【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はスニーカー文庫から10月1日に刊行される『あの頃イイ感じだった女子たちと同じクラスになりました』(著者:御宮 ゆう/イラスト:えーる)です。みなさんの感想も聞かせてください!
皆さん、学生時代の「あのとき告白しておけば上手く行ったんじゃないか」という瞬間はありませんか? 僕はいくつかあるのですが、その後悔はいつまでも残ります(だって、中学時代のそれを20代後半になった今でも思い返しているのですから)。でも、実際に告白したとしても、イイ感じではなくて、単純にその女の子が分け隔てなく優しいことを勘違いしていた、というオチだったりしそうですが……。
それはさておき。十何年も引き摺るほどの出来事ではあるけれど、当時は恥ずかしさで胸がいっぱいいっぱいになり告白できなかった、なんてシチュエーションは皆さんも抱えたことがあるはず(ありますよね?)。そんな未練を解消できるチャンスが訪れるのが、個人的に本作がとても刺さったところでした。
ただ、本作では「イイ感じになったことのある女の子」が一人だけじゃないのです! すごいな吉木涼太! 小学校時代と中学時代、そして今。イイ感じになっていた/イイ感じになっている女の子を前に、自分の気持ちを確かめる……という展開がもう甘酸っぱくてたまりません。もし自分がこの立場だったら恥ずかしすぎて爆ぜてしまいます。というか羨ましすぎる。
自分にだけ素を見せてくれる幼馴染に、ラフに話しかけてくれるギャル。そしてマイペースな塾仲間! こんなにタイプの違う女の子たちの中から、果たして涼太は誰を選ぶのか……。読んでいる最中にも、「いや、もう付き合えますやん。好感度もうマックスですやん」とツッコみたくなること必至なのですが、自分の過去と照らし合わせて読んでみると面白い一冊でした。
――自分なら恥ずかしくて気持ちへ向き合うことができないので、涼太はえらい!
文:太田祥暉
ざっくり言うとこんな作品
1)過去、イイ感じだった女子と再会して、再びチャンスが訪れるという誰もが憧れる展開が描かれる!
2)過去、イイ感じだった女の子は一人だけじゃない!? 今自分が好きな相手に向き合う、細かい心理描写が尊い!
3)どのヒロインも、主人公に気を許している雰囲気が。その甘酸っぱさが爽快!
主要キャラ紹介
▼二階堂麗美(にかいどう れみ)
小学校卒業前に引っ越してしまい、疎遠になっていた幼馴染。高校一年生の春、涼太の通う高校に転校してきた。
▼花園優佳(はなぞの ゆうか)
中学時代に通っていた塾の同級生。掴み所がないマイペース女子。
▼柚葉由衣(ゆずは ゆい)
クラスの中心的ギャル。涼太とは中学からの付き合いで、気の置けない友人。
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あの頃イイ感じだった女子たちと同じクラスになりました
著者: 御宮 ゆう イラスト: えーる
あと一歩、告白できなかった君へ。未練と後悔を救う青春ラブコメ!
吉木涼太には、かつて“イイ感じ”の雰囲気になった3人の女子がいる。
疎遠になっていた小学生時代の幼馴染・二階堂麗美。気の置けない女友達ギャル・柚葉由衣。マイペースな塾仲間・花園優佳。
あのとき、勇気を出して告白していたら。
高校1年の春、そんな未練が動き出す――この4人が、同じクラスに集まった!
かつて涼太と両想いだった彼女たちは、無人の教室で、放課後の街デートで、夜の自宅で……今の彼の気持ちを探るために急接近!!
「涼太がいてよかった」「好きだよ、吉木との時間」「また仲良くできるかなって」
信頼、愛情、憧れ――胸にしまっていた気持ちが、再び熱を帯びていき!?