【レビュー】「薄い聖典(ほん)」が国の危機を救う!? いま一番推したい結婚回避ラブコメ!

かりそめ聖女は今日も王太子(推し)に求婚される 私との結婚は【解釈違い】なのでお断りします!

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は1月15日に刊行される『かりそめ聖女は今日も王太子(推し)に求婚される 私との結婚は【解釈違い】なのでお断りします!』です。みなさんの感想も聞かせてください!


『 (仮)花嫁のやんごとなき事情』シリーズにハマって以来、夕鷺かのう作品のファンです。今回も期待を裏切らない、極上のラブコメを堪能しました。

近年は「オタク」や「推し」をモチーフにした物語が人気で、さまざまな作品が刊行されています。とはいえ本作ほど爆笑し、そしていたたまれない気持ちになった(これは褒め言葉です、念のため)小説はありませんでした。中世風の異世界で飛び交う、「活版印刷の同人」や「薄い聖典(ほん)」といったパワーワード! 何よりも、一方的な妄想を巡らせて執筆してきたナマモノ同人小説を、ネタにしている本人に目の前で読まれるという羞恥プレイが登場し、あまりの恐ろしさに震えつつも笑わずにはいられませんでした。神殿という禁欲的な環境下でも、娯楽本という名の同人誌を密かに生み出しては頒布する。どこの世界でも変わらない、オタク女子たちの妄想力や生態には共感せずにはいられません。

『かりそめ聖女は今日も王太子(推し)に求婚される 私との結婚は【解釈違い】なのでお断りします!』より

こうしたオタク話が単なる「推しあるある」ネタでは終わらず、作中のファンタジー要素ともきちんと結びついている点にも感心しました。「薄い聖典」が国の危機を救うという斜め上の展開にぜひご期待ください。聖術を使ったバトルや聖典をめぐる設定など、ファンタジー的な読みどころが多いのも本作の大きな魅力です。

表向きの優等生としての顔と、本性であるオタクとのギャップが激しいアリアセラと、彼女の裏の顔を知っても引くことはなく、グイグイと迫るジークフリード。二人のコミカルなやり取りが絶妙な、いま一番推したい結婚回避ラブコメです。

文:嵯峨景子

ざっくり言うとこんな作品

・もし妄想のネタにしている本人に求婚されたら…? オタク聖女×一途な王子(推し)の結婚回避ラブコメ!

・オタクは異世界でも同じ生き物? アリアセラの言動に、【推し】がいる人なら思わず「わかる」と頷いてしまうこと間違いなし!

・「 (仮)花嫁のやんごとなき事情」などラブコメが得意な夕鷺先生の新作! あまりのテンポの良さにサクサク読んでしまうこと間違いなしです。

主要キャラ紹介

アリアセラ
ロッドガルド大神殿の巫女見習い。品行方正で優れた神力を持ち、周囲から一目置かれている。だがその本性は妄想好きなオタクで、ジークフリードを題材にした小説を書き続けている。

アリアセラ


ジークフリード
ロッドガルド王国の美しく聡明な王太子。幼い頃に母を殺され、行方不明になった過去がある不遇の王子だった。とある目的のために神殿を訪れてアリアセラに求婚するが……。

ジークフリード

作品情報
    • 試し読み
    • BookWalkerで購入する

    かりそめ聖女は今日も王太子(推し)に求婚される 私との結婚は【解釈違い】なのでお断りします!

    著者: 夕鷺かのう   イラスト: 亜篠 あさき

    聖女(オタク)が憧れの王子様と「薄い聖典(ほん)」で国を救います!?

    優秀な神力を持つ聖女候補アリアセラ。
    ある日呼び出しを受けるとそこには王太子ジークフリードがいて――
    「俺の婚約者になってもらえないだろうか」
    「無理です」
    何を隠そう彼は『薄い聖典(ほん)』で妄想のネタにしているその人で!? 
    国の危機を救うための政略婚約だと言われ承諾するが、なぜかジークの求愛は止まらず……結婚はしないって約束ですよね!?

Close
注意
この作品の「読んだ」を取り消しますか?
あなたの評価と感想が削除され、
本棚からこの作品がなくなります。
はい。取り消します。
キャンセル
注意
この操作を取り消しますか?
はい。取り消します。
キャンセル
エラー
ログインして下さい。
ログイン
キャンセル