【レビュー】美少女幽霊とパートナーを組んでバトル、素晴らしいです――マサラダの大人気楽曲が最高のラノベになった!

『㋰責任集合体』書影

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMF文庫Jから6月25日に刊行される『㋰責任集合体』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 2010年代以降、私たちの生活にはSNSというものが欠かせないものとなりました。何事も実況するし、何事も写真をシェア。友達との距離が近づいたとか、新たな同好の士を得られたとか、メリットも多数あるのはもちろんですが、一方で他者との距離が近付きすぎて傷付けるケースも増加したというのはデメリットなのではないでしょうか。
 そんな小論文のようなことを連想したのは、本作の中に登場する「ツキカゲ」にて、ヒロインである柚希が亡くなってしまったのは、ある種「ウサギ」(≒リスナー)である紡たちの選択が原因であったからです。もしその配信上に柚希が登場しなければ、幽霊になるなんてことはなかったはずでしょう。

 ――という教科書然とした思いもあるのですが、それはそれとして。死ななければ、ドラマは始まらないわけで……。そんな中で自分が声を大にして語りたいのは、幽霊美少女とのタッグバトル(&謎解き要素)って、最高ですよね!ということ。そんなことは昔から決まっています。 なんたって幽霊は実体がないので、現実離れした動きが可能。憑依したり、周囲の人から見えなかったり……。だからこその展開もあって、ゼロ年代のそういったアクションラノベ好きとしては大好物なのでした。ここで双子の妹という設定が生きるなんて、思いもしなかったよ……!

『㋰責任集合体』ピンナップ

 とにかく美少女幽霊が可愛いな、が読了後一発目の思いなのですが、美少女後輩ちゃんも素晴らしきです。ヘッドホンで耳元に囁く宇佐木後輩のASMR、商品化をお待ちしております。

文・太田祥暉


ざっくり言うとこんな作品

1)YouTubeでの再生回数が2000万回越えを果たしたマサラダの楽曲『㋰責任集合体』が実力派作家とイラストレーターによってノベライズ!

2)原曲に散りばめられていた「月」や「ウサギ」といった要素をスタイリッシュに解釈! 美少女幽霊と少年が織りなす、青春ファンタジーの世界観は唯一無二!

3)久追遥希先生が描く知的で行動力溢れる主人公と、魅力的なヒロイン(幽霊だったり、後輩キャラだったり)と、強敵によるバトルアクションがたまらない!

主要キャラ紹介

▼絵空紡(えそら・つむぐ)
自分勝手な人間を自称する少年。ある日、「ツキカゲ」に出会い、現実世界を左右する願望を口にするようになる。その過程で、柚希が命を落とす展開を希ってしまい……。

『㋰責任集合体』絵空紡

▼化野柚希(あだしの・ゆずき)
ある日連続殺人鬼に襲われ、命を落としてしまった女子高生。気がつくと幽霊になってしまっており、紡とともに復讐をすべくヒーロー活動を始めていくことに。双子の妹がいる。

『㋰責任集合体』化野柚希

▼宇佐木鈴(うさぎ・すず)
着ぐるみを被って過ごしている、かなり小柄な紡の後輩。「ツキカゲ」を覗くことができるメガネを持っており、紡のヒーロー活動の後方支援を行う。

『㋰責任集合体』宇佐木鈴

作品情報
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    • BookWalkerで購入する

    ム責任集合体

    著者: 久追 遥希   イラスト: かやはら   原作: マサラダ

    最悪だ! いや最低か!? 『ム責任集合体』が最高の物語となって登場!

    僕、絵空紡(えそら・つむぐ)は自分勝手な人間だ。そして僕のム責任で最悪な行動が、一人の女子高生を「殺して」しまった。もう死ぬしかない――こんな最低な僕が学校の屋上から身を投げ出した時、彼女は現れた。
    「お願い、あたしの復讐に付き合って!」
    それは僕の選択で死んでしまったはずの女の子・化野柚希(あだしの・ゆずき)。
    彼女は「最強の幽霊」となり、彼女を本当に殺した凶悪殺人鬼・Sを倒すために、僕を復讐の相棒に選んだんだ――これは、月の欠けた場所に棲むム責任なウサギたちと少年と少女を巡る物語。そして僕が「最悪で最高なヒーロー」になるまでのお話だ。

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