【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はファンタジア文庫から4月18日に刊行された『倒れた婦人を救ったご褒美は、娘の美人双子とのお付き合いでした。』です。みなさんの感想も聞かせてください!
ある日突然、美人の双子から思いを寄せられたら? そしてそれが、奥手な主人公にとってもまた生まれて初めての恋愛だったら? ただでさえ初恋同士の不器用な恋路に三角関係がプラスされたら、一体この関係はどうなってしまうのか。羨ましさ満点なシチュエーションがこの作品の見どころです。

生来の優しさ故に人助けをした主人公・蒼と、自分を省みず他人に手を差し伸べられる蒼に好意を抱いた双子。王道まっすぐな物語の始まりですが、本作の美味しいポイントはやはり何と言ってもヒロインが双子であるということ。初恋の三乗とでも言うべき特殊な関係性。この作品を読んでいてぐっと惹きこまれたのは、そんな状況の中で、三人がただまっすぐに気持ちを伝え合い、恋心を育んでいくところでした。
初体験の恋ならば、そこで生まれる感情も当然未知数。相手をいかに振り向かせるかを考える悩ましくも楽しい気持ち。弱みを見せることへの不安。それを受け入れてもらえた時の嬉しさなど、恋愛ならではの甘酸っぱい気持ちが、三人のやりとりからは溢れています。もちろん三角関係ですから、色々な悩みも出てくるわけですが、それは本人達が真面目に、本気で恋愛をしているという証拠。傍からは奇妙に見える関係性だとしても、三人の行動や心理描写はリアルで、もしも自分が彼らのような恋愛関係になったらどんな行動を取るのだろう、という想像をせずにはいられません。
双子との三角関係というコンセプトは、ライトノベルや恋愛シミュレーションゲームではお馴染みのものかもしれません。コミカルかつハイテンションに描いた、題材を同じとするラブコメも、もちろん楽しいものです。しかし、時に喜び、時に苦しみながらお互いへの思いを確かめ合う純愛まっしぐらな展開こそ、本作ならではの魅力と言えるでしょう。甘々な展開の中で紡がれるしっかりzとしたラブストーリーからは、三人の純粋な思いがひしひしと伝わってきて、素敵な恋愛がしたいなあと思える作品でした。

文:安芸 沙織理
ざっくり言うとこんな作品
1)美人な双子両方に思いを寄せられる蒼。二人との日々を過ごすうちに、自然と距離は縮まって――彼はこの関係にどんな決着をつけるのか? 三人のピュアで真剣な恋の結末は? ドキドキワクワクのシチュエーションに期待値◎。
2)双子ではあっても性格は違う結月と陽花里。それぞれ一人の女の子として蒼にアプローチしていく中で、魅力も悩みも見えてくる。等身大の女の子が描かれており、ヒロイン二人がとにかくかわいい!
3)恋愛経験のない主人公が、双子との関係に戸惑いつつ、徐々に二人に惹かれていく……。少しずつ、でも確実に育っていく蒼の恋心や、それ故の葛藤が丁寧に描かれていて、胸を打つストーリーは純愛感マシマシ。
主要キャラ紹介
琴吹 結月(ことぶき ゆづき)
主人公・蒼の同級生で、陽花里と共に美人双子として人気がある。ミステリアスな雰囲気から近寄りがたく思われがちだが、実は人をからかうのが好きで押しが強い。負けず嫌いな一面も。

琴吹 陽花里(ことぶき ひかり)
結月の双子の姉妹。美人な上に運動が得意で優しいので友達が多い。素直な性格で、嬉しい時はすぐにそれを表現する。活動的な部分は結月と異なるが、負けず嫌いは共通。

桐島 蒼(きりしま そう)
困っている人を放っておけない高校1年生。結月と陽花里の母親を助けたことで二人から思いを寄せられる。目立つのを好まず友人は少ないが、双子と初めて恋愛をすることに。

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倒れた婦人を救ったご褒美は、娘の美人双子とのお付き合いでした。
著者: 遊河 あくあ イラスト: さなだケイスイ
婦人を助けたら、娘であるクラスで人気な双子姉妹に交際を迫られて!?
道で倒れた婦人を助けたのだが、どうやらクラスで人気な、高嶺の花の美人双子――結月と陽花里の母親だったらしい。
「毎晩抱き枕になれと言われても従う所存よ」落ち着いた雰囲気で大人びているが、時折大胆なことを言う結月と、「好きな人から名前で呼ばれたら嬉しくないですか?」天真爛漫で明るいが距離感崩壊な陽花里。
学年の誰もが憧れる美人双子に俺は好かれてしまった。
入れ替わりでデートをしたり、学校で2人それぞれから猛アプローチをされたり、さらには、クリスマスに同時デートをしたり!?
美人双子との甘々学園ハーレムラブコメ、開幕!