【ドラゴンマガジン連動企画】
2025年年明けに発表されたドラゴンマガジンの休刊。
35年にわたったライトノベル界隈への貢献に対して、SNSも暖かい空気で満たされました。
今回はその最終(?)号に掲載される、作家座談会を一部先行公開します!
続きはドラマガ誌面をチェックしてください…<(_ _)> 。
アンケート至上主義だった時代があったんです。上位5作品に入らないと話にならなくて。10位以下なら翌月には打ち切り!
──紙の『ドラゴンマガジン』が大団円、転生するぞというタイミングで、ベテランかつもうすぐ新刊が出るよ、という……お付き合いの長いお三方に集まっていただきました。時代の変わり目に思い出話でもしましょうという(笑)。もともと読者だった、という方はいらっしゃるのでしょうか。
「僕は書くことになるまで存在を知らなかったんですよ。担当編集に『『ドラゴンマガジン』は読まれていますか?』って聞かれて、『中日ドラゴンズが何か関係あるんですか?』と返したくらいなので……」(鏡)
「僕は存在こそ知っていましたけど、文庫派だったのでそこまで読んでいなかったかな。でも、賞に応募する時にはちゃんと『ドラゴンマガジン』を買って、後ろの方にあった募集要項を熟読しましたよ」(あざの)
「となるとちゃんと読んでいたのは自分だけか(笑)。自分は友人と一緒に書店へ行ったとき、『ドラゴンマガジン』の創刊号を手にしたんですよ。そして友人が『なんか小説の賞をやっているから、お前も出したらどうだ」と言って」(神坂)
「ご友人がいなかったらファンタジア文庫で作家デビューしていなかったかもしれないと。でも、そんな創刊号から読み続けた立場としては、休刊することを知ってどのような心境なんですか?」(鏡)
「う〜ん……持ち運べる娯楽コンテンツが印刷物だけでは無くなった時点で、いずれ来ることだとは思っていましたよ。他の雑誌がどんどんなくなっていき、ひしひしと『ドラゴンマガジン』はどうだろう……と、ここ数年は思い続けていましたし。遂にか……という残念な気持ちではあります」(神坂)
──鏡先生とあざの先生はデビュー時既に『ドラゴンマガジン』が人気雑誌となっていたわけですけど、当時の思い出はいかがですか?
「『BLACK BLOOD BROTHERS』では、草河(遊也)さんの『ドラゴンマガジン』にしか載らないイラストがあったんですよ。その後文庫に入ることもなく、画集も出ていないのでそれっきりという絵があって。それを毎号見るのがとても楽しかったです。叶うことなら、もう一回あのイラストたちをお披露目したいですね」(あざの)
「当時はアンケート至上主義でしたね(笑)。上位5作品に入らないと話にならなくて、10位以下ともなれば翌月には打ち切り、くらいの時代があったんです。『伝説の勇者の伝説』が始まった頃は『スレイヤーズ』に『魔術士オーフェン』、『フルメタル・パニック!』、『まぶらほ』など人気作揃いで、5位に入るのが大変だった。もし6位以下になったら、軌道修正をしていくようにしました。おふたりはそんなことなかったですか?」(鏡)
「僕は基本的に順位を聞いていなかったので(笑)」(あざの)
SNSの普及で作家同士のつながりができて軽くカルチャーショックを受けたり
「自分は締切が苦しかったことが第一かな(笑)。締切といえば酷い話があって、あるとき自分と水野(良)さん、秋田(禎信)さん、あかほり(さとる)さんが揃って『まだ原稿上がっていないんですよ』という話をしていたんです。全員次の締切に向かって書いていると思っていたら、後々、秋田さんだけ次々号の締切の話をしていたことが発覚して」(神坂)
「たぶん秋田さんの担当さん、『伝勇伝』立ち上げ時の僕と同じ人ですね(笑)。作家に厳しいルールを課す編集者でした(笑)。なので、mixiが普及したとき、他の作家がそんなルールに縛られていなかったことを知って、軽くカルチャーショックを受けるという……」(鏡)
──mixiが普及したことで作家コミュニティが広がったんですね。
座談会の続きは3月19日発売のドラゴンマガジン 2025年5月号に掲載!

■神坂一(かんざか・はじめ)
1964年7月17日、兵庫県出身。1990年に刊行が始まった「スレイヤーズ」はシリーズ累計発行部数は2200万部というライトノベルの代名詞的作品である。

■あざの耕平(あざの・こうへい)
1976年1月28日、徳島県出身。ファンタジア長編小説大賞出身。『ドラゴンマガジン』龍皇杯『Dクラッカーズ』で注目を浴びる。代表作に『Dクラッカーズ』『BLACK BLOOD BROTHERS』『東京レイヴンズ』ほか。

■鏡貴也(かがみ・たかや)
1979年5月22日、東京都出身。第12回ファンタジア長編小説大賞準入選を受賞した『武官弁護士エル・ウィン』でデビュー。代表作『伝説の勇者の伝説』『いつか天魔の黒ウサギ』『終わりのセラフ』(原作)ほか。
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