「面白さの核みたいなものを捉えたい」VTuber・久利大也さん【第3回ラノベインフルエンサーインタビュー】

2024年8月5日公開

気になる「ライトノベル大好き！」なラノベインフルエンサーへインタビュー！　「はじまりとキッカケ」をテーマに、好きなライトノベルから自身の発信について伺ってみました。

第3回は、VTuberの「久利大也」さんです。

VTuberとしてのはじまりとキッカケは？

──動画を投稿するキッカケになった出来事を教えてください。

元々ラノベが好きで、Vtuberも好きで、ラノベを読んだりVtuberを見たりはしていました。それでラノベを発信する方も何人も見ていたんですが、僕が好きな傾向の作品を紹介している人がいないなと思ったんです。やっぱりラノベだとラブコメとか学園ものとかを紹介してる人が多い印象で。僕が好きなのはバトルとかアンドロイドとかポストアポカリプスとかなんですよ。だったら僕が活動を始める意味もあるのかなと思ったんです。それで最初に自己紹介動画と『エスケヱプ・スピヰド』（電撃文庫）の紹介動画を上げたのが活動の始まりです

──投稿するにあたって「こだわり」を教えてください。

こだわりというほどではないですが、お話の面白さの「核」みたいなものを捉えたいという欲が強いです。X（旧Twitter）に感想を上げるときには、1投稿（140字）の中にあらすじと面白かったポイントと個人的な思い入れを全部収めようとしています。逆にYouTube配信で感想を話すときには、140字には収めきれなかった感情を乗せたり、もうちょっと伝わりやすい表現に置き換えたりしています。僕が面白いと思ったポイントを全部言語化して、作品を楽しめる人に興味を持ってもらえるような語りになっていればいいなと思います。あとは何よりも、自分が楽しいことをやることですね！

──ご自身の動画で、おすすめの動画を教えてください。

自己紹介動画……と言いたいんですが、デビューしたときに作ったのでもう4年近く前なんですよね(笑)　長いんですが、ラノベオールタイムベスト100の配信アーカイブを見てもらえると、100冊のめちゃめちゃ面白いラノベと僕の読書傾向が知ってもらえるかと思います。あとは、ライブ配信の一覧を見ていただいて、サムネイルで気になる書影があったら見ていただくのがいちばんいいのではないかと思います！

ライトノベルを好きになったはじまりとキッカケは？

──初めて読んだ本や、今までで一番印象に残っている本などを教えてください。

幼い頃から絵本などは読んでいたんですが、読書が好きになったのは、『ズッコケ三人組』（ポプラ社）の影響が大きいです。子供向けの本ってどうしても勉強の色が入ってしまう気がしてしまうのですが、ズッコケ三人組シリーズを読んで初めて、純粋に「面白い！」ってだけの読書を知りました。以来本の虫です。

ラノベだと『ブラック・ブレット』（電撃文庫）が大きなきっかけですね。友達に貸してもらって読んで、それはもうハマりました。異能バトル、もっと細かく言えば架空の武術や義手義足が好きなのも、「ブラブレ」をきっかけに今まで続いている趣味です。ブラブレと出会ってなければ今こんなにラノベ読んでないし、読んでたとしても好みの傾向はだいぶ違っていたと思います。

──今注目するイチオシの作品は何ですか？その作品を好きになったキッカケと、推しポイントを教えてください。

『現代ダンジョンライフの続きは異世界オープンワールドで！』（オーバーラップ文庫）
とにかくこの作品は面白い！　今僕がいちばん続きを楽しみにしているシリーズです。自分が持てるすべてを懸けた戦いと、そうまでして貫きたい己の意志。そして僕は隔絶した価値観を持った人外が人間にぶん殴られる話が好きなんですよ！　さらにそれが恋心に結びついてくるので、もう、大好きです。ファンタジー世界が舞台ながら伝奇バトルっぽい要素も強いので、昔はラノベ読んでたけど今は離れちゃったような人にもオススメだと思います。

『飼育員セシルの日誌』（オーバーラップノベルスｆ）
紺染幸先生という作家さんが僕は大好きで、人の人生と愛についてどの作品でも克明に描きとられているのですが、中でも1冊薦めるなら今はこの作品。「ランフォル」という大鳥を育てる牧場で、天真爛漫な女の子セシルと優しい牧場主オスカーが暮らす1年間を描いた作品です。季節が巡っていく中で、少しずつ変化していく2人の関係。築かれていく信頼関係と、それが恋心へと変質する瞬間。読み終わったときに幸せで胸がいっぱいになる、そんな作品です。

『セピア×セパレート復活停止』（電撃文庫）
ガジェットからテーマまで今いちばん薦めたいSFがこの作品です。「死んでも生き返る技術」が前提の世界で、主人公がどんどん大きな事件・陰謀に巻き込まれていくスペクタクル感。様々な方向からの「人間とは何か」という問いかけ。最終的に着地するボーイミーツガール感も含め大好きな作品です。この作品に関しては配信で読書会もやりました。