【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はファミ通文庫・新文芸から1月30日に刊行される『偶然助けた美少女がなぜか俺に懐いてしまった件について』(著者:桜ノ宮 天音/イラスト:うなさか)です。みなさんの感想も聞かせてください!
校舎裏でぼっち飯としゃれこむ桐島くんの目に偶然飛び込んできた、とある男女の告白シーン。なんだか雲行きが怪しくなってきたからと割って入ったら、なぜか美少女に懐かれて。
……それにしても彼女、ちょっと? かなり? 積極的すぎません? いえ、それでいいんです。だって、ラブコメの「かわいい」は正義ですから!
お断りしたイケメンにはあれほど塩対応だったのに、桐島くんへのアプローチぶりときたら。いつの間にか彼のぼっち飯から「ぼっち」を押しのけ、特に連絡せずとも一緒に下校するようになったかと思えば、ついには登校前に、彼の自宅にまでやってくる始末。
これが凶悪な侵略者ならただただ脅威ですが、相手は絶対正義「かわいい」の化身・三上さん。桐島くん程度では、抵抗すら許されません(笑)。彼の生活がどこまで侵略されてしまうのか――、それは実際に読んでお確かめください。

とても濃密に流れる、ふたりの時間。それもそのはず、本作の登場人物はなんと、基本的に彼らだけ。それどころか、起承転結でいうところの「転」すらありません。もちろん、いい意味で。最初のページから最後のページまで、もうずっとふたりでイチャイチャ!
そのうえ三上さん視点の「幕間」で、ラブコメ濃度はさらに倍増しています。鬱展開からの逆転大団円、というのもいいんですが、お似合いなふたりを愛でる時間なんて、多いにこしたことはありません。やはり「かわいい」は正義! なのです。
文:瀧田伸也
ざっくり言うとこんな作品
1)偶然助ける→お礼してもらう、で関係終了だと思っていたら、なぜかその後も、美少女の方からグイグイと彼の日常を侵略してくる!?
2)自称ぼっちの桐島くんと、彼に懐いた三上さん。ふたりだけにフォーカスをしぼった、1対1のシチュエーションラブコメ!
3)書籍版では、三上さん視点で心情を綴る「幕間」を増量。あの時、彼女は何を考えていたか。甘さいっぱいの物語が、もっと甘々に!
主要キャラ紹介

三上陽菜
桐島くんと同じ一年生で、話題の美少女。彼に助けられ、懐いてしまう。
桐島玲
体調不良で高校デビューに失敗し、ぼっち飯が日常になっていた少年。
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偶然助けた美少女がなぜか俺に懐いてしまった件について
著者: 桜ノ宮天音 イラスト: うなさか
「あの……三上さん?」「お構いなく」「近すぎないか?」「お構いなく♪」
高校デビューに失敗した自称陰キャぼっちの桐島玲。偶然にも話題の美少女・三上陽菜のピンチを救ってしまい、お礼をしたいとお昼を一緒に過ごすようになる。しかし三上さんは明らかに高嶺の花。こんな関りも一時のモノ、お礼が済んでしまえば、また赤の他人。そう思っていたはずなのに――昼休みの密会、放課後の噂話、朝の通学時間、休日での遭遇。どんどん三上さんと共に過ごす時間は増えていく。牽制しても三上さんは「お構いなく♪」と、ぐいぐい玲の日常に入りこんできて――。お人よし男子×謎めく美少女の侵略系ラブコメ!?