【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はカドカワBOOKSから11月09日に刊行される『35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~』(著者:出雲大吉/イラスト:ゆのひと)です。みなさんの感想も聞かせてください!
「後を託される」というのはそれだけでドラマチックですし、物語への期待値をぐいぐい上げてくれる導入ですよね。その上に、トンネルならぬ書斎を抜けたらかわいいお世話役のホムンクルス少女が魔法を教えてくれるとしたらどうですか? もう最高でしょう!!
祖父から託されたホムンクルス少女と出会い、異世界へ行けるようになったことで主人公のタツヤの人生は一変するのです。異世界では村経営、こちらの世界では退魔師生活。まさに緩と急のメリハリすご過ぎ新生活ですよ。こうなればもう王道の無双ものになる――ことはありません。タツヤには魔法の才能というアドバンテージこそありますが、彼はあくまで常識ある社会人で、しかも中間管理職経験者! 決めるところはバシっと決めつつ、他のキャラクターの適正を見抜いて導くことだってやれちゃうんです。
それに、異世界で販売する物品をただ持ち込むのでなく、文字通りに根付かせるという点も好感度高いですね。利己だけでなく利他を大切にできる男、いや、漢。こんな姿を見せられたらそれはもう惹き込まれるじゃないですか。
実際、モニカを始めいろいろな人が彼の周りに集います。タツヤは彼らと力を合わせて問題に当たっていく。読者はまさに無双ではないチーム戦のカタルシスが味わえるわけですよ。中にはもちろん好意だけじゃない思惑を持つ者もいますけど、しかし! それをきっかけにして新たなドラマがメインストーリーとは別に動いていく……この表と裏の流れがどうなっていくのか? それが気になってもっと惹き込まれてしまうのですよねぇ。
ただのおじさんが魅せるただならぬ物語、オススメします!
文:髙橋剛
ざっくり言うとこんな作品
1)35歳の虚無男子が最高のダブル世界ライフを超満喫! どでかい収入とささやかな贅沢、ギャップある幸せが心に染みる!
2)創意工夫でゼロから異世界の開拓村を発展! 課題をひとつずつクリアしていく内政シミュレーションライクなお楽しみ!
3)こちらの世界では退魔師生活! 仲間と力を合わせて悪魔を退治、緊張感あるバトルアクションがたまらない!
主要キャラ紹介
山田タツヤ(やまだ たつや)
社畜生活を送る35歳の係長。祖父の家を受け継ぎ、人生が一変する。
ルリ
タツヤの祖父に造られた少女型ホムンクルス。タツヤのサポート役。
モニカ
王都から村へ派遣された監督官だったが、辞職してタツヤの秘書に。
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35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい 異世界と現実のいいとこどりライフ
著者: 出雲大吉 イラスト: ゆのひと
日本でチートな魔法ありライフx異世界ほのぼのスローライフ
突如凄腕の魔術の才能が覚醒した平凡な会社員山田は、魔法の世界を知る喋る黒猫とホムンクルス少女と暮らすことに。
異世界と日本を行き来可能になったので、異世界では、女子役人に懐かれて有能秘書をGET、田舎村を交易で発展させて感謝され……とのんびり異世界スローライフ!
現実の日本では転移魔法で日本中のグルメを楽しみながら、副業で悪魔退治を秒殺でこなして大金を稼ぎ――と、2つの家を行き来する、異世界と現実のいいとこどりライフ、開幕!