樹木葬 死者の代弁者
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樹木葬 死者の代弁者

江波光則 (著) / くまおり純 (イラスト)
シリーズ:鳥葬(ガガガ文庫)

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あらすじ紹介

人を殺すこと、それは自分を殺すこと。

『鳥葬』『密葬』の舞台から数年。
時間がすぎても彼を取り巻く死の呪縛は簡単には剥がれなかった。高校を卒業し。大学に通う傍らで始めた自動車整備工の仕事。平穏な日々を過ごそうとしている陵司の下に、雇ってもらった工場の社長の娘の面倒をみるという題目が転がり込む。彼女の父親は、日々死を暗示させるポエムをネット上に流す、理解の範疇を越えた娘の心境を理解したがっていた。死にたがる高校生。死を軽んじる高校生。そして、死への願望をポエムにしたため、自殺を美徳とするような高校生。陵司からしてみれば、彼らの願望そのものがガキの戯言。しかし、ある日彼は、いじめが原因で首を吊ろうとする少年に出会う。何の因果か、彼のことを助けてしまった陵司は、いらぬお節介のせいで厄介なもめ事に巻き込まれる。かつて自分が犯した罪や、そのおかげで積み重ねてきた経験を活かしながら、社会の荒波を受け流していく。余りにも都合よく陵司の周りに集まる死。その原因を探るため、陵司は再び立ち上がる。
――彼らを人間にしてやるためには……。果たして陵司の生きざまに救いはあるのか……。
暗黒青春群像劇・完結編。数多の死を乗り越え、彼はようやく人間になった。

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

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みんなからのレビュー

  • (●▲●)とらうまん(*^◯^*)

    【★★★★☆】鳥葬、密葬と続いてのシリーズ完結編。“まだ人間じゃない”クソガキたちが、少しだけ大人になっていくまでのお話でしたね。 しかしまあ、流音ちゃんはタチの悪さで言ったら江波作品でも屈指の疫病神やなぁ……(震え声) 本作で読んでて一番楽しかったのは陵司と真琴のやり取りですかね。罵りあいつつの親しげな会話は実に著者らしさ溢れるセンスで大好きですw 逆にほかの対話シーンは、いまいちダレてしまうところも多かったかなと。 スカンクシリーズとあわせてのスーパー江波光則タイム、これにて終了です。 続きを読む…

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  • ささやか@ケチャップマン

    三部作として完結。このシリーズは私とって傑作だったかなという感想。1巻より2巻、3巻のほうが共感できたというか響いたのはきっと私が年をとったからだろう。屈折した子どもが真っ当と評価してもいいかもしれない、というところまで大人になりつつあるまでを示した本作は、自分のような人間の希望となりうる一冊だったと思う。ただ、陵司には桜香がいたけれど、そういう人間の大抵には彼女のような存在はいないのだよな……。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • T.Y.

    高校を卒業して5年、陵司は大学に通いつつ工場で働いていた。社長の娘・流音を介して関わることになる中学生の連続自殺、たまたま出会った高校生のいじめと自殺、そして工場の売却を迫るやくざ。これまでのシリーズで一人の人間となり、普通に生きることへと歩み出した陵司がそれなりに大人になって、クソガキに手を焼く番になっているのが感慨深い。大人の条件は色々、誰も完璧ではないが、人のせいにせず自分の手で命に責任を負えるかどうかというのは実に大きい。既刊のテーマも反復しつつ、「一人前の人間になること」を描き切った完結編。 続きを読む…

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  • 半熟タマゴ

    シリーズ最終巻。前巻から数年経った陵司のその後の話。大人になった陵司はまだ若干の危うさはあるけれど、鳥葬の頃と比べると雰囲気が落ち着いたかと。桜香の出番はほとんどなかったけれど、最後に登場した時の安心感。陵司にとっても桜香にとってもお互い無くてはならない存在なんだと強く感じた。またいつか全巻続けて読み直したいな。 続きを読む…

    ネタバレあり
  • nyapoona

    鳥葬三部作の終焉を飾るに相応しい作品。作風が前2作とは一転してスカンクシリーズに近いハードボイルドなものとなっているが、流音の存在があるからこそギリギリラノベの範疇に留まっている。ライトノベルで、「青春の終焉」というものをきちっと描いたところに意義があったと思う。 続きを読む…

    ネタバレあり
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製品情報

  • レーベル
  • 発売日
    2014/02/23
  • 定価
    660円(本体600円+税)
  • ISBN
    9784094514667

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