【レビュー】第31回電撃小説大賞《銀賞》受賞作は【B級アクション映画】を見ているようだった!?

サンバカ!!!

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は5月10日に刊行される『サンバカ!!!』です。みなさんの感想も聞かせてください!


B級映画が好きです。決してハリウッド大作とか、全国300館みたいな映画ではありません。原作や俳優は知らないけれど、とりあえずタイトルは聞いたことがあるし時間が空いたし観に行くか……と大学時代には劇場へ足を運んでいました。その中でも特に面白かったのがアクション映画です。キャラクターの配置さえ分かれば、観ているだけで面白い! ナパーム爆発みたいな派手なものがなくても良いのです。要素がもりもりで物語に回収できていない要素があったとしても、勢いがあって、エンドロールの後に照明が付いた瞬間「面白かった〜!」と感じる。そんな映画が大好きなのです。

本作を読んで感じた印象は、まさしくタイトルも何も知らないけれど、見終わったときに「面白かった〜!」と語りたくなるような映画みたいな作品だなということでした。あ、決してB級=チープと言っているわけではないですよ! いろんな要素があるけれど、聖女とチンピラが恋仲になったり、ドタバタアクションをしたりしていく珍道中。こんなの、ジャンクフード片手に楽しみたいに決まっているじゃないですか!

『サンバカ!!!』より

何がいいって、戦うシチュエーション。市長もド変態だし、亀の中で戦うし(しかも総排泄孔がどうのと何度も連呼する)……。とにかくなんでもありで、ライトノベルで表すのであれば『錆喰いビスコ』をもっと明るく過激にした感じといいますか、とにかくB級アクション映画という趣きが素晴らしい! いや、だって、冒頭からサメのTシャツが出てきますからね。サメといったらB級映画ですから。

にしても、イグニスのキャラが刺さりすぎたので、このまま続巻も続けて突き抜けてほしい……! いつまでも読んでいたい、イグニスとネモの掛け合いが最高ですよ!

文:太田祥暉

ざっくり言うとこんな作品

・思わず吹き出してしまうこと必至の、とにかくコミカルなキャラクターの掛け合いが面白くて病みつきになる!

・ハードボイルドな世界観かと思えばSF要素もあり、ファンタジーでもある!? 唯一無二の独創的な世界観が楽しい!

・何が起きていたか分からないけれど、とにかくはちゃめちゃで楽しい! アクション映画を見終わったかのような爽快感が得られる作品!

主要キャラ紹介

イグニス・ファルフレーン

イグニス
神話の時代から幾千年も生きている、不死の聖女。かつては世界を治めていたが、身体を分割されてしまったためにその力を失った。今はその力の源を探している。

ネモ

ネモ
街のチンピラとして薬物の配達中に拉致られたところ、イグニスに出会う。生まれや両親の顔、自分の名前すら知らないため、名無し(ネモ)と呼ばれている。

ヴァーテウス・ガガカ

ガガカ
特定奇跡災害対策機構の特別捜査官の獣人。人間業を外れた奇跡のような事件を捜査しており、その脅威となるイグニスのことも排除しようとしていたが……。

作品情報
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    サンバカ!!!

    著者: 助六 稲荷   イラスト: しずまよしのり

    面白おかしい旅に出よーぜ!!!

    「私の名前はイグニス・ファルフレーン。かつて世界を治めていた聖女です! が、能力を九十九分割されて封印されてしまったので探してる真っ最中です!」
    「何言ってるのかわからないと思いますが、とりあえずアイテム探し系ロードムービーだと思ってください。どうも、主人公のネモです」
    「うらぶれた街で腐るチンピラ・ネモくんが清楚で巨乳でS級美女の私と出会い、旅に出る! これはえっちな予感がしますよぉ!」
    「……見ての通り、基本的に聖女なんて名ばかりな、ただのバカです、ウチの相方は」
    「そんな我々が、巨大な亀の中にある街やら、バニーガールがわんさといる永遠の祝祭やらに乗り込むわけですね!」
    「ケツと器のデカい獣人の姉御を道連れにしたりしながらな」
    「ネタバレすると道中では臓物の雨が降り注ぎ、ラスボスは黒ギャルです!」
    「破天荒な聖女とチンピラと獣人の旅が、第31回電撃小説大賞《銀賞》を受賞して刊行!」

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