【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はファンタジア文庫から11月20日に刊行された『絶世の美少女騎士は俺のガチ恋オタクでした』です。みなさんの感想も聞かせてください!
主人公・クロノは、どうやら未来の世界で救世の騎士としてアニメ化、ゲーム化などなど、覇権コンテンツとなっているらしい。まぁ、私たちの現代社会でも偉人が様々な形で創作物に現れてるし、要はそういうことです。
そして、そんな原作……もとい過去の本人に対面したら、オタクはみんな限界化するのも当然なわけで。今作のヒロイン・シャーロットは主人公にガチ恋しているオタク属性、というのは新鮮味があって面白い。しかも普段は極めて真面目で優秀な女騎士であるという点も素晴らしい! 女子からキャーキャー言われるほどのクール美女が、クロノの前に立った途端、ふにゃふにゃのだらしない一面をさらけだしてしまうのだから、たまりません。推しが着ていたローブを「嗅がせていただきます!」とすーはー。これはさすがに笑ったけど。
しかもクロノを推しているのは一人ではない。シャーロットと同じく未来の世界からやってきたアイもまた、クロノのガチ恋勢。笑顔のまぶしい後輩と思っていたら、裏の顔は冷徹非情な特殊部隊員――おっと、俺に刺さるキャラだ、これ。そしてこの二人、同担拒否である。ことあるごとに自分の方がクロノに詳しいマウントをとりあうのだ。ガチ恋勢にとっては死活問題だしね。オタク心理もよくわかってくれている本作だ。
しかし、彼女達はただのクロノオタクではない。最愛の推しを守るために戦う中で、徐々にお互いの真剣さを理解し、悪態をつきながらも背中を預け合える関係になっていくのだ。うーん実に熱い王道展開。このてぇてぇ感も大好きです。ガチ恋オタクな女騎士とのドタバタコメディと、かっこいいファンタジーがどちらも楽しめちゃう、お得な一冊でした!
文:犬伏 空
ざっくり言うとこんな作品
1)時間遡行×オタ活という異色の組み合わせが光る異世界ファンタジー。時を越えて邂逅する、推しとガチ恋勢のドタバタコメディ!
2)普段は冷静なヒロイン・シャーロットが、推しを前にしてことあるごとに。限界化する様に、オタクなら共感&爆笑必至!
3)コメディだけじゃない! 主人公の持つ秘密の能力を巡る陰謀と、シャーロットの心の葛藤に心を揺り動かされる!
主要キャラ紹介
クロノ
侵略災害の数少ない生き残りの一人。災害の最中に<龍>と呼ばれる存在の心臓を譲り受けるが、その能力は秘匿している。
シャーロット
未来からやってきた女騎士。凛とした美貌と生真面目な言葉遣いだが、実は友人に残念認定されるほどの超クロノオタク。
アイ
クロノオタクとしてシャーロットのライバルとなる特殊部隊員。クロノを陰から(任務兼趣味として)常に監視している。
オフィーリア
クロノの幼馴染。研究者としてクロノを支える。幼い頃からのつきあいからくる親しさが、てぇてぇを感じさせてくれる。
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絶世の美少女騎士は俺のガチ恋オタクでした 1
著者: 蒼塚 蒼時 イラスト: Nagu
未来では俺が英雄らしい。そこから来た美少女騎士、俺のことが好きすぎる
騎士候補生の俺、クロノの前に突如現れた美少女、シャーロット。
彼女の正体は二百年後の未来からやってきた女騎士――
「私にクロノ様のサインをいただけないでしょうか!?」
そして、俺のガチ恋オタク!?
なんと未来で俺は大英雄の超人気キャラで、彼女はそんな俺が大好きらしい。
未来では英雄、今はモブな少年とクロノ専属の騎士(自称)の絶世の美少女。
俺達を待ち受けるのは――人類の敵《侵略種》。未来からの陰謀。
そして、まだいるぞ! ガチ恋オタク騎士!
「私も、クロノ様が好きなので……」「私のほうが大好きだ!」
女騎士達の恋心が暴走する、熱烈愛されファンタジー開幕!