【レビュー】誰からも忘れ去られた王女が、復讐のために奮闘! 抑えていた感情が決壊する姿には涙が止まりません

死にたがりの王女

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は3月28日に刊行される『死にたがりの王女』です。みなさんの感想も聞かせてください!


王家のプリンセスといえば、誰しもが恵まれた境遇にあると思うでしょう。ところが主人公のウエンディは父である国王から存在を忘れ去られ、家族の愛情も必要な教育も受けられないまま15歳まで放置された挙げ句、政治の道具として敵国に嫁がされます。本人にはどうしようもできない、あまりに理不尽な状況に心を痛めるとともに、その元凶となった国王、他の子どもたちには愛情を示しながらもウエンディに対してだけは徹底した無関心と冷徹さを貫き通す男に、怒りを覚えずにはいられません。

この状況に対して激しい怒りを抱いたのは、ウエンディの“中の人”も同じでした。ウエンディは3歳の時に彼女の前世、29年間生きた日本人女性・雪乃としての記憶を取り戻します。そして雪乃としての知識と経験を唯一の武器に、祖国をぶっ潰すためにわざと無能として振る舞い続けるのです。

本作最大のクライマックスは、祖国が彼女の願いどおりの末路をたどったあとの展開。彼女を蔑ろにし続けた家族に対する見事な復讐が大きなカタルシスをもたらします。無能の仮面を脱ぎ捨てたウエンディの勇姿に惚れ惚れとしました。

その後の流れもまた、涙を誘わずにはいられません。シリルは王子としての責務とウエンディへの同情の間で揺れながら、呪われた無能な王女に対して少しずつ違和感を抱き、最終的には彼女の心を救います。そして幼少期からずっとウエンディの傍にいた、平民のメイド出身のオリーブの秘めたる思いにも要注目です。不幸な境遇に生まれた王女の孤独な闘いを綴る、壮絶な復讐譚と爽やかな余韻。極上の読書体験をぜひ味わってみてください。

文:嵯峨景子

ざっくり言うとこんな作品

・生後たった一週間で王家からも国民からも忘れられた王女の人生が切ない!

・たった一人、人質扱いで嫁いだ国で復讐のために奮闘するヒロインの戦略が頭脳派!

・今まで抑えていた感情が最後に決壊する姿には、涙が止まらない!

主要キャラ紹介

ウエンディ
誰からも忘れ去られたレヴァーゼ王国第六王女。アウリラの第二王子に、人質のように嫁ぐことになる。

ウエンディ

シリル
アウリラ地方国の第二王子。苦労性。何かと引っかかるところがあるウエンディのことが気になる。

シリル

オリーブ
ウエンディの侍女(元下級メイド)。唯一、ずっとウエンディの傍に居続けた存在。

オリーブ

作品情報
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    死にたがりの王女

    著者: 有沢ゆう   イラスト: RAHWIA

    さよなら。私を“いらない王女”として忘れ去った皆様

    「そなたの婚姻が決まった」

    レヴァーゼ王国・第六王女ウエンディは、姉の身代わりで『野蛮』と揶揄される国へ人質のように嫁がされることになった。
    生まれてから15年間、存在ごと忘れ去っていたくせに?
    放置しておきながら、『呪われた子(無能の駒)』扱い?
    だから前世の記憶があるウエンディは憤り、決めた――祖国をぶっ潰すと。

    「これが復讐とは――誰も気づかないでしょうね」

    無能王女を演じ、登場人物すべてを驚愕させる復讐譚、開幕!

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