【新作ラノベ先読み感想文レビュー】今回はビーンズ文庫から8月30日に刊行される『捨てられ令嬢が憧れの宰相様に勢いで結婚してくださいとお願いしたら逆に求婚されました』です。みなさんの感想も聞かせてください!
推しと結婚できたらどれだけ幸せか……と思うことがある。例えばアイドル。第一線で活躍する推しの姿を見て、結婚までとは言わないが、いつかお喋りできたらなとか、デートできたらな、付き合えたらな、と考えたことがある人は多いのではなかろうか。事実、私も中高生時代に某グループのイメージカラーがピンク色なアイドルにそんな気持ちを抱いていた。いくら歳の差があっても、推しの隣には居たいもの。この気持ちに同意してくれる方もいるはずだ。
そんなアイドルへの叶わぬ想い――に似ているのが、本作のヒロインにして王太子に婚約破棄を言い渡された伯爵令嬢のステラである。悪役令嬢のように何か理由があるわけでもなく、ただただ王太子が他の女に心移りしたために婚約破棄を言い渡されたステラは、自暴自棄になった勢いで推しの宰相・ルドヴィクに結婚を申し込む。妃になるべく教育を受けていた健気なステラの姿を知っていたルドヴィクは、逆に彼女へ求婚するのだ。
求婚された意味が分からないステラからすれば、20歳もの年の差がある推しとの生活に困惑する一方なことも理解ができる。しかし、全てを知っている読者側からすれば……推しに認知されていて、しかも勢いとはいえ求婚できるステラはすごい! と思わざるを得ない。
年の差なんて関係ない。色気溢れる推しの前に、ただひれ伏すだけ! でも、すれ違いが起きたり、むず痒い展開が描かれたりしていくのがこれまた憎い……! この本は、ステラに自分を重ねて読むと、絶対にもどかしい気持ちになること請け合いのシンデレラストーリーだ。
文:太田祥暉
ざっくり言うとこんな作品
1)20歳の歳の差・すれ違い・溺愛・むずきゅん作品
2)40歳の大人で色気あふれる宰相様が、恋に悩み、ヒロインに悶える
3)婚約破棄がきっかけで結婚することになる、シンデレラストーリー
主要キャラ紹介
ステラ・レイ・ボードリエー
20歳。王太子に婚約破棄された伯爵令嬢。ルドヴィクの絵を
描くのが趣味
ルドヴィク・ミシェル・ラフォルカ
40歳。王弟で宰相。親衛隊がいるほど社交界で人気
グエナエル・バロー・ラフォルカ
王太子でステラの元婚約者
カミーユ・フルマンティ
男爵令嬢で、王太子の新しい婚約者
-
捨てられ令嬢が憧れの宰相様に勢いで結婚してくださいとお願いしたら逆に求婚されました
著者: 宮永レン イラスト: テディー・ユキ
大人な宰相様にたっぷり甘やかされる! 歳の差20歳のむずきゅん溺愛!
伯爵令嬢ステラは10年妃教育を受けたのに、王太子にあっさり婚約破棄された。
そこで自棄 になり、20歳年上で憧れの宰相ルドヴィクに勢いで結婚を申し込むと、逆に求婚されてしまう!
彼には親衛隊がいて、ステラも推しとして彼の絵を描くのが趣味。
そんな彼に甘く大切にされ……
「君を幸せにできるのは、私だけだ」
でも彼は責任で結婚してくれるだけ――。
こっそり推し活中の伯爵令嬢と大人な宰相様の歳の差むずきゅん溺愛!