【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は9月30日に刊行される『傭兵団の愛し子 ~死にかけ孤児は最強師匠たちに育てられる~』です。みなさんの感想も聞かせてください!
子供は宝だ。
《激獣傭兵団》というちょっと怖そうな名前の傭兵団に拾われたウィルという男の子がたどった運命を見れば分かる。毒草を食べて死にかけていたまだ5歳のいたいけな男の子を、世界で5本の指に入る剣士のベゴニアが見つけ助けた。規律に厳しい副団長がウィルの入団を認めたのは、問題児ばかりの団員に苦労している副団長をウィルが子供らしい純粋さでなぐさめたから。
これが15歳くらいのヒネたガキだったら、ベゴニアは気にとめず副団長も即座に叩き出していただろう。百戦錬磨の傭兵団がただウィルを売り飛ばしたり孤児院に預けたりせず手元に起き続けるのはちょっと不思議。そこに、ウィルが持つ子供としての可愛さを超えた不思議な魅力がある。
傭兵団に置いてもらうためのテストで、普段の優しげな雰囲気からかけ離れた殺気を放つベゴニアにひるまず剣をふるいつづける根性はとても5歳とは思えない。魔法を使うために必要な魔力を感知するというステップも、ベゴニアが3ヶ月かかったところをたった1秒でやってのけた。スライムとゴブリンを召喚して眷属にしてしまったのもすご過ぎだ。
こうなるとウィルがいったい何者なのかという興味が湧いてくる。百戦錬磨の師匠に育てられ、世界をひっくり返すような大物になるのでは? そんな想像も浮かぶけれど、とりあえず今は傭兵団では最弱のウィルが、一生懸命に考え頑張って行動する姿を団員たちといっしょに愛でよう。そして子供を守りたいという気持ちを育もう。
文:タニグチリウイチ
ざっくり言うとこんな作品
1)王道成り上がりファンタジー
2)傭兵団メンバー(=師匠)とウィル(=弟子)の絆に注目
3)最強の師匠たちに育てられた最強の弟子
主要キャラ紹介
ウィル
路地裏で死にかけていた孤児の少年。親譲りの膨大な魔力を持つが、本人に自覚はなかった。見習いとして王国最強の《激獣傭兵団》に仮入団し、才能を開花させていく。
ベゴニア
《激獣傭兵団》の剣士。二つ名は《天剣》。剣の実力は世界でも五指に入るほどの凄腕。路地裏で倒れていたウィルの才能を見抜き、傭兵団に迎え入れる。
シルク
《激獣傭兵団》の召喚士。二つ名は《幻獣姫》。危険度Sランクの魔物・フェンリルを使役する。弟子になったウィルをかなり可愛がっており、彼を害する者には容赦しない。
ロック
《激獣傭兵団》の団長。二つ名は《激獣》。魔力を運用する基礎技能の達人で、理不尽なまでの強さを誇る。強面とは裏腹に陽気で心が広く、幼きウィルを優しく教え導く。
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傭兵団の愛し子 死にかけ孤児は最強師匠たちに育てられる
著: 天野 雪人 画: 黒井ススム
――そして少年は世界を震撼させる!
幼きウィルは誰も頼れる人がいない孤児だった。貧民街の片隅で死にかけていたが、偶然通りかかった傭兵に命を救われる。ウィルは生きるために傭兵団への入団を希望。合格不可能な入団テストを課された――はずが才覚を認められ、王国最強の傭兵団に仮入団することになり!?
さらにウィルは生まれつき膨大な魔力を内に秘めていたことが発覚! 家事雑用をこなす傍らで特訓を始めたウィルは、世界最高峰の実力者である団員たちの教えを受けて【召喚士】の才能を瞬く間に開花させてゆく。その破格の資質により、気づけば団員たちや他国の強者からも一目置かれるようになり――!?
無敵の師匠たちに育てられた規格外の弟子による最強成長ファンタジー!