【レビュー】キミなら入学できる? 知恵者たちが集う学園マネーゲームの世界へようこそ!!
【新作ラノベ先読み感想文レビュー】今回はMF文庫Jから7月25日に刊行される『ビリオネア・プログラム』です。みなさんの感想も聞かせてください!
生徒にお金の稼ぎ方を学ばせ、億万長者を生み出す長者原学園。入学希望者に課せられるのは「大金を稼ぐこと」だ。その手段の一つとして、少年少女たちは賞金付きのクイズのような問題を解くことで入学セレクションを勝ち抜こうとする。
ほとんどが勉強さえ頑張っていれば解けそうな問題だから、自分もまずはそれを解こうと思うだろう。数学のミレニアム懸賞問題のような難問が混じっているのには笑うけど。
でも、300人を超える受験生が問題を探して解きまくるという状況で上位3人に入れるかというと自信はない。さあどうする?
そこで主人公の獅隈志道という少年が繰り出した稼ぎ方が意外で面白い。「そうきたか!」と驚ける。この小説にはまだ先がありそうなだけに、次はいったいどんな稼ぎ方をしていくんだろうと興味を引かれてしまう。
株に投資する? ギャンブルにつぎ込む? そんな簡単な稼ぎ方で勝ち抜けるほど長者原学園は甘い場所ではなさそう。だったら自分の頭で金を稼ぐという「クイズ」の答えを考えるしかない。
まずは志道が最初の関門をどうやって乗り越えるかを推理して、当たっているかを追っていこう。気がつくと稼ぎ方について詳しくなれる、かもしれない。
文:タニグチリウイチ
ざっくり言うとこんな作品
1)合格できるのは334人中3人だけ。生徒にお金の稼ぎ方を学ばせ億万長者を生み出す学園の入学セレクションに挑む少年少女たち。
2)主人公の少年の前に現れた現職総理の娘と大企業の取締役令嬢。力のある2人の少女のどちらと組んで主人公は合格を目指すのか?
3)合格の条件は期間中にどれだけ多く稼いだか。クイズのような問題に答えると賞金がもらえるが、それが本当に正しい方法なのか?
主要キャラ紹介
現職の総理大臣を父親に持つ少女で事前の学力考査は1位。ダークな父親を憎み自分が総理になるために長者原学園入学を目指す。セレクションでは志道と組むことになる。
父親は院瀬見重工業の取締役だがAOでは合格できずセレクションに回った。志道を味方に引き入れようとするが断られ、別の2人を下僕として引き入れ志道たちを追い詰める。
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ビリオネア・プログラム 汝、解と黄金を求めよ
著者: 黒鍵 繭 イラスト: 白蜜柑
これは、資本によって支配された学園の話――
全てに『金』が介在する高校――長者原学園。そこは国家経済特別指定学園として積極的に個人資産を増やすことが推奨され、在学中に積み上げた資産は卒業時にほぼ自分のものになるという、破格の『稼げる学園』だった。
その入学セレクションを受けにアメリカからやってきた獅隈志道は、とある理由から金が嫌いな少年。「金じゃ手に入らないモノが欲しい」という彼は、金で釣ろうとする院瀬見琉花子の誘いを断って、生真面目な少女・芹沢在歌とセレクション通過に向けて共同戦線を張ることに。だが彼らの前に、琉花子が立ち塞がり……?
果たして誰が《ビリオネア》に届き得るのか?
アメリカから来て長者原学園の入学セレクションに臨む少年。事前の考査で学力2位、体力1位という好成績をあげていたが、入学を目指す目的は金が嫌いだからと謎が多い。