あらすじ紹介
竜殺しの英雄、シギベルト率いるノーヴェルラント帝国軍。伝説の島「エデン」の攻略に挑む彼らは、島を護る竜の返り討ちに遭い、幾度も殲滅された。
エデンの海岸に取り残され、偶然か必然か――生きのびたシギベルトの娘ブリュンヒルド。竜は幼い彼女を救い、娘のように育てた。一人と一匹は、愛し、愛された。
しかし十三年後、シギベルトの放つ大砲は遂に竜の命を奪い、英雄の娘ブリュンヒルドをも帝国に「奪還」した。
『神の国で再会したければ、他人を憎んではならないよ。』
復讐に燃えるブリュンヒルドの胸に去来するのは、正しさと赦しを望んだ竜の教え。従うべくは、愛した人の言葉か、滾り続ける愛そのものか――。
第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞の本格ファンタジー、ここに開幕!
みんなからのレビュー
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Nyah
59竜殺しの血統であるシギベルトはノーヴェルラント帝国軍を率いて、竜が守る島々「エデン」を攻略していた。誘拐されたシギベルトの娘ブリュンヒルドはエデンの海岸に取り残された。竜に立ち向かい、返り討ちにあった人々は竜の血を浴びると99.9%の確率で死んでしまう。 ブリュンヒルドは生き残った。神の導きと、竜に育てられる。そして一人と一匹は深く愛し合う。しかし13年後、シギベルトが竜の命を奪い、彼の娘ブリュンヒルドを帝国に連れ帰った。ブリュンヒルドにとって最愛の父、竜を殺したのが実父であり、竜父の諌めを破り仇を討つ迄 続きを読む…
ネタバレあり -
日坂愛衣
53確かにこの物語は複雑過ぎる、そして渋い過ぎる。これは復讐の物語、これは努力が必ず報われない物語、これは永遠のために永遠を失った物語、でもやはりこれは”あなたさえいれば、私は大丈夫”の”愛”の物語と思う。 続きを読む…
ネタバレあり -
オセロ
51竜が護る島エデンで白銀の竜の血を浴びて竜の子になった少女・ブリュンヒルド。そんな彼女の育ての親である白銀の竜を殺した、竜殺しの一族で実の父・シギベルトへの復讐を描いた物語…。 兄・シグルスやシギベルトの友人のザックスと打ち解けて、平和な日常を過ごすブリュンヒルド。白銀の竜の教えを思い出しつつも復讐の炎に燃えるブリュンヒルドが緻密に計画された復讐計画を実行に移す壮絶なラスト。決してハッピーエンドではないかもしれないけれど、子供が親を思う気持ちにはグッとくるものがありました。 続きを読む…
ネタバレあり -
よっち
47伝説の島エデンに取り残され生きのびた竜殺しの英雄シギベルトの娘ブリュンヒルド。島を守る竜に育てられ愛された娘が、竜を殺したシギベルトへの復讐を誓うファンタジー。十三年後、シギベルトにより遂に竜の命は奪われ、帝国に保護されて軍属となったブリュンヒルド。シギベルトの友人のザックスや兄シグルスと交流を重ねて少しずつ変わっていった彼女は、愛した竜と交わした正しさと赦しを望んだ約束と、その愛ゆえに滾り続ける復讐の想いに葛藤しながら、果たして最後に後悔しない選択ができたのか…その何とも深い結末が印象に残る物語でした。 続きを読む…
ネタバレあり -
starly
46竜に育てられた主人公、ブリュンヒルドが竜と暮らしていただけなのに侵攻して来た敵に竜の命が奪われ死別。復讐を誓った愛がテーマの報復となる物語。 とても好みな設定の話しなのに【ヴァイオレット・エヴァーガーデン】を連想。作者の方はこの方に憧れを抱いてるのできっと自然とそうなってしまったのだろうかと思った。が、やはりもっと連想させないような今までなかった死亡名が出ない方のオリジナリティで愛を紡ぐテーマの作品で読みたかった。竜の愛と彼女の愛のすれ違い、分かち合いが出来ずに一人と一匹が引き裂かれてしまったのは切ない 続きを読む…
ネタバレあり
みんなのラノベまとめ
製品情報
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レーベル
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発売日2022/06/10
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定価704円(本体640円+税)
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ISBN9784049142167
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
”愛する者の言葉”か”胸に宿した復讐”か。2つの想いが信念を揺さぶります
たとえ肉親であっても彼女の目には「親の仇」にしか映らず、彼もまた実の娘が竜に育てられていたことを蔑みます。父と娘の関係を築くには、あまりにも長すぎた空白の期間。再会を果たした実の親子が憎しみあう。こんな悲しいことがあってよいのでしょうか……?
ですが兄・シグルズさんとの出会いが、彼女の心を動かします。彼も父親から認められないことに劣等感を抱く少年。生まれ育った環境や価値観が異なる兄妹は感情をぶつけあい、本音で語り合うなかで、お互いのへ理解を深めていきます。
かつて竜は彼女に「他人を憎んではならない」という言葉を残しました。優しい人間もいることを知りつつあるブリュンヒルドさんが、このまま打ち解け合える人々と幸せに暮らせますように。そう願いたくなりますが……。
愛する者の言葉か、それとも胸に宿した復讐か。重厚なドラマに心揺さぶられてしまう小説ですよ!
電撃小説大賞《銀賞》受賞作! ストイックな雰囲気に引き込まれるッス!
人間たちは竜を殺して肉を食べ、竜の油は燃料として使い、竜が護る島の宝を、高く売りさばこうとする。まさに私利私欲の為だけに竜を脅かす存在ッス。けれど、もちろん竜だって黙っていないッスよ。その圧倒的な力で、襲い来る人間たちを次々と返り討ちッス。
でも人間の怖いところは、進化のスピードなんスよ。竜に負ける度にさらに強力な武器や科学兵器を開発し竜に挑む。これを繰り返すことによって『カノン砲バルムンク』みたいな竜の鱗を軽く貫通させる兵器まで編み出すんスよ。人間の技術力と竜の未知なる力の戦闘は圧巻ッスね!
そして、ついに人間による侵攻は本格化するッス。科学兵器の力によって、竜は人間に狩られる立場になってしまったッス。私としては悔しい気持ちもあるッスけど、竜にとっては死はなにも恐れることではないんスよ。
竜たちがその存在を信じる『永年王国』は、誰も恨まず、尊重しあって生きた者だけが死後に行くことが出来る場所ッス。竜と人間は死生観からして違うんスよ。めっちゃ深いッスね! 本作のストイックな雰囲気に、引き込まれてしまったッスよ!