「それよりもっと優先すべきことがあるんだ。だからこれ以上アシュリーが怯えて、口を閉ざしてしまうほうが困る」
(……よかったわ!)
いずれ話してもらうと言外に匂わせているし、優先すべきことが何なのかわからない。けれど、とりあえず助かったのだ。
脱兎のごとくクライドから離れた。部屋の隅で深呼吸して気持ちを落ち着かせる。
そんなアシュリーを見ながら、クライドが説明を始めた。
「およそ二百年前、当時の王子一行が北の山中で黒狼を見つけた。それ以来、王室から頼まれてサージェント家が世話をしている。サージェント家は王室の縁戚で、代々魔術師を輩出するほどの名門だから。だが見つかってからすぐ黒狼は眠りにつき、今もずっとこの調子だ。二百年間、飲まず食わずで生き続けている。魔族の生命力を見せつけられるよ」
(そうだったの……)
ずっと眠り続けているなんて。胸が締めつけられた。
(でも、どうして?)
瘦せてあばら骨が浮き出ているが、その割りに毛並みはいい。病気やひどい怪我を負っているようには見えない。
では精神的なものが原因なのか。味方が全滅して、覇気を無くしてしまったからなのか?
そこで、ふと思いついた。
「黒狼様が生きているなら、他にも魔族の生き残りが──!」
「いない。黒狼が見つかってから、王室は他に魔族が残っていないか、国の端から端まで捜させたんだ。結果は一匹も見つからなかった。生き残っている魔族は、この黒狼だけだ」
「そうですか……」
けれど黒狼が生きていただけで奇跡だ。それだけで充分だ。
「滅んだ魔国の資料はどこにも残っていない。だからわかっているのは、これが『黒狼』であるということだけだ。生態などは何もわからない。──俺はね、ずっと眠ったままの黒狼を起こしたいんだ」
「えっ?」
「今までこのトルファ国だけでなく、他国に伝わる覚醒魔法や起床魔法なども試してみた。意識がはっきりしたり、目覚めにいいとされる薬も使ってみた。だが黒狼は起きない。反応すらしない。だから正攻法以外を試してみたいんだ。黒狼のことを知っているアシュリーなら、何か思いつくんじゃないか? どんなに常識外れなことでもいい。協力してくれ。頼むよ」
クライドの表情も口調も真剣そのものだ。
なぜそこまでして黒狼を目覚めさせたいのか、疑問に思った。
黒狼が起きてくれるならアシュリーは嬉しいけれど、クライドはそうだと思えない。
六百年前、大勢のトルファ国民が魔族に殺された。人間たちは今も魔族を敵だと思っている。クライドは王族で国を率いる立場だから、そういった悪感情は人一倍だろう。
それにクライドは勇者の子孫だ。勇者は兵士たちの先に立ち、命を張って戦っていた。彼が魔族に持つ憎しみの深さを、前世で目の当たりにしたアシュリーはよく知っている。
そんな勇者とクライドの姿が重なる。だからこそ怖いのだ。
(本当にどうしてなの?)
もしや黒狼が目覚めた後で、命を奪うつもりなのか。ゾッとした。けれどそのつもりなら、目覚めるのなんて待たずにとっくにそうしているだろう。
では何かに利用するつもりなのか。黒狼の強大な魔力や攻撃力を、トルファ国のために。何しろたった一頭だけ生き残った伝説の魔族なのだ。
どう利用するつもりかはわからない。けれどそれはいいことに、ではない気がする。
悪しき実験に使ったり、死ぬまで兵器として利用するつもりかもしれない。
(そんなの駄目……!)
強く思った時、クライドが言った。
「国王や王室関係者たちは一貫して、黒狼を厄介な危険分子だと認識している。ただ今は、生態がわからないから下手に触らず放置しておくべきだ、という穏健派が宮殿で力を持っているんだ。だからここに放って寿命が尽きるのをただ待っているけど、明日にはどうなるかわからない。もし過激派が数で勝ったら、すぐに黒狼を殺しにくるだろう」
(とんでもないわ。それこそ絶対に駄目よ!)
足元からおぞましさが上ってきた。
黒狼が利用されるのも嫌だが、このまま殺されてしまうなんてもっての外だ。
やはり魔獣はトルファ国にとって憎い敵でしかないのだ。そう痛感すると同時に、なんとしてもまずは黒狼に起きてもらわないと、と心から思った。
アシュリーの視線の先で、黒狼は固く目を閉じている。
かつての同胞。今、この世界に黒狼の味方はいない。アシュリーだけだ。
前世の黒ウサギは何の力もなくて、すぐに死んでしまった。今もただの人間で、特別な力はない。
けれど今度は、今度こそ自分が仲間を守るのだ。
そう決意し、体の脇で両手をギュッと握りしめて言った。
「わかりました。協力いたします」
「よかった。よろしく頼むよ。早速だけど、何か方法を思いつく?」
クライドの後ろで、ジャンヌとハンクが疑わしそうな顔をしている。突然やってきたアシュリーが、知るはずのない黒狼や瘴気について言い当てたのだから当たり前か。
「アシュリー様はどうして黒狼のことを──」
と言いかけた二人を、クライドが目線で制した。
ハンクが素直に口を閉じ、ジャンヌが悔しそうな顔をした。
アシュリーは黒狼のため、一心に方法を考えた。
正攻法では無理だったと言っていた。
それでは例えば、クライドたちが知るはずのない、黒狼の好きなことをしてみたり好物を与えてみたりすればいいのか。そうすれば目覚めてくれるだろうか。
必死に記憶を掘り起こす。凜々しい黒狼は下級魔族たちの憧れだった。丸い月の下、他の黒ウサギたちと人参を囲んで夕食会をしている時など、よく話題にあがったものだ。
(黒狼様の好きなこと──)
「そうですね。全身をブラッシングしてみるとか?」
「はっ?」
クライドと魔術師たちの呆気に取られた声が、見事に重なった。『常識外れなことでもいい』とは言ったものの、さすがに予想外過ぎたらしい。
「凶暴で恐ろしい魔獣を……?」
「ブラッシング……?」
「はい。丁寧に優しく」
手先が器用な黒ゴリラに、黒狼が全身の毛をとかしてもらっていた光景を思い出す。気持ちよさそうに目を細めていたっけ。
懐かしくて思わず微笑むと、ジャンヌが顔を歪めた。
「アシュリー様、ふざけているんですか! 伝説の魔獣なんですよ? そこらを走っている犬じゃないんです!」
「私はとても真剣です」
心外である。そんなアシュリーに、クライドは眉根を寄せて考えていたが、
「よし、そうしてみよう」
途端にジャンヌが目を剥いた。
「お待ちください! あまりにもふざけ過ぎています!」
「わかってるよ。でもこの四年間なんの進展もなかった。今はアシュリーの言うとおりにしてみよう」
ジャンヌが悔しそうに唇を噛みしめた。
「よし。じゃあ早速──」
「あっ、ちょっと待ってください!」
アシュリーはクライドの言葉を止めた。思い出したことがあるのだ。
一同が注目する中、ゆっくりと黒狼の前へ進み出た。目を閉じる黒狼は、六百年前と同じ顔つきだ。
(黒狼様。私です。黒ウサギです)
心の中で話しかけた。上級魔族はこうして人間が言葉で話す代わりに意思の疎通をするのだ。
(どうか目覚めてください。このままだと命が危ないんです。お願いです、また二度と会えなくなるなんて嫌です)
懸命に訴えるも、黒狼はぴくりとも反応しない。三角の耳もふさふさの尻尾も、力なく垂れたままだ。
(やっぱり無理よね)
前世も今世も、なんの力もないアシュリーには。
落ち込んで振り返ると、唖然とした様子でこちらを見つめるジャンヌとハンクの姿があった。残念だという思いをこめて告げる。
「無理でした」
「──何がですか!?」
突然黒狼の前に進み出たかと思えば黙って突っ立ち、挙句の果てに寂しそうな顔で「無理でした」と告げられても、なんのことか理解できないだろう。
その隣で、同じく呆気に取られていたクライドが面白そうに噴き出した。
アシュリーは構わず中庭へ向かった。洗い場の脇に、道具の入った革袋があるのが見えたからだ。その袋を持ってきて、中を探る。数あるブラシの中から、柔らかめのものを手にした。
(黒狼様のお体をブラッシングできるのね!)
嬉しがっている場合ではない、早く黒狼を起こさないと殺されてしまう。そうわかっていても、前世では近づけもしなかった憧れの存在に触れられるとなると、感動に胸が高鳴る。
オークの柄に豚の毛がついた獣毛ブラシ。それを持って、いそいそと黒狼の脇腹の横に座った。
黒狼はおよそ体長百五十センチ、体重四十キロである。以前はもっと筋骨隆々だったけれど、かなり瘦せてお腹のあたりはあばら骨が浮いている。胸が痛くなった。
丁寧にブラッシングしようとした瞬間、すぐ隣にクライドが片膝をついた。
「……!?」
油断していた。ブラシを手にしたまま固まる。
「不用意に近づいたら危ないよ。眠ってはいても凶暴な魔獣だ。俺がやるから、アシュリーは離れたところで指示だけ出してくれればいい」
「……いっ、嫌です」
「えっ?」
「自分でしてみたいんです……」
「自分で? ──へえ。じゃあ、俺はここにいるよ。婚約者に何かあったら大変だからね。守らないといけない」
明らかに怪しまれているとわかっていても、不器用なアシュリーにはこれ以上上手く言うことができない。
(黒狼様のためよ。我慢よ。我慢するのよ、私)
ブラシを握りしめたまま恐怖に耐える。ふるふると震えながら、必死に宮殿で助けてもらったことを思い出した。
(それに今から黒狼様にブラシをかけられるのよ。憧れだった黒狼様に!)
黒狼の毛におずおずと触れた瞬間、感激からクライドへの恐怖が薄まった気がした。
天にも昇る心地で、毛の流れにそってゆっくりとブラシをかけていく。瘦せてしまったけれど、毛は変わらずふさふさしている。まさにモフモフだ。
(まさか人間に生まれ変わってから、お体に触れられるだなんて。奇跡だわー!)
恐ろしい魔獣に、怖がることなく嬉々として接するアシュリーに、クライドが興味深そうに聞く。
「魔獣が怖くないのか?」
「はい。怖くありません」
心のままに満面の笑みを向けてしまい、目が合った。またも身が竦む。
勢いよく顔をそらしてから、しまったとハッとした。こんなことをしては、さらに怪しまれてしまう。
恐る恐る視線を元に戻すと、クライドはまだアシュリーを見つめたままだった。面白がっているような表情のままにっこりと微笑まれて、泣きたくなった。
今すぐ廏舎の外へ逃げたい。せめてクライドから離れたい。
だが黒狼を起こすためだし、ブラッシングできる機会なんてもうないかもしれない。
(我慢よ、我慢……!)
怯える心を抑えこみ、アシュリーは一心にブラシをかけ続けた。せっせと、しかし丁寧に長い毛をとかしていく。そこで、ふと気がついた。
(あれ──?)
憎い敵だから、てっきり放っておかれていたのだと思っていた。
それなのに、やけにブラシの通りがいい。目視でも、ノミなどの寄生虫もいない。そっと毛をかき分けてみたが地肌も綺麗だ。それどころか石けんの香りすらする。
クライドたちがこまめに全身を洗っている、ということか?
(利用しようとしているはずなのに?)
疑問に思った。けれどそれを確かめるには、クライドと会話をしなければならない。それは無理だ。
疑問を心の奥にしまい込み、どうか起きてください、黒狼様、と心の中で祈りながら続けた。
やがて黒狼の毛がツヤツヤしてきた。太くてコシのある獣毛、一本一本が輝くようだ。
それでも目覚めるどころか、反応は一切ない。
(お好きだと思ったんだけど……)
魔国で毛をとかしていた黒ゴリラには、黒狼は歯をむき出しにした、とてもいい笑顔を見せていたから。
「反応しないな」
「わかっていたことではありませんか。こんな馬鹿げたことで目覚めるはずがありません!」
ジャンヌのきつい声が聞こえた。
(やっぱり駄目なのかしら)
気落ちした時、かすかに手に反応を感じた。ほんの一瞬だったけれど、ブラシ越しに黒狼の腹がピクッと動いたのを感じたのだ。
「今! 今、動きましたよ!」
興奮して声を上げると、クライドたちが疑わしげに顔を見合わせた。
「そうか?」
「私は気づきませんでしたが?」
「俺もです」
二百年も眠り続けていたのに、これくらいで反応するかと、懐疑的な口振りである。
けれど動いた。確かに反応があった。興奮冷めやらず、アシュリーは次の提案をした。
「次にいきましょう! お風呂に入れるのがいいと思います」
黒狼は湯につかるのも好きだった。当時の魔国には温泉が噴き出す地域があり、そこに魔王や配下の魔族たちとよく入っていたのだ。
「魔獣を……?」
「風呂に入れるんですか……?」
「そうです!」
笑顔で頷いた瞬間、少しよろけた。夜明け前から活動していたから、疲れたのかもしれない。そう思った瞬間、クライドに肩を支えられた。
「大丈夫か?」
(ひいっ!)
目の前にある鮮やかな緑色の目と、力強い手の感触。悲鳴こそ上げなかったものの、クライドの手を振り払い飛び退いてしまった。
(ああ、しまったわ……!)
黒狼を助けるためにも、これ以上怪しまれたくないのに。
葛藤するアシュリーに、クライドが苦笑した。
「もう夜が明けたな。色々あったから、アシュリーは疲れたんだろう。一度母屋に戻って朝食と休憩をとってから、この続きをしようか」
確かに疲れてはいるけれど、黒狼のことが最優先である。
先ほど確かに反応した。もっと側にいたい。黒狼をお風呂に入れて喜んでもらいたい。
アシュリーは頑張ってクライドに言った。
「私は大丈夫です。続けましょう」
「無理しなくていいから。そうだ、俺が母屋まで送っていくよ」
「いっ、いいえ! このままで大丈夫です!!」
二人きりで母屋まで送ってもらったら、途中で倒れる自信がある。
ここでクライドと一緒にいるのも恐ろしいけれど、まだジャンヌとハンクがいる。迷う余地はない。
「──そう。じゃあ、よろしく。疲れたら言ってね」
含みのある顔でにっこりと微笑まれ、アシュリーは唾を飲み込みながら頷いた。
その状況を興味津々で見つめるハンクに、クライドが言う。
「黒狼を風呂に入れればいいんだな。たらいでいいか。確か、ここの二階の物置にあったはずだ。ハンク、取りにいくぞ」
「はいはいー」
中庭の端にある階段を上るクライド。その後を、ハンクが楽しそうについていく。
残されたアシュリーはホッと息を吐いた。クライドから離れられて、ようやく安堵した。
その様子に眉をひそめていたジャンヌが、乱暴な足取りで中庭へ向かった。井戸へお風呂用の水を汲みにいくとわかったので、アシュリーは手伝おうと後を追った。
「ジャンヌさん、私もお手伝いします」
「いえ、結構です」
「遠慮しないでください」
「遠慮なんてしていません!」
振り返ったジャンヌが苛立たしげに聞く。
「クライド様のお側に行かれないんですか? 私の手伝いをなさっても、クライド様の歓心は買えませんよ」
クライドの歓心だなんて、考えるだけで寒気がする。
「私はジャンヌさんのお手伝いがしたいんです」
ジャンヌが目を吊り上げた。
「わざとらしく、興味がないふりをなさっても無駄です。そんなの、すぐにばれますから!」
ふりではない。本心である。けれど理解してもらえるとは思えない。
諦めて遠くを見るアシュリーに、ジャンヌがこれまでと違う低い声を出した。
「魔獣をお風呂に入れるなんて本気ですか?」
「はい。本気ですが」
「常識的に考えておかしいと思いませんか? 恐ろしい魔族なんですよ? 別にいつ命を落としたって構わないし、死なないだけの最低限の世話だけして放っておけばいいんです」
これが普通の人間の考え方なのだ。わかっていても無性に悲しくなった。
しゅんと肩を落として落ち込みかけて、黒狼の毛並みが妙に綺麗だったことを思い出した。改めて周りを見てみれば、馬房内にはゴミが一つも落ちていない。床はぴかぴかに磨かれ、壁も側溝も掃除が行き届いている。
(中庭は雑草がたくさん生えていたし、手前の何もいない馬房はほこりだらけだったのに)
三人では手が行き届かないのに、ここだけは綺麗に保っているということだ。
なぜ? と思い、口を開いた。クライドには怖くて気軽に話しかけられないけれど、ジャンヌになら大丈夫だ。
「黒狼様は恐ろしい魔族なんですよね?」
「そうです」
「だから最低限のお世話しかしていないんですよね?」
「そうですったら!」
「でも、この馬房はぴかぴかですよ?」
「……昨日、たまたま掃除をしたばかりなので」
「でも、この馬房だけですよ? しかも壁や側溝の隅っこまで、とても綺麗です」
「……」
「それに黒狼様の毛もツヤツヤしてましたよね。寄生虫もいないし、皮膚も綺麗だし、爪も伸びていません。あっ、体の毛も長さが揃っていました」
ジャンヌがさらに低い声で、まるで呻くような声で言った。
「──非難のおつもりですか?」
「えっ?」
「黒狼を起こせないのに余計なことばかりして、と責めておられるのですか──?」
怒っているようにも悲しんでいるようにも、どこか怯えているようにも聞こえる。
ジャンヌの言葉の意味もよくわからない。
けれど何より、そんなふうに言われたことに驚いた。アシュリーは思わず大声を上げていた。
「そんな、まさか! びっくりするようなこと言わないでください!」
「……えっ?」
「すごいな、と感心したんです。ジャンヌさんたちは忙しそうなのに、黒狼様のためにここまでしてあげて、素晴らしいことですよ!」
ジャンヌたちにとっては黒狼は恐ろしい魔獣で、敵でしかないはずだ。それなのに頑張って、ここまで綺麗にしてくれている。それだけでもすごいことなのに。
「私はとても嬉しいです。それに黒狼様も、絶対に喜んでおられるはずです!」
黒狼は綺麗好きで、こまめに毛づくろいをしていたから。
彼らの目的は気になるけれど、黒狼の環境が決して悪くない、いや、むしろとてもいいことに安心した。
ジャンヌは呆気に取られていたが、やがてきつく唇を噛みしめた。今にも泣きそうな顔になる。
(どうしたのかしら?)
変なことを言ったかな、と心配になった。
そこでジャンヌの長い金髪がかすかに揺れた。白い耳がちらりと覗く。
(あれ?)
ジャンヌの耳に金のイヤリングがついている。重要なのはその形だ。ただの丸かと思ったら、ちょっと違う。全体的には丸いけれど、上に二本長い耳のようなものが突き出している。あれはウサギの形ではないか。