【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はファンタジア文庫から5月20日に刊行された『クラスのクォーター美少女が義妹になった。知らないうちに口説いてた。』です。みなさんの感想も聞かせてください!
いつも遠巻きに見ていたクラスメイトの美少女と、突然の同居生活!?
――なんて聞いたら、皆さんはどのように感じるでしょうか。おそらく「うらやまけしからん!」なんて思ってしまう方も多いはず。ただ、あいにくと自分には、よく知らない相手と急に家族になった経験が皆無なので、想像でしか物を語ることができません。しかも年頃の男女が急に兄妹として振る舞えと言われても、色々と難しいことでしょう。自炊はするタイプ? 料理の味付けの好みは? 記念日はちゃんと祝っている? なんて、そんな一つ一つは些細かもしれない事柄が、実はとても重要であったりするものなのです。

つまり、相互理解こそがラブコメの――そしてそれ以上に、家族になるということの本質。本作も例に漏れず、お互いに歩み寄りの姿勢を見せる義兄妹の姿を見ることができます。そして、再三にはなりますが、相互理解には思いやりこそが肝心。そう、本作はまさに、その思いやりの精神に溢れているのです! とはいえ、その気遣いが空回ってしまい、「クラスのクォーター美少女が義妹になった。知らないうちに口説いてた。」なんてタイトルのような事態を招いてしまい、デュクシ(こうやって七瀬さんは照れ隠しに主人公を小突いてくるのです)される羽目になっちゃうんですけどね。

とはいえ、一冊を通しての印象は、むしろ穏やかなものでした。だが、それが読んでいて妙に心地いい! ラブコメとしてニヤニヤできるイチャラブ感にくわえて、どこかホームドラマのような優しさに溢れた物語に、温かな読後感に包まれること間違いありません。家族の在り方は人の数だけ存在するのだなぁ……。そして何より気になるのは、なんだか三角関係の薫りがするところ。そちらも期待が高まるところです(なので第2巻を早くですね……)!
あぁ、自分も七瀬さんにデュクシってされてぇ!

文:デワフジツバサ
ざっくり言うとこんな作品
1)クラスメイトの美少女が義妹に!? 急な関係性の変化に戸惑いつつも、互いに歩み寄る義兄妹二人のドギマギが微笑ましい!
2)言葉選びが致命的!? 急にできた義妹に対して気を遣ったり、思春期特有の自意識が邪魔したり……。結果、本人も意図せぬ出力になるのがコミカルで面白い!
3)主人公・雅紀のプロポーズまがいの言葉に振り回されるクロエが可愛らしい! そういう意図ではないと分かっていてもときめいてしまう! だって乙女だもの!
主要キャラ紹介
七瀬クロエ(ななせ くろえ)
金髪、ロリ、巨乳という三拍子を揃えたクォーター美少女。雅紀と一つ屋根の下で暮らすこととなり、彼の無自覚な言動もあってその距離感に思い悩むこととなる。

四元雅紀(よつもと まさき)
目つきの悪さやがっしりとした体格を気にしており、悪目立ちしないよう心掛けている男子高校生。そんな中、親父の再婚によってクロエという義妹ができてしまい……。

十文字ヶ丘香澄(じゅうもんじがおか かすみ)
資産家の娘だが雅紀とは家が隣同士の幼馴染で、気心の知れた兄妹のような仲である。クラスメイトで雅紀とクロエの関係を知る数少ない人物でもある。

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クラスのクォーター美少女が義妹になった。知らないうちに口説いてた。
著者: 浮葉 まゆ イラスト: ゆがー
「不束者ですが、お願いします」一つ屋根の下、無自覚攻略ラブコメ!
高嶺の花のクォーター美少女、七瀬クロエ。
俺とは縁遠いはずが、親の再婚で兄妹に!?
突然の同居生活。穏便な家庭のため友好的に接していると、俺の一言一句に妙に照れる彼女。
料理を褒めたり、「わ、私の料理を毎日食べたいって……!」
焦って距離を縮めなくてもいいと伝えたり、「ずっと一緒にいるから大丈夫って、そんなの……」
家族としてハッピーに暮らそうと言ったりしただけなのに。
「俺と幸せになろうって、そんなのプロポーズじゃないですかぁっ!」
俺、知らないうちに口説いてた!?
「不束者ですが、お願いしますっ」
一つ屋根の下、無自覚攻略ラブコメ開幕!