【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は1月31日に刊行された『神の代行者(自称) 全てはあのお方の思し召すままに……と言いまくってたら引くに引けなくなった』です。みなさんの感想も聞かせてください!
今これをお読みの方は、中二病にかかった経験はお持ちでしょうか。自分はあります。小学校の高学年のときに読んだ『幽☆遊☆白書』が刺さりに刺さって、自分の左腕には炎の竜が宿っていて……とかいろいろ妄想を膨らませていました。今思うと、完全に寒いヤツなのですが、同じような経験をした方も少なくないはず。少なくないよね?
そんな経験を持っている方なら、近年増えてきた「異世界転生した先の世界で中二病設定に基づいた組織を始めたら、実は本当にその設定通りの敵が存在していた!」という物語群にもハマれるはず。更に本作『神の代行者(自称)』は、引くに引けなくなった主人公と引かせないために動くメイド(神様)、そして勘違いした仲間たちが登場してくるのだからさあ大変。いや、単純に設定だけ見れば、なんで魔力が使えない落ちこぼれのことをみんな好きになるんですか、とも思うのですが、読み進めていけば納得してしまいます。だって、ゼロくん魅力的だもの……。

と言いつつも、個人的に最も刺さったのは、第三王女であるナナ・ラキルデュースです。可愛いボクっ娘、しかも自分の権力の強さを解っていてゼロに接するとか、もう最高でしょう。でも、まだ彼女はゼロが代行者として暗躍していることを知らないわけで……。ここからどんな波乱が起きるのか? ラブコメ展開もアクション展開も、どちらも気になってなりません。とにかくナナが幸せになるルートであることを願っています……!
文:太田祥暉
ざっくり言うとこんな作品
1)主人公のゼロはとにかくカッコつけたい中二病……だったのだが、もういい加減大人になってしまったので、そろそろ卒業したい! という点から始まる勘違いコメディ。
2)中二病患者としてとにかくカッコいいことを言っているだけではなくて、主人公はそもそも最強! とにかくバトルがカッコいい!
3)配下たちは主人公のことをどんどん持ち上げていく。ヒロインたちのゼロに対する想いの強さも魅力的!
主要キャラ紹介

▼ゼロ
侯爵家の長男にして、現代日本からの転生者。神の代行者を名乗ってアルカディア革命団を設立したが、今はもう団長を辞めたいと思っている。落ちこぼれ扱いされているが、実は最強。
▼レイナ
ゼロの家に仕えているメイド兼革命団の副団長。その正体は神様で、自身を信仰していた(設定の)ゼロの元に現れた。信仰力=魔力であるため、革命団がある今、彼女の力はとてつもなく増大している。
▼キルス
団長であるゼロのことを愛している革命団の一員。魔術師という称号をゼロから与えられている。魔法の才能には目を見張るものがあるが、レイナに対する嫉妬心が玉に瑕。
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神の代行者(自称) 全てはあのお方の思し召すままに・・・・・・と言いまくってたら引くに引けなくなった
著: 流石ユユシタ 画: 卵の黄身
その少年―― 世界の救世主か、 だたの中二病か。
日本から転生した貴族令息ゼロ。
転生先が剣と魔法のファンタジー世界と知り、元オタクの血が騒いだゼロは衝動に駆られた――中二病チックなことがしたい!
書斎で「世界の真実ノート」なる父親の黒歴史を発見したゼロは、これ幸いと中二病設定を拝借。
真なる神・聖神の意志を代弁する【代行者】になりきり、世界を支配する偽りの神に反逆するロールプレイを楽しむことに!
ところが本当に神々は存在しており……!?
しかもノリで配下にした少女たちはゼロを勘違いで崇拝しっぱなし!
引くに引けなくなったゼロは影の組織を統べる【代行者】を演じ、無自覚に世界を導いていく――!!
影の組織のトップを辞めたい最強の転生者と勝手に崇拝する配下たちの勘違い異世界コメディ!