誘ってみると、オーリンは首を振った。
「それもいいんだけれどよ。でぎればメシ食う場所はここでねぇ方がいいな」
「えっ?」
「どうも俺は五年暮らしてもまだ王都のメシっつうもんが口さ合わなくてや……今日はうんと考えるごどがいっぱいあるはんで、なるべぐ気合い入れるメシが食いでぇんだよ」
オーリンは少し難しそうな表情で、立ち並ぶ飲食の屋台を見つめていた。
「それに昨日は急な宿取りで小銭も使ってまったしな。一旦俺の部屋さ帰って色々準備もしねばまいねんでの」
オーリンはそこで、レジーナの目を真っ直ぐ見つめた。
その真っ黒な、人を魅了するような瞳の色に、レジーナは何だか引き込まれそうになった。
「レズーナ。お前さえよがったら、今がら俺の部屋さ来ねぇが」
オーリンの口は、はっきりとそう言った。
言われて、レジーナの横を、一発の紫電が駆け抜けた気がした。
「――えっ?」
「何を固まってんずや。俺の部屋だ、家。俺はギルドの寮でなくて他さ部屋借りでんだよ。少し狭くて散らがってるばってな。部屋だばこっからすぐだね。来ねが?」
オーリンが淡々とした口調で説明する横で、レジーナは考えた。そういえば自分は今までイーストウィンドの寮で寝泊まりする生活を送っていた。そのイーストウィンドを離れる決断をした今となっては、レジーナに帰る場所、寝泊まりする場所はないのだ。かといってずっと宿を取り続けるわけにもいくまい。つまり、どこかに転がり込む必要があるということなのだ。
そして、今この急な申し出。
それはつまり――これからオーリンとひとつ屋根の下で暮らす、ということか。
いや、ちょっと待って――レジーナは自分の思いつきを自ら否定した。オーリンは昨日「明日から事務所探しだ」と言っていたっけ。でも――たった二人しかいない冒険者がギルドを立ち上げるということは、よくわからないけどきっと簡単なことではないだろう。
それならもしかしてしばらくは私もその部屋に住むということで、それはつまり、新しい本拠地が決まるまで、この男とずっとひとつ屋根の下で暮らすということに――。
そう、レジーナは嫁入り前の十九歳の乙女である。
もちろん、冒険者ギルド『イーストウィンド』に入って半年、親しい人間もあまり多くはなかった。
ましてや、父親以外の異性とひとつ屋根の下に暮らしたこともないし、まして一夜をともにしたこともない。
この異性関係における圧倒的な経験不足が、この時の彼女に厄介な誤解をひとつ与えた。
まぁぶっちゃけ要するに――レジーナは結構な頻度で人との距離感がバグるタイプなのであった。
人との距離感がバグる――それはとても悲しい性分である。
一回親しく口を利いたら翌日にはその人を友達だと思い込み、異性に少し優しくされれば「この人もしかして……」と要らぬ勘違いをする。当然、次から相手に対して馴れ馴れしく振る舞い、結果ヒかれて周囲から人が離れていくという、ちょっと悲しい傾向がこのうら若き乙女にはあったのである。
人と人との距離を数段飛ばしで飛躍する悪癖を持つ、この乙女のことである。同棲のお誘い、つまりこれはもうそういうことじゃね? という、常人には到底理解不能なアルゴリズムで厄介な曲解をするのも、ことこのバグり性の乙女なれば無理からぬことで――当然レジーナは盛大に慌てた。
「あっ、いや――」
「なんて?」
「いやぁ、先輩、それはマズいですよ……!」
「不味いって何が? まだメシ食ってねべや」
「料理のことじゃありません! そんな……いくらなんでも展開が早すぎる……!」
レジーナは回れ右をし、まるで乙女のように両頬を手で挟んでモジモジと腰をくねらせた。
いや、そんなことはない――落ち着けレジーナ・マイルズ。オーリンとは昨日ほぼ初めて口を利いたぐらいの間柄で、つまり友達どころかやっと知り合いになったレベルで、お互いのことを知らなすぎるじゃないの。
でも、そんな知り合い程度に昇格したばかりの女をいきなり家に上げるどころか、一緒に暮らさないかと提案などするものかしら、もしかして既にこの人は私を……などと悪い部分のレジーナが蠱惑的な声で耳元に囁いている。
男はオオカミなのよ、気をつけなさい……と母親は常々言っていた。オーリンがもしオオカミで、十分に慣らした後にいきなり襲いかかるつもりだったら? 自分は凶獣の前になすすべなく食っちまわれる生贄の羊のようなものだ。どうしよう……やっぱりあの、こういうのはよくないと思いますと言って、自分もどこかに部屋を借りるべきだろうか。いやでも、それには重い経済的負担が伴うし、何よりオーリンの善意を無にすることになってしまう。
何よりも、オーリンは言葉こそ何言ってるかわからないけど見てくれは結構どころかかなり好みだし、背も高い。それに昨日の超人的な魔法――考えようによってはこの大陸一の大魔導師も夢じゃないと思える、稀代の逸材である。今のうちに美味しくいただかれてしまえば玉の輿も射程圏内、据え膳食わぬは女の恥……などとわけのわからない理屈を悶々と捏ね回していると、オーリンが心配そうに顔を覗き込んできた。
「どすたば……具合悪いのか?」
「へ!? あ、いや、なんでもないですッ! でも、その、あの……!」
「それに別にずっと俺ど暮らへって言ってるわげでねぇべな。メシば食って作戦会議ばしたら、お前は実家さ帰ればいいべ?」
へっ? とレジーナは目を点にしてオーリンを見つめた。
なんだろうこの反応は、と言いたげな顔でオーリンは答えた。
「お前は王都の生まれだんだべ? ある程度今後の方向性が固まったら、悪ぃどもそれまで実家さ戻ってくれるが? 事務所だ資金だなんだって決まったら連絡するはんでよ」
実家。その言葉に、レジーナは今まですっぽりと頭から抜け落ちていたそれを思い出した。そうだ、宿を取ったり、部屋を借りたりする必要はない。父と母がいる実家に帰ればいいだけなのだ。突如帰ってきた娘に父母は多少驚くかもしれないが、そうなったら詳しい事情を説明すればいいのだ。
そうだそうだ、一体何を考えているんだ私は――レジーナは己を叱った。
私がこの男とこうして一緒にいるのはギルドマスターであるマティルダの粋な計らいの結果であり、立派な仕事なのだ。仕事中に田舎出身のイモ系男子とのハチャメチャ♡ラブロマンスを夢想するなんて、いまだ下積み中の冒険者として言語道断な所業に違いない。
「そ、そうですね……私には実家があるんだった……」
「何だってな、忘れたのがい。そいで、どす? 俺の手料理でいいんだばご馳走するども……嫌が?」
「あっ、全然です! 全然構いません! そっ、そうと決まれば先輩の部屋に行きましょうか! 是非ゴチになりたいです!」
「んだか、そいだばついで来」
言うが早いか、オーリンはギルド通りの喧騒の人混みを縫って歩き始めた。
◆
オーリンの住まいは、王都の商業地区の外れ、単身者向けの集合住宅の二階にあった。多少古びてはいるものの、佇まいそのものは小綺麗に見える。内心、オーリンの住まいが小便と反吐の臭いが染み付いた裏小路のあばら家であることも想定していたレジーナは、そこでほっとため息をついた。
「まぁ狭くて汚くて散らかってるばって、入ってけじゃ」
そう言ってオーリンはドアを開けて部屋に招き入れた。「お、おじゃまします……」とおっかなびっくり中に入ったレジーナは、オーリンが住まう部屋の様子を注意深く観察した。
男やもめに蛆が湧く――とは聞くが、どうしてなかなか部屋の中は落ち着いており、生活感はそれなりにあるものの、きっちり整理整頓されているように見える。汚れ物や洗い残しの皿がうずたかく積み上がっている光景も覚悟していたが、オーリンはこう見えても几帳面な性格らしい。
「食事すんのは奥の部屋だ。そごらのものは片づけて座っててけで。今メシの準備するはんでよ」
言うが早いか、オーリンは台所に引っ込んでしまった。レジーナはリビングであるらしい部屋のドアを後ろ手に閉め、部屋にひとつある小さなソファに座り込んだ。
ここが、ここが男の人の部屋――。
思わず、すう、と息を吸うと、オーリンの匂いとしかいえない匂いが胸いっぱいに満ちる。
「なんか想像してたより綺麗な部屋だなぁ……」
思わず、小声で呟いてみる。きょろきょろと辺りを見回しても、生活感はあるのになんとも小綺麗だ。魔導書の類がきちんと揃う本棚も、ベッドの上にきちんと畳まれた毛布も、天板に複雑な迷彩模様を描くテーブル――後で知ったことだがツガル塗という技法であるらしい――も、どれもがどことなく洗練されていて、この部屋の主の人となりをなんとなく物語っている。床には綿埃どころかちぢれ毛の一本も落ちてはいない。見つけたら摘み上げてしげしげと観察しようと思っていたのだが。
ベッド。その単語が頭に浮かぶと、なんだか妙におかしな気分になってきた。
迷った末にレジーナはそわそわと立ち上がり、ベッドに歩み寄った。
「これが……これが先輩のベッド……」
ごくり、と喉が鳴った。思わず枕に触れてみると、寝苦しいこの初夏の夜に寝汗でもかいたのか、しっとりと湿っている気がする。触れた途端、ふわっとオーリンの髪の匂いが香った気がして、どきりと心臓が跳ね上がった。
「おっ、おおおぉぉ……!」
レジーナは興味津々であった。いまだそのほとんどを知らぬ男の生態、その神秘に今まさに手が触れている――そう考えるだけで、思わずこのベッドに身体を預け、今すぐ枕に顔を埋めたい気が騒いだ。
そうだ、噂によれば男というものはとかく人に見られたくないものをベッドの下に隠す習性があると聞いたことがある。よもやあの人畜無害の塊にしか見えないイモ青年がそこまで過激なものを隠しているわけはないと思ったが、一応これからあの男はレジーナの相棒になるのである。相棒がどのような性癖を持ち、どのような異性に興奮するのか見極めておかないことには道中がやりにくい……などと滅茶苦茶な理由をつけて、レジーナはそっとベッドの下を覗こうと――。
「レズーナ、何すてらんだば」
心臓が口から飛び出るかと思った。慌てて振り返ると、オーリンは料理からほかほかと湯気の立つ中、不思議そうな表情を浮かべていた。
「あ、いや! なっ、なんでもないです! ちょ、ちょっとこの下に小銭を落としてしまって……! もう取ったんで大丈夫です!」
「それならいいんだけどよ……」
オーリンは不審そうな表情でレジーナをじろりと一瞥し、迷彩模様のテーブルに皿を二つ置き、一脚椅子を出して、自分はソファに座り込んだ。
「さぁ、朝飯作ったはんで食べろ」
凄いなぁ、【通訳】のスキルがない人間なら、この男が何をして、これから何をしようとしているのかさっぱりわからないに違いない。アオモリでは「食べろ」を「ケ」の一文字で表すんだなぁ、髪の毛やまつ毛なんかの「毛」も「ケ」なんだろうか……などとどうでもいいことを思いながら、レジーナはベッド脇から立ち上がった。
テーブルの上にはほかほかと湯気を立てている皿とパンが山盛りになった籠があり、思わずレジーナは訊ねてしまった。
「これ――先輩が作ってくれたんですか?」
「他に誰がいるべな。こえでも五年一人暮らしだね。田舎料理だはんで、口さ合うがどうかはわがんねけどな」
皿を見ると、玉子かなにかを煮付けたもののようだ。てらてらと輝くような玉子の色艶と、刻まれた
「さ、今日からお互いうんと働かなければまいね。きっちりと食っておげや」
「なんていう料理ですか、これ? 見たことのない料理ですけど」
「ああ、アオモリの料理だはんでな。俺たちはカヤキって呼んでる料理だ。ホタテだの玉子入ってて、栄養たっぷりだど」
カヤキ、やはり聞いたことのない料理だ。しかし名前や物珍しさは別にして、なんだかとても食欲をそそる見た目なのは確かだった。
レジーナはワクワクしながらフォークを握り、ぷるる……と悩ましげに震えるカヤキを掬い上げた。途端に、魚醤かなにかの匂いがふわっと鼻をくすぐり、鼻孔がひくひくと喜んだ。
「お、美味しそう――いただきます!」
レジーナはカヤキを一口、口に運んだ。口に入れて最初に感じたのは、玉子のふくよかな甘みと、海鮮系の複雑かつ濃厚な旨味の存在だった。魚醤やホタテ、それらのほんのりとした甘さが渾然一体となり、口の中で素晴らしいハーモニーを奏で始めた。
お、美味しい――。はう、とレジーナが感嘆しようとした、その時。
今まで絶妙なクラシックを奏でていた口の中に、突如として砲撃戦の轟音が鳴り響いた。
「あッ――!?」
レジーナは一瞬、毒か何かを盛られたのかと真剣に考えた。
だが違う、この口の中にイガグリを突っ込まれたような鮮烈な刺激――!
なんだこれは――しょっぱい! 激烈にしょっぱい……!!
思わず立ち上がり、目を白黒させてこめかみを叩いた。
んふっ、んふう――! と呻き声を上げて天井を見上げ、どたどたと足踏みをしたレジーナを、オーリンが驚いたように見た。
「な、どうした!?」
「んっ、んんんんぅ! んぐっふううううううううううう!!」
「腐ってらっだが!? 出せ! 出せ!」
「んんんんんぐ……んんんんぐあああああああああ!!」
レジーナは涙目になりながら頑強に首を振った。宿を提供してもらった上に朝飯を作ってもらって、それを吐き出すことなどできはしない。躍起になってなんとかなんとか喉の奥に流し込むと、レジーナはぷはぁっと肩で息をした。
「――お、美味しい、です」
「ほ……本当がよ……!?」
オーリンは安心したような呆れたような顔でレジーナを見た。
「ややや、すまないな、なんせ人さ手料理なんぞ作ったのは初めででさ。田舎料理だはんで、味付けが少し濃かったがもさね」
「あ、あはは……いやそんなことはないんです、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと驚いただけで」
それは事実だった。途中までは本当に美味しかったのだ――途中までは。しかし次の瞬間、まるで口の中をナイフでめった刺しにされるようなビリビリとした塩気が舌先を焦がし、脊髄を駆け抜けて脳みそを灼熱させるほどにしょっぱかったのだ。
「まぁ、口に合わなかったんだらまいねはんでの。パンとリンゴはあるはんで、まんつこいづば食え」
そう言って、オーリンはカヤキをフォークで黙々と口に運んでいる。おそらく同じ味付けに違いないのに、本当に平然と食べている。自分がナメクジだったら今の一口で一発即死は免れ得ない塩分濃度だったのに、平然と食べている。どうやら、アオモリではこのぐらいの塩辛い味付けが普通であるらしい。
「す、すみません、パンいただきますね……」
それでも、とレジーナは覚悟を決めた。たとえ塩辛かろうが毒が入っていようが、ここは好意を無下にすることはできない。仕方なくパンを切り分け、カヤキを口に運んだ後にパンで塩気を中和する作戦で完食を目指すことにする。
一口、口に運んだ後、急いでパンを齧る――まだちょっとしょっぱいが、単体で食べるよりはずっと塩気が中和された感じがする。これで食べるしかないと心に決めて、レジーナはそれ以後ほとんど会話もなくカヤキと向き合い続けた。
◆
「さぁ、メシば食ったら作戦会議だな。今後どうすっがだけどよ……」
あの塩の塊としか思えないカヤキをきっちり完食したオーリンが話を切り出した。レジーナも頷いて皿を脇に寄せた。
「先輩と二人でパーティを組んで、ゆくゆくは冒険者ギルドを作る……まず当然必要なのは資金ですよね」
その言葉に、オーリンも頷いた。
「なんぼぐらい必要なのがはわがんねけども、まぁ、まんづそいが一番だびな。事務所を借りるカネ、仲間を雇うカネ、給与として出す当座のカネ――まぁ、何の根拠も無く計算して、三百万ダラコぐらいだべが」
三百万ダラコ――それは王都で働く一般的な労働者の年収に匹敵する額だ。これをたった二人で稼ぐのは簡単なことではない。ましてやそれが自営業の冒険者なら、必要な物資をギルドが提供してくれていた時とは違い、必要経費というものも稼ぎから捻出せねばならないのだ。
ハァ、とレジーナは遠い道行きを思ってため息をついた。
「まぁ、何はともあれ――クエストですね」
クエスト。それは冒険者にとっては貴重なメシの種だ。
まだまだ人跡未踏の地が多く残っているこの世界では、そこを踏破して地図作製のための測量をしたり、どんな魔獣がどれだけいるかを調査したり、辺境の貴重な動植物を採取し記録してゆくことは、どこの国でも国家事業である。だからどこの国にも冒険者のような根無し草の職業が成立してしまっているのである。
また、たまに人間の世界ではない場所からやってきて人に仇為す魔獣には賞金がかけられ、それを討伐して申告すれば国からカネが支払われる討伐クエストもあり、人々の平和を守るのも立派な冒険者の仕事なのだ。冒険と討伐――冒険者はその二つのクエストをこなして渡世をしていく。冒険者とは、好奇心とカネのために危険を冒して生きることを選んだ人種なのである。
「クエストがぁ。やっぱそうなるびの。すかす三百万ダラコとなるとひと財産だ。一発で稼ぐのは容易でねぇな」
「そうですね。しばらく小さなクエストを数こなしていくしかないでしょうね」
「んだな。どれ、そうど決まったら冒険者クランにでも顔出してみるが」
「冒険者クラン――ですか」
クランとは、各冒険者ギルドに対して仕事の手配屋のようなことをしている団体のことである。元々は各ギルドを越えて同じ攻略目標や討伐対象を狙う冒険者の取りまとめや、その報酬配分を担当する組織で、冒険者が新たに仕事をする場合はそこに顔を出して仕事を回してもらうのがいわば鉄則なのだった。
「一応世の中にはソロの冒険者っつうのも多いがらな。自称でも何でも、手配書ぐれぇは回すてもらえるべ。お前もついでくるが?」
「もちろんですよ。輝かしいパーティの仕事第一弾はきちんと選びたいですからね」
「んだば、早速食器ば片づけたら向かってみるべしよ」
そう言って、オーリンは食器を重ねて立ち上がった。