あらすじ紹介
「準備はいいか? いまからきみは、史上最悪の死刑囚と話をすることになる」
数年のうちに89人を殺害した死刑囚・風見多鶴。その犯行現場の美しさから彼女は、マーダーとアーティストをかけ合わせ『マーディスト』と呼ばれていた。
彼女の逮捕後、社会問題となった信者たちが起こす模倣犯。多鶴はある人物との面会を条件に彼らの情報を引き渡す交渉を行い――指名されたのは平凡な大学生・夕木音人。彼の運命はこの対面から国家をも巻き込むものへと変貌していく!
「ようやく会えた。ねえ音人くん、私とゲームをしましょう」
予測不能のクライムサイコサスペンスが今始まる――。
みんなからのレビュー
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よっち
4189人を殺害した死刑囚・風見多鶴。犯行現場の美しさから『マーディスト』と呼ばれ、模倣犯が続く社会問題となるなか、彼女から情報を引き出す交渉役として平凡な大学生・夕木音人が指名されるサイコサスペンス。彼女との水平思考ゲームによって明かされる模倣犯たちの素性、行方不明となっている音人の姉の情報、そして音人を特別視する多鶴の真意。掴みどころのない多鶴が一体何を考えているのか、何かありそうな音人姉の行方含め未だ謎も多いですけど、多鶴の死刑執行が半年後に迫る中、この先どんな結末が用意されているのか下巻が楽しみです。 続きを読む…
ネタバレあり -
まっさん
25★★★ 89人もの人を凄惨な方法で殺害したカリスマ死刑囚・風見多鶴。猟奇的ながらもどこか美しさすら感じさせられる彼女の犯行現場からマーディストと呼ばれる彼女と、失踪した姉の行方を探す一人の平凡な少年が織り成すクライムサスペンス物でした。 マーディストと崇められる彼女を崇拝する信者による模倣事件を解決する為に主人公と死刑囚が水平思考ゲームを用いてそれらの事件の真相に迫る〜という構図でしたが、割と数多くの事件を題材にする為にパッケージから想像していた程の凄惨さは感じられませんでした。また、作中で度々行われ→ 続きを読む…
ネタバレあり -
アウル
24数年のうちに89人を殺害し犯行現場の美しさから『マーディスト』と呼ばれていた風見多鶴。彼女が逮捕後、信者による模倣犯が社会問題となっていた。多鶴が情報と引き換えに主人公と面会することとなるのだが...な話。水平思考ゲームもの。信者達による模倣犯がなかなかにぶっ飛んでるな。水平思考ゲームとしてはまあこんな感じになるよねって感じかな。主人公の姉の謎、主人公の変化など色々と解き明かされそうな下巻でどうなるのか気になる所だわ。 続きを読む…
ネタバレあり -
しぇん
18今のところ個人的に微妙。殺人事件の模倣犯達を捕まえていく話ですが、一事件一事件が薄くて、あんま心に残りませんでした。下巻で明かされる謎次第なんでしょうが、読むかは気分次第で 続きを読む…
ネタバレあり -
のれん
14元は電子連載されていたものでチャット形式の読みものを小説化したものらしい。 よって設定は普遍的だが、舞台と台詞の掛け合いがやや固定化されていて独特。展開は水平思考ゲームだが、出題者のヒントが強すぎてミステリとは到底呼べない。 殺人を羨望した模倣犯と、恐怖を感じる主人公が徐々に重なるサスペンスホラーが魅力。 主軸となる死刑囚は目的、心情、動機全てが不明で、そこが物語の中心になっている。よって上巻の評価自体もそこにかかっているわけで、なんとも言えない。 まぁ担当刑事が中々苦しんでる特典は良かったよ(笑) 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2021/12/24
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定価726円(本体660円+税)
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ISBN9784041122280
関連サイト
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公式サイト
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
死刑囚と普通の大学生による、『正解』へたどり着くためのゲーム!
女性死刑囚・風見多鶴の罪状は”大量殺人”。ショーウィンドウのマネキンを全て遺体にすり替え、別々の遺体をつなぎ合わせて飾ったり……遺体をアートのように飾るのが特徴なんだ。想像するだけで背筋が凍りそうだよね。
しかも、その犯行に感化された模倣犯たちまで発生するんだ。模倣犯の情報を握っている多鶴は、その提供相手に普通の大学生、音人を指名するんだよ。
提供の方法は水平思考ゲーム。「はい」と「いいえ」だけで答えられる質問だけで、正解を導き出す方法に彼は悪戦苦闘するんだ。
多鶴はゲームのなかでヒントを散りばめて、模倣犯の異常ともいえる殺害方法や思考を彼に考えさせるんだ。そして『正解』(=犯人の正体)に、音人自身の力でたどり着けるよう誘導していく。
質問を続ける過程で音人は、徐々に彼女の思考に侵食されていくような感覚に陥るんだ。まるで読んでいるこっちまで、くらくらしちゃうくらいそうだよ!
事件はやがて一つの終わりを迎える。それでもふたりのゲームは続いていく。ふたりの会話の怪しく不気味な雰囲気にやみつきになること間違いなしだよ!
人々を魅了する『マーディスト』が音人にだけ情報提供する真意とは?
華奢な体躯に穏やかな気性からは、殺人犯という事実とのギャップを感じます。しかし、訥々と告げられる過去の殺人の有様や、家族を盾に音人さんを脅す姿は底知れない不気味さを感じるんですよ。サイコクライムサスペンスのヒロインとして、これほど適役な方はいないのではないでしょうか?
ミステリアスな彼女は、模倣犯を生み出してしまうほどの強烈なカリスマ性も有しているんです。模倣犯は皆、熱狂的なまでに彼女を崇拝しています。遺体の四肢を人形とすげ替える『フィギュアメイカー』。交差点で四方に設置した椅子に遺体を座らせる『スクランブルチェア』。彼女を狂信的に信奉する過激派テロ組織『カタリスト』まで。
しかし、当の本人は模倣犯を歯牙にもかけず、それどころか、模倣犯の情報提供まで申し出るくらいなんですよ。さらには音人さんの行方不明のお姉さんの情報まで匂わせて、彼と接触を試みるんです。その理由は音人さんとただ対話したいだけ……のようなのですが本当なのでしょうか? 彼女の真意はどこにあるのか、気になってしまいますね。