コンビニ強盗から助けた地味店員が、同じクラスのうぶで可愛いギャルだった 2
プロローグ
私には生きている価値がない。
黒峰くんの家族を殺し、自分のお母さんとお父さんを苦しめ、死に追い込んだ。
私は被害者ではない。加害者だ。
罪悪感で胸が締め付けられなかった日はない。
息をする度に喉が詰まる。
何度でも『事故の瞬間』と『てるてる坊主みたいになった両親』を思い出す。
何度でも、何度でも……。
生きているだけで辛い。
ふと思い出すのは黒峰くんのこと。
コンビニ強盗から助けてもらった、あの日から始まったキラキラとした輝かしい日常。
ほんのわずかな日々だったけれど、黒峰くんとの生活は人生における満足感というものを感じられた。
辛い気持ちになったとき、防衛本能のように黒峰くんを思い出してしまう。
初恋。
溶けそうになるくらい胸が熱くなる。
そして、この想いに比例して――――自分に殺意が湧く。
繰り返し思う。私は生きている価値がない。
事実として強く理解しているから、生きているだけで苦しい。
自分が憎くもある。
殺してやりたい。
私にとって、死こそが解放――――。
今の苦しみから逃れる唯一の手段。
だからこそ、死んではいけない。
苦しみから逃れてはいけない。
黒峰くんに謝っても謝り足りない。
全ては私のせい。
辛いなんて思っちゃいけない。
全ては私が悪いのだから。
黒峰くんに対する申し訳なさ、罪悪感――――。
私は私を責め続ける。
この体が朽ちるまで……。
心が粉々に砕け散るまで――――。