【レビュー】深いドラマに浸れる“追放もの”! 見守りたくなる新下剋上ヒーローの爆誕だ!

国選パーティを抜けた俺は、やがて辺境で勇者となる ~“悪たれ”やり直し英雄譚~

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はカドカワBOOKSから1月10日に刊行される『国選パーティを抜けた俺は、やがて辺境で勇者となる ~"悪たれ"やり直し英雄譚~』(著者:右薙光介/イラスト:輝竜司)です。みなさんの感想も聞かせてください!


今やひとつのジャンルになった“追放もの”。役立たずとして追放された主人公の下剋上的なストーリーに胸躍らされる内容が多い中で、主人公が追放された魔法剣士のロロではなく、彼の幼馴染みで戦士のユルグという変化の付け方が巧妙な上に有効的だ。

故郷の村に戻ったロロが、“妙幻自在”という二つ名を持つ魔法剣士としての凄さを発揮してみせる展開からは、“追放もの”ならではの下剋上的な楽しみをしっかり味わえる。けれども、そうした逆転劇への歓喜とはまた違った心に染みるような感慨を得られるところに、ユルグを主人公にした意味があり価値がある。

国選パーティを抜けた俺は、やがて辺境で勇者となる ~“悪たれ”やり直し英雄譚~

それは、過去の自分と向き合う大切さを教えられるということだ。ロロといっしょに故郷の村を出る前に、散々悪さをして“悪たれ”と嫌われていた自分が、今さら村に帰ったところで歓迎されるはずがない。そう思って、ロロを村に送り届けた後は別の所に行こうと考えたユルグの気持ちは痛いほど分かる。引き留めようとしたロロの友情には涙が出る。それだけに、村に留まって悪童だった自分への敵意としっかり向き合い、今の自分を分かってもらおうと頑張り居場所を得るユルグを応援したくなる。人って変わることができるんだ。そんなことを諭される。

深いドラマに浸れて、リーダー以外の元のメンバーが勢揃いしてしまったパーティが、改めて見せてくれる強さも堪能できてと楽しみどころ満載! とりわけユルグの勇者ぶりには注目するところ大。ここからどこまで強くなるかを見守りたくなる新ヒーローの爆誕だ!

文:タニグチリウイチ

ざっくり言うとこんな作品

1)パーティを追放された魔法剣士と、共に抜けた幼馴染みの戦士が故郷に戻り魔物を蹴散らし強さを見せる下剋上ぶりが痛快!

2)故郷の村では“悪たれ”として嫌われていた戦士のユルグが過去の自分を悔い改め、今の自分を見せて受け入れられていく変化に感動!

3)辺境の寂れた村が魔物相手の最前線になってあれよあれよという間に都市として発展し、ギルドの支部まで作られてしまって驚き!

主要キャラ紹介

ユルグ
“崩天撃”の二つ名を持つ戦士で故郷では“悪たれ”として嫌われていた

国選パーティを抜けた俺は、やがて辺境で勇者となる ~“悪たれ”やり直し英雄譚~

ロロ・メルシア
“妙幻自在"の二つ名で呼ばれる天才的な魔法剣士だが自覚がない

国選パーティを抜けた俺は、やがて辺境で勇者となる ~“悪たれ”やり直し英雄譚~

フィミア・レーカース
神聖魔法を使う“聖女”でユルグが勇者となるための鍵となる存在

国選パーティを抜けた俺は、やがて辺境で勇者となる ~“悪たれ”やり直し英雄譚~

作品情報
    • 試し読み
    • BookWalkerで購入する

    国選パーティを抜けた俺は、やがて辺境で勇者となる~“悪たれ”やり直し英雄譚~

    著者: 右薙光介   イラスト: 輝竜司

    辺境で再集結した最強の仲間と異変を制し、故郷を歴史に残る開拓都市へ!?

    第9回カクヨムWeb小説コンテスト 異世界ファンタジー部門大賞受賞作!

    ▼あらすじ▼
    国選パーティを抜け、幼馴染みの親友と共に帰郷したユルグ。昔は手に負えない悪たれだった彼は罪悪感から村人と距離を置こうとするが、村に接する未踏破地域に厄災級の魔物『手負い(スカー)』が現れたことに気づき、故郷を守ることで贖罪しようとする。そんな中、ユルグを追って次々と元パーティメンバーが集結し始める。いつ村が滅んでもおかしくない状況で参謀が提案したのは、『手負い(スカー)』を利用し、この寂れた村を開拓都市に進化させるという一発逆転の計画で……?

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