【レビュー】最弱からの立身ライフがめちゃくちゃ楽しい! 苔(こけ)からどう進化するのか……展開も見ものな一作!

『苔から始まる異世界ライフ1』

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMFブックスから1月24日に刊行される『苔から始まる異世界ライフ1』です。みなさんの感想も聞かせてください!


これまで異世界転生をテーマにしたラノベはたくさん読んできたけれど、本作の主人公・天道ひかるが転生するのは、なんと「苔」! 勇者でも王子でも魔王でもなく、あの、じめじめとしたところにひっそりと、まるで「生きていてすみません」と言いたげな感じで生息している苔に転生するなんて!……種族のなかでも最弱中の最弱の苔として、ひかるの新たな人生(?)はスタートするのだ。

なんという不幸! 一体どうなるんだろう? とドキドキしながら読み進めるも、幸い、最弱の苔(ひかる)には多くのスキルが与えられていて、ひかるは少しずつレベルをアップさせていく。思うに人生というものはそういうものじゃないだろうか。自分の出来る範囲で精一杯のことをして、地道に成長を目指すのが王道なんじゃないかな。そんなふうになぜか人生のことまで考えさせてくれるストーリーで、じつはこの小説、けっこう深いテーマがこめられているかもしれない。

『苔から始まる異世界ライフ1』

とにかくひかるは苔としてスキルを使い倒し、毒草、ミアズマといった植物系の魔物から、昆虫系のビードル、動物系のキラーキャットへと進化していく。と同時に、出会った冒険者や料理人、魔法学園の女生徒などに救いの手を差し伸べていく。そう、進化するだけでなく、人助けもしてまるで勇者のよう。最初は弱くても、不断の努力を続ければまさにこのひかるみたいな存在になれるかもしれない。よし、これから自分を苔だと思って地道に頑張ろうかな。

文:中島泰司

ざっくり言うとこんな作品

1)突然現れた女神様によって異世界に転生することになった主人公。よりによって下位中の下位の種族、苔からスタート!

2)苔から毒草、昆虫……。次々とレベルアップしながら進化を繰り返し、やがて世のため人のために活躍するように。サクサクな展開が心地良い!

3)主人公が転生する生き物を始め、パーフェクトナナフシや寄生蜂などの特殊な生態の敵も登場。各生き物にふさわしいスキルなど面白い要素も満載!

主要キャラ紹介

『苔から始まる異世界ライフ1』

▼苔
最初にひかるが転生した種族。光合成で栄養と酸素を生成しながら、水魔法“ウォーターエッジ”で「エービ」を倒すことに成功。苔は睡眠が必要ないので、レベルアップも順調!

▼毒草
苔から進化。毒の生成ができるようになる。ウォーターエッジでつけた傷から毒を送りこむ“ポイズンエッジ”作戦でレベルアップし、見事、巨大ミミズのアシッドアームを倒す。

▼ミアズマ
イソギンチャクをさかさまにしたような植物系の魔物に進化。移動が可能で、口から放つ瘴気の攻撃力は絶大。フォレストウルフに追い込まれていた冒険者の4人組を助ける。

▼サンダービードル
雷の鎧をまとい触れた者を感電させる金色のカブトムシに進化。王都近郊の地下迷宮「天国への扉」に潜入し、想定外の強敵、A+ランクのファントムタイガーと戦うことに!

作品情報
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    苔から始まる異世界ライフ 1

    著者: ももぱぱ   イラスト: むに

    転生先は苔!? 種族を超えて強くなる異世界進化ファンタジー!

    20歳という若さで命を落としてしまったひかるは、女神様のはからいで異世界に転生することになったものの、手違いで人間ではなく苔になってしまう! 
    「なんとかしないとすぐに死んじゃう」
    正真正銘の最弱種族、最弱ステータスの苔で異世界生活を始めることに怯えるひかるだったが、転生特典の「スキルの追加習得」を活用してなんとか生き延びようと思考を巡らせる。そして、選んだスキルと覚えたての魔法で近くにやってくる小動物を倒しながらレベル上げをしていると、苔から別の種族へ進化できることが判明して……!?
    これは、スローライフを送りたいと夢見る苔が、種族を超える進化を重ねながらすこしずつ強くなっていく物語。
    MFブックス10周年記念小説コンテスト「特別賞&審査員賞」W受賞作品。

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