
あらすじ紹介
”聖女の奇跡”と”勇者の復活”――。
2つの「神秘」を巡る異世界ミステリ!!!!!
第13回講談社ラノベ文庫新人賞 <優秀賞>受賞作
<魔王>の出現によって滅亡寸前まで追い込まれた人類。魔王を倒し、世界を救ったのは<勇者>だった。
人類は二度と同じ過ちを犯さないため、常時複数の勇者を備えておく『勇者認定保護制度』を法案化し、魔王復活に備えることに。
そして時は流れて現在――。
魔王の脅威はおとぎ話となった時代、王国勇者認定官のミゲルは相棒のディアとともに、勇者を探すため諸国を巡っていた。
そんなある日、ミゲルは「魔王を倒した勇者の生まれ変わり」である<聖勇者>の噂を耳にする。調査のため鉱山都市フェリシダを訪れたミゲルが目にしたのは、<聖勇者>の少女が起こす奇跡の数々で!?
”奇跡”と”勇者復活”を巡る異世界本格ミステリ、ここに開幕――!
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みんなからのレビュー
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真白優樹
14魔王が蹂躙し勇者が下し百年が経過したとある王国で、奴隷の少女と共に次代の勇者を探す少年が、鉱山街の聖勇者に出会い始まる物語。―――形骸の裏の偽善、下すは消せない脅威だけ。 スパイ要素もある異世界のミステリーと言った感じの物語であり、時々不覚を取って窮地に陥りながらも、幾つかの事件が繋がって描かれる大きな事件の絵図に立ち向かっていく、割と骨太なミステリーが楽しめる物語である。世界から秘された脅威である二人は、次代の勇者を見つけられるのか。いつか終わるかもしれぬ関係の行方とは。 次巻も勿論楽しみである。 続きを読む…
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寿こと
13イラストにつられて試し読みをして、世界観が気に入って購入しました。 RPGで勇者が魔王を倒した後の話という感じでスタートします。 次に魔王が復活した時の為に常時勇者を用意しておこうと国が考えた結果、勇者だらけになり(しかも手当あり)、百年もすれば、手当必要?そもそも勇者必要?という状況になっているのが物語の冒頭です。 タイトルになっている勇者認定官は、その名の通りにまだ見ぬ勇者を見つけて報告したり、手当貰っている勇者の監査を行ったりします。 続きを読む…
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八千
7勇者認定官のコンビが新興宗教のトリックを暴く「剣と魔法版TRICK」みたいなミステリーなのだが、ポップで可愛い表紙と挿絵のイメージで読むと結構予想外な感触。序盤は国家公務員あるある的なブラックコメディが濃く、聖勇者の謎を追うに連れて不穏な空気が増していき、最終的に明らかになる真相と結末はかなり重たい。とは言っても、ヘビーではあるものの大筋は王道の勧善懲悪を守っているので読後感は割と悪くない。ミステリー的には本格路線を期待すると物足りないかもだが、序盤の伏線をしっかり回収する手際は鮮やかで良き。 続きを読む…
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碧海いお
7講談社ラノベ文庫新人賞<優秀賞>ということなので、購入。ファンタジーの世界でミステリーという変わった内容。 あとがきを読んだら、税務署長の冒険の影響で書いたのかな?残念ながら、それは読んだことがありませんが。 タイトルからして、主人公はディアだと思っていたのですが、彼女と旅をしているミゲルが主人公みたいな描写でした。ただ、ミステリーとして微妙でした。 続きを読む…
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リク
5可愛い表紙に身を隠した底の深い物語。その辺もあとがきで語っていた経験から来るものなのかな? 魔王に備えた勇者制度、その認定官が遭遇する事件。制度を悪用して個人の懐を温かくするとか現代に通ずるものだし、よく考えられているなと。初めは実に小物な事件から、後半になるに従って闇が深くなっていくのも一冊の本として読み応えがあった。魔王より怖いのは人の欲望? 答えは制度が未だ続くことから明らかか。底知れぬ人の欲望を払いながら、二人は旅路で勇者を見つけることができるのか。 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2022/12/02
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定価748円(本体680円+税)
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ISBN9784065304884
パートナーのおすすめレビュー
『勇者』をめぐる異世界本格ミステリッス!
魔王によって壊滅状態にさせられた過去を持つとある王国。窮地に陥ってから慌てて勇者を探し始めたんスけど、後手後手の対応ッスよね。そこで王国が導入したのが『勇者認定保護制度』ッス! 魔王の復活に備えて、事前に複数の勇者を配備しておくって算段なんスよ。備えあれば憂いなしッスね。
そして物語の主人公・ミゲルは、勇者の資格を認定する『王国勇者認定官』ッス。まだ見ぬ勇者を探して国中を駆け回ってるんスけど、どうも大変そうなんスよ。
それもそのはず、魔王が現れたのは百年以上前のこと。今では、勇者なんて名ばかりの資格なんスよ。大富豪が勇者資格を金で買おうとしたり、虚偽の勇者申告で不正受給をもらったり……こっすい事を考えつくッスよねぇ。
だけど、それをたやすく見破っちゃうのがミゲルのすごいところッス! 死んだ勇者を隠して手当てをもらう家には、食べ物屋との取引記録を出して『一人分の食べ物が減った』事を突きつけるんス。最後には無縁仏の出た墓地にまで言及するから徹底的ッスね! 悪いヤツらをやりこめるミゲルの論破が痛快な物語ッスよ!
奇妙なコンビが挑む謎に最後の最後まで目が離せません!
認定官の肩書を持つディアさんですが、仕事の方はさっぱりなんです。研修は「寝てました」で、勇者の基礎的な知識も「忘れましたー」なんて良い笑顔で押し切るのですから……ミゲルさんも手を焼いているようですね。代わりに彼女は、ミゲルさんについていってご奉仕するのを自分の仕事と言うんです。しかも彼のことを「飼い主」とまで呼ぶのですから、驚きですね! 「人間得意なことをやるのが一番」と笑う彼女には、癒されちゃいました。
そんな二人は、<聖勇者>の奇跡についての噂を聞きつけます。ある町の教会にいるのは、どんな病気でも治してしまう、ありがたい奇跡の勇者。聞けば伝説の勇者の生まれ変わりとのことですが、ミゲルさんはなにやら怪しんでいる様子ですよ。これは事件の予感がしますね……。
真面目な『王国勇者認定官』と、天真爛漫な自称奴隷少女の奇妙なタッグ。今回挑むのは、『奇跡』と『勇者復活』の謎です。散りばめられた伏線が回収される最後の最後まで、目が離せません!