
君は僕の後悔
中学時代の恋人、藍衣に再会した高校1年の結弦。自由な彼女が好きだったが苦しみもした。後悔を抱えた少年少女の、恋と対話の物語。
著者:
しめさば
(著者)
/
しぐれうい
(イラスト)
シリーズ:君は僕の後悔(ダッシュエックス文庫DIGITAL)
あらすじ紹介
浅田結弦には、後悔がある。
それは中学生時代の恋人、水野藍衣のことだ。
自由な藍衣が、好きだった。でも、彼女の自由さに、苦しんだ。
過ぎ去った中学時代の恋。
二人の恋はゆるやかに過去となり、思い出になってゆくはずだった。
しかし、高校一年の夏、藍衣は再び、結弦の前に姿を現す。
「結弦、好きだよ」
……以前と変わらぬ、むき出しの好意を携えて。
言葉にしないと伝わらない。でも、言葉だけでは分からない。
正反対の二人が、ぶつかり、すれ違い……ようやく見つけた答えとは。
後悔を抱えた少年少女の、恋と対話の物語。
みんなからのレビュー
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芳樹
74これぞ王道の学園青春ラブストーリー。自由奔放な藍衣が見せる一途さはとても微笑ましいのだけど、相手を顧みないところに怖さも孕んでいて、受けきれなかった結弦の気持ちも良く分かる。一方、「後悔」で先に進めない結弦にとって、薫の存在がとても大きかったですね。彼女にもぜひ幸せになって欲しい。素敵な物語でした。なお、野暮な話ですが、読了後の最初の感想は、こんなに想い合っている二人が、再会できなかったらどんな人生を送っていたのだろうか、ということでした。「この二人でいること」以外の幸せな姿が想像出来ない…。 続きを読む…
ネタバレあり
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よっち
49浅田結弦の中学生時代の恋人・水野藍衣。後悔を抱えながらもゆるやかに過去となり、思い出になってゆくはずだった高校一年の夏、藍衣が再び結弦の前に姿を現す青春小説。自由奔放なな彼女に惹かれ、振り回されることに苦しんだ苦い過去。以前と変わらない真っ直ぐな想いをぶつけてくる藍衣に戸惑い、どうしようもなく惹かれているのを自覚する結弦。周囲も否応なく巻き込んでゆく藍衣は台風のような強烈な存在でしたけど、覚悟を決めた結弦は意外と冷静で、そんな二人だからこそ周囲も呆れるお似合いの二人なのかなと微笑ましい気持ちになりました。 続きを読む…
ネタバレあり
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kid
40浅田結弦には、後悔がある。それは中学生時代に付き合っていた恋人、水野藍衣のことだ。自由奔放なところが好きだった。だが、次第に彼女の自由さに、ついていけず苦しむことに…。結弦から別れを切り出した。それが結弦にとっての後悔となっていた。高校一年の夏、藍衣は再び、結弦の前に姿を現す。結弦に対し藍衣は以前と変わらぬ、むき出しの好意をぶつけてくる。とまどう結弦。小田島薫の後押しあり、藍衣と向き合ことに。正反対の二人が、ぶつかり、すれ違い、始めから友達として…友達からやり直すことに。そんな光のラブコメ楽しかったです! 続きを読む…
ネタバレあり
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オセロ
38王道ならではの面白さを感じる作品でした。 浅田結弦のかつての恋人の水野藍衣に再会することから始まる恋物語。藍衣の自由奔放なところが好きなのに、自分と付き合うことで藍衣の自由を奪ってしまうと思い、一方的に別れを告げたことを後悔している結弦。 そんな結弦が友人の小田島薫に背中を押されて藍衣と向き合い、友達としてやり直す展開にはグッとくるものがありました。 続きを読む…
ネタバレあり
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わゆ
35「後悔」から始まり、「再会」によって動き出す、ちょっと苦くて、でも前向きになれる物語。主人公は中学校の時に付き合っていたヒロインを振り、彼女はその後転校。そのことに後悔を重ねていたが、時は現在、彼女が転校してくることで再会をする。本作は、この「後悔」にどう向き合い、どう消化し、昇華していくのかの物語だ。主人公が持つ激しい後悔の念は深い心理描写から痛いほど伝わるし、ヒロインの彼に対する変わらない気持ちもまた美しい。そして彼が「後悔」にぶつかる大きなキッカケを与えたサブヒロインも超魅力的。超オススメの1冊だ。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2021/07/21
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定価715円(本体650円+税)
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ISBN9784086314275
パートナーのおすすめレビュー
みずみずしい感性で描かれた、切ない少年少女の恋物語
結弦さんには忘れられない思い出がいくつもあります。
告白のとき、ほんのりと顔を赤らめる藍衣さんの動きに合わせて揺れる黒髪や、"雨のにおいがするから"と目を閉じて深く息を吸い込む藍衣さんの美しい横顔。
そして、別れの原因となった出来事も…。
自由奔放な藍衣さんにとって、デートの行き先を急に変更することは日常茶飯事。当日にキャンセル、なんてことも多々ありました。
はじめは彼女の気持ちに任せていた結弦さんですが、やがて振り回されることに疲れはじめていたあるとき、急に映画の予定をやめて流星群を見に行きたいと言われ、ついに自ら別れを切り出したのです…。
一方的に彼女を振った後悔を抱き続ける結弦さんの心を表すように、物語は現在と回想が混ざりながら展開していきます。
ふとした瞬間に付き合っていた当時を思い出す結弦さんを見ていると、彼にとってどれだけ藍衣さんの存在が大きかったのかが伝わってきて、読む人を切ない気持ちにさせます。
好きという気持ちだけでは一緒にいることは難しい。恋愛の複雑な気持ちを描いた小説ですね…。
等身大の高校生の悩みに共感しちゃいます!
だからよくない噂が流れちゃったこともあったみたい。けど、結弦くんはそんな藍衣ちゃんを肯定してくれたんだ~。周りに流されずに自分を見てくれた結弦くんだから、藍衣ちゃんも好きになったのかもしれないね。
だけど改めて再会した藍衣ちゃんが結弦くんに好意を伝えても、彼女を振ったことを後悔している結弦くんには上手く伝わらないばかりか、ウジウジと悩ませちゃうの。
そんな彼に喝を入れてくれる薫ちゃんって友だちの女の子もいるんだけど、なんだか薫ちゃんも結弦くんのこと、好きっぽいんだよね…。こっちはこっちで切ない匂いがしそうだよ~。
相手の気持ちがわからなかったり、自分の気持ちに正直になれなかったり。等身大の高校生たちの悩みにはついつい共感しちゃって、一緒に悩んで答えを出したいって思えたな。