【レビュー】ハチャメチャ過ぎて被害莫大！ 憧れの異世界を好き勝手に楽しんじゃう、オタク三馬鹿トリオのコメディが痛快すぎた!!

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はカドカワBOOKSから4月10日に刊行される『魔力を極めた三馬鹿は異世界で我が道を征く！ ～趣味に生きたい転生者たちのシリアスブレイク理論～』（著者：黄泉坂　登／イラスト：ニシカワ　エイト）です。みなさんの感想も聞かせてください！

死んで女神様の下で初めて出会った3人が、停滞気味の世界を混ぜっ返すために前世の自我を持ったまま異世界に放り込まれ、よちよち歩きの頃から魔力を高め財力を増やし体力も伸ばして15歳まで成長する。

そして集合するところがこのお話のユニークさ。それぞれが最高を目指してぶつかり合うとかだったらバトルロイヤル的なお楽しみを味わえたけど、チートな魔力を持っている3人が徒党を組んで冒険を始めるというハチャメチャな展開に向かうから楽しみの質もかわっていく。

それはもうパワフルでエキサイティング。ひとりでも無双できるくらいの能力者が3人も集まる訳だから凶暴なモンスターも凶悪な犯罪組織もあっさり粉砕してしまう。もう痛快。周りにも甚大な被害をもたらすから、ギルドマスターが叱って大人しくさせようとするけれど、ヒーロー気取りな上に欲望と性癖を満たそうとして突き進むからハチャメチャはどんどんエスカレートする。

辺境伯の三男に生まれたジオグリフは、SFオタ心を燃やしてカッコ付けようとするし、大商会会長の孫娘のマリアーネは、おっさんから少女に転生させてもらって百合を間近で愛でようとするし、村長の次男に転生したレイターは、身体を鍛えて獣人たちと仲良くなってもふもふしまくる。強ければ欲望だって性癖だって正々堂々と満たせるんだって気にさせられるけど、迷惑をかけ過ぎだけに将来がちょっと心配だ。

始まったばかりの三馬鹿の旅がこの先どれだけの偉業を成し遂げ、どれだけの被害をもたらすのか。気になる続きの前にまずは幕開けを楽しもう！

文：タニグチリウイチ

ざっくり言うとこんな作品

1）前世オタクな悪友たちが揃って異世界転生！　魂の通じ合った三人の気心の知れた掛け合いが面白い！

2.）前世知識も活かして三人それぞれの力を極めたら、再会した時にはそれぞれ規格外の存在に成長!?　どんな理不尽も粉砕！

3）魔法、エルフ、美少女、もふもふ獣人――異世界を楽しみながら好き勝手生きる三人組の活躍が痛快！

主要キャラ紹介

ジオグリフ・トライアード
辺境伯の三男坊。SFオタ。三馬鹿のリーダーで魔法担当。

レイター
田舎の村の狩人。ケモナー。変幻自在の武具を操る前衛担当。

マリアーネ・ロマネット
大商会会長の孫娘。百合厨。七十二の影の魔獣を使役する。