【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMFブックスから12月25日に刊行される『王都の行き止まりカフェ『隠れ家』 ~うっかり魔法使いになった私の店に筆頭文官様がくつろぎに来ます~1』です。みなさんの感想も聞かせてください!
『隠れ家』っていう響き、なんだか惹かれませんか? 路地の奥にひっそりと建つ趣深い佇まいに絶品料理があれば最高! そこに店主の温かい人柄が加わればさらに完璧! そんな『隠れ家』の名を冠したカフェを開いたのが、現代から転移してきたマイさんです。彼女が作る料理は、どれも祖母仕込みの優しい味。米粉油で揚げたカツサンド、バターの風味豊かなクッキーは、出来立てでぜーんぶ美味しそう! 店主、端からメニュー全制覇してもいいですか!?
そしてもう一つ、マイさんが祖母から受け継いだのは変換魔法。鉄鍋から調理器具を、他のイモからジャガイモを作ったりと料理でもいろんなことに使えて、とっても便利! うわ、私も欲しい~!
そんな彼女の店の常連さんの一人、ヘンリーさんは美形で無表情、やり手の中間管理職の王城勤め筆頭文官と、属性盛り盛りでめちゃくちゃ推せます! 最初は朴訥なものの通い続けるうちに美味しい、と素直に告げてくれたり、会話が増えるのが関係性の進展を感じられてすっごく和むんです。マイさんも、彼の無表情の中に「しょんぼり」や「喜び」を感じるようになって分かりあえる関係性に。ほのかな描写から、信頼度の高まりが伝わってくるのに作者様の技を感じます……!
マイさんの店に魅せられた他の常連さんたちとも、持ちつ持たれつの関係へと変化するのがこれまたぐっとくるんですよ。病気をすれば、ヘンリーさんの部下のキリアス君が貴重なポーションを譲ってくれたり、そしてお返しにはマイさんの料理……と優しさの無限ループによって、世界が温かさで溢れてる! 浴びるほど優しさを堪能できて、すごく幸せな気持ちになっちゃいました!
文:波樹葉音
ざっくり言うとこんな作品
1)異世界に転移したマイは、王都にカフェ『隠れ家』を新規開店! 祖母から受け継いだ魔法と料理で人々を笑顔にしていく姿ににっこり。
2)王城の若き筆頭文官・ヘンリーも、マイの料理と人柄に見せられた一人。店主と客から、秘密を共有し合える心許した相手へと関係性は変化していく。
3)マイの優しさは、常連さんたちを笑顔にしていく。そして、優しさは巡り巡ってマイの幸せに。広がっていく優しい人々のつながりに癒される物語。
主要キャラ紹介
▼マイ
異世界から転移して、カフェ『隠れ家』を新装開店させた女性。祖母から受け継いだ変換魔法と料理で、人々を幸せにしていく。「一日一回誰かを笑顔にする」がモットー。
▼ヘンリー
王城勤めでやり手の若き筆頭文官。とある秘密を抱えており、周囲とは一線を引いている。カフェ『隠れ家』にはマイの手料理と人柄に惹かれ、週六通うほどの常連さん。
▼ソフィア
父親が働いている間、カフェ『隠れ家』で預かることになった女の子。三歳児らしく元気いっぱいでちょこちょこと走り回る姿がかわいらしい。マイのことを「マイたん」と呼んで慕う。
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王都の行き止まりカフェ『隠れ家』 ~うっかり魔法使いになった私の店に筆頭文官様がくつろぎに来ます~ 1
著者: 守雨 イラスト: 染平 かつ
美味しい料理と魔法の力で人々を幸せに! ようこそ『隠れ家』へ♪
東京で暮らすマイは病気により人生を終える直前、祖母から魔法の知識と魔力を与えられ、異世界へと送り出された。
異世界で健康に過ごせるようになったマイは、「与えられたこの命を無駄にしない」と決意をして、王都の行き止まりにカフェ『隠れ家』を開く。
そんな彼女の『隠れ家』に、お城勤めの筆頭文官ヘンリーが、マイの料理や人柄に魅せられて連日通うようになる。
彼は大きな秘密を抱えるがゆえに、平穏な日々を望んでいたが、たくましく生きるマイにどんどん惹かれていき……!?
他にも『隠れ家』にはマイに惹かれた人々が集まり、彼女の祖母と関わりのある人物も登場して――。
これはマイが美味しい料理と魔法の力で誰かを幸せにする物語。
王都の行き止まりにカフェ『隠れ家』、新規開店!