提示された依頼の中で、報酬額が一番高かったのが、これだった。
きみたちはお金持ちの依頼人から、首飾りの捜索を頼まれたが、これが想像以上に難題だった。
普通に泥棒に盗まれただけでも、盗品の捜索は難航しただろう。けれど、この事件の裏には、お金持ちの家庭内の問題が絡んでいて、怪しい人物が何人も存在し、それぞれが事件解決に非協力的だったものだから、ギステルドたちにとっても解決は困難だった。
結局、捜索には一週間以上の時間が必要で、お金持ち一族の骨肉の争いを見せられることとなり、心身共に疲れ果てることとなった。
「全員頭をぶん殴って白状させれば早かったんです!」
事件解決後の食事会で、ジョーは頬を紅潮させて盛大にぼやいた。裏表のない性格だけに、かなりストレスの溜まる仕事だったのだろう。
「嘘を見破る魔法、ちゃんと勉強しておくんでしたわ」
タラサも深くため息をついている。
「首飾りが見つかったのはよかったが、こうも疲弊するのでは、報酬に見合っているかは微妙だな」
グビリと酒を飲むドワーフを見て、きみは「もし首飾りが見つからなかったらどうなっていたんだろう」と、怖い想像をしてしまった。
幸い、悪事に荷担するような仕事ではなかったものの、極端に報酬が高すぎる仕事には、それ相応の苦労があることを学ぶことができたのだった。
→ シチュエーション03へ進む