【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMFブックスから2月25日に刊行される『元オッサン、チープな魔法でしぶとく生き残る ~大人の知恵で異世界を謳歌する~1』です。みなさんの感想も聞かせてください!
知識と経験を持って人生リスタートというシチュエーションは、誰もが一度は妄想するはず。50過ぎで転生した本作の主人公・ライホーのような、年を経たおっさんならなおさら。
わかりやすいチートスキルは与えられず、最初はゴブリン一匹にも苦戦する有様。しかし、拙い剣術を磨き、使い勝手の悪い魔法を知恵と工夫で体術と組み合わせ、徐々に成果を積み重ねていく。チートでド派手に活躍するのもいいけど、いい歳のおっさんとしては地に足の着いた冒険に、まさに育成ゲームをこつこつプレイするような充実感がありますねぇ。

ライホーの社会人スキルが活躍するのは、冒険だけじゃありません。知り合った女性が高額な借金を背負わされていると知り、単に借金を返すだけでは収まらないと見越したライホー。高利貸しが今後一切手を出せないよう、冒険者ギルドを巻き込んで追いつめるのだ。正義感と暴力だけでなく、人脈と根回しでもって敵をやりこめる手腕たるや、完全にシゴデキっすわ~!

それだけじゃありません。現代とは貞操観念が異なる世界だからこそ、夜のスキルを活かしたムフフな展開もあってもうニヤニヤしちゃいます。年を重ねたおっさんの視点で語られる冒険譚こそ、現役世代に刺さる最高のエンタメなんだなぁ。
文:犬伏空
ざっくり言うとこんな作品
1)異世界転生なのにチートスキルなし。しょっぱい能力を最大限に活かす育成ゲーマーとしての知恵と工夫が光る!
2)現代社会人としての交渉術は、異世界ではチート級? おっさんならではの巧みな話術と腹芸!
3)若返った体に人生経験の深みが組み合わさったら、美女たちにモテちゃってしょうがないよね?
主要キャラ紹介
▼ライホー
50過ぎで病魔に侵され、死の間際に世界の管理者によって異世界に転生させられる。現世で最大の趣味だった育成ゲームと社会人としての経験を駆使し、冒険者として成り上がっていく。

▼ウキラ
冒険者ギルドに紹介された宿屋の女主人。冒険者の夫を亡くしたばかりという不幸のさなかに高利貸しにつけこまれ、多額の借金を背負っているようだが……?

▼イヨ
高ランクパーティーの中衛を担う、弓使いのエルフ。絶世の美貌と薄い胸を誇る。緊急任務で行動を共にすることになったライホーの優しさと懐の深さに惚れてしまう。

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元オッサン、チープな魔法でしぶとく生き残る 大人の知恵で異世界を謳歌する 1
著者: 頼北 佳史 イラスト: へいろー
「俺の能力、しょっぱすぎ?」――元オッサン、魔法戦士として異世界へ!
頼北佳史(らいほうよしふみ)50歳。今際の際にとある呪文を唱えたことで、管理者を名乗る者によって名もなき惑星へと転移させられることとなった。
管理者との交渉の末、20歳に若返り、平均以上のステータスや重力魔法、空間魔法というロマン溢れる能力をもった魔法戦士ライホーとして、いざ異世界へ。
……しかし満を持しての初陣で放った重力魔法は敵の動きが若干鈍くなる程度、空間魔法はおサイフ代わりにちょっとしたものを収納できるのみ。ライホーの魔法はチートならぬチープなものだった!
だが、社会で長年揉まれた男はこんなことではくじけない。ときには得意の話術を駆使し、ときには能力を工夫して冒険者として活動を始める。果たしてライホーは異世界を楽しめるのか……!? 元オッサンのしょっぱい異世界冒険譚開幕!