【レビュー】圧が強めの歌舞伎町陽キャ集団が異世界に転生したら、別の意味で無双状態に⋯⋯。展開が読めなすぎてページをめくる手が止まらない!

『異世界転生勧誘詐欺』

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は5月30日刊行の『異世界転生勧誘詐欺』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 これまでの異世界転生ファンタジーの主人公って、前世はどちらかというとモテなくてオタク気質、さらに不幸な生い立ちだったりして、かなり残念な人生を送っていたキャラが大半だ。でも本作の主人公・コモンはその真逆。前世からイケメンで高身長、頭の回転も要領の良さも抜群で、おまけに女の子の扱いに慣れている陽キャな美青年である。そんな彼が高スペックのまま異世界に転生するわけだから、どんな展開になるか予想がつかず、ワクワクが止まらない。

 さらに、一緒に転生する仲間としてホストやバーのボーイ、スカウトマンなどが集まり、「チーム歌舞伎町」を結成。前世で無双していた男たちが、異世界でも当然のごとく無双する展開に圧倒される。

『異世界転生勧誘詐欺』より

 なかでも、モテなかった前世の恨みから、美少女ばかりをパーティメンバーにしていた別の転生者が、コモンたちに完膚なきまでに叩きのめされる場面はすごかった! それも戦ってどうこうではなく、パーティの女の子たちが次々と落とされていくというのだからこれまたすごい。しかも彼らの女の子への接し方が実に的確で、実生活で参考にすれば、モテない自分(涙)も少しはモテるかな、と妄想してしまうほどのリアルさ。何度も読み返してしまった。

 そう、この物語はリアル感がすごいのだ。コモンを始めとするキャラに対する解像度が高く、それゆえに生じるリアルさが会話の一つ一つから感じられ、思わずゾクッとしてしまうことも多々あった。冒頭、陰キャ系の別の転生者に対してコモンが詰めていく場面などは、実際に現実世界のどこかで行われた会話を再現しているかのような気にさえさせられた。

 異世界転生ファンタジーの常識を破る展開に圧倒されつつ、コモンたちのイケイケな生き方は悪の魅力にあふれ痛快そのもの。もしかすると本作は、異世界転生ファンタジーの歴史を変える画期的な作品かもしれない。

文:中島泰司

ざっくり言うとこんな作品

1)歌舞伎町の住人が異世界に転生したらどうなる? これまでの異世界ファンタジーではありえなかったキャラクターがまさかの転生!

2)ホストやボーイ、シーシャ屋の店員など、イケメンでモテモテ、メンタル強めな歌舞伎町の住人がありえない異世界攻略法を連発する!

3)主人公を始めとする陽キャな「チーム歌舞伎町」のメンバー(東京で遊んでいる10代〜20代前半の若者たち)のディテールの面白さ!

主要キャラ紹介

▼コモン・デスアダー(早川小紋〈はやかわ こもん〉)
異世界転生勧誘詐欺にあえて引っかかり、転生した青年。仲間と共に異世界で「チーム歌舞伎町」を結成する。人格はクズだけど、好みの女の子や友人には仏のように優しい。

コモン・デスアダー

▼チャッキー・ブギーマン
異世界の獣人で女神。魔法的なセンスは超一流だが、とてつもない残虐色情家。暇をもてあましていたところに、コモンに誘われ「チーム歌舞伎町」の仲間入りをする。

チャッキー・ブギーマン

▼お蜜(修羅屋京蜜〈しゅらや きょうみつ〉)
地球からの転生者をスカウトする異世界の女神。おちこぼれで周りからは「クズのお蜜」と言われていたが、心機一転、歌舞伎町で知り合った陽キャのコモンを転生させる。

作品情報
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    異世界転生勧誘詐欺

    著: 良い人   画: 白油

    チーム歌舞伎町、異世界へ

    異世界転生勧誘詐欺――それは女神の甘い言葉で地球人を様々な異世界へ転生させ“勇者”という名の労働力として酷使する闇のビジネス。
    そんな勧誘詐欺に勤しむ女神を歌舞伎町のクラブで口説き落としてしまった青年コモン。女神の言うことを信じず適当に話を合わせていたところ、あろうことか殺されて人外に転生してしまい!?
    こうなると信じるしかなくなったコモンは、女神のために異世界を救うと決意。人脈をフル活用してホストやスカウトマン、シーシャ屋の店員、バーのボーイら「チーム歌舞伎町」を引き連れて異世界へ乗り込む。明らかに異世界ファンタジー向きではないチーム歌舞伎町は、勇者になれるのか――?
    最悪最強の異世界アウトロー譚!

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